2023/09/17 22:45
【応援メッセージ】「Tango Para Bobos(ボボ達のためのタンゴ)」代表 アニー・タマダ 様& キース・ジョンストン  様

「タンゴを踊るのが趣味で」と人に話すと、「タンゴ?それ何?」「どうしてタンゴなの?」と聞かれる。 

いつも聞かれる質問なのに、わたしは「うーん、タンゴって面白いんだよね、やりだすと」とあいまいな受け答えをし、説明も 出来ていないのに「踊るとハマるよ、一緒にやらない?」と相手を誘うので、「そうね、今度見に行くよ」とお茶を濁され、 会話が終了する。そういうことを何度繰り返しても、タンゴとは何か、なぜ踊るのか、その答えを正座して書き出してみよう、 と試みたことは、まずなかった。 

ところが先日、その答えを見事に言い当てている歌が聞こえてきた。 

「夜のとばりが降りてきて、なんとなく物寂しい 

ああ、誰かと一緒に踊りたいな... 

でも、誰かと、って、一体、誰と? 

誰って、それは 

わたしを愛してくれる人! 

わたしをその腕に包み込んでくれる人!」 

すぐさま、ホイットニー・ヒューストンの歌詞をネットで検索した。それは、まさに、人はなぜタンゴを踊るのか、という問いに直 球で答えている歌だった。 

人はみな寂しい。オギャーと生まれた時から、毎日一生懸命生きているのに、ソレじゃダメだ、コレも出来ていない、と、い つも誰かに否定され、生きづらさを感じながら走り続ける。ダメと言われないように頑張っているのに、それでも、自分は本 当にこれでいいのだろうかという不安が付きまとう。さらに、頑張って、心や身体に不調が出て、病気になり、今度こそ自 分を労わる時間が来るのかと思いきや、いや、健康じゃない自分はダメだ、早く治さないと、と逆に自分を鞭打つ(※ 個人の体験です)。 

そんな風に生きていると、人は無条件に「あなたは、そのままで素ん晴らしいー!」と、誰かに抱きしめてもらいたいし、本 当にそうされたときは、幸せだな、自分はこれでよかったんだ、と思えて、その癒しのエネルギーが身体を駆け巡る。 

これは、一言で言えば「受容」 ー つまり、自分で自分自身をやっと受け容れることができた「愛」だから、とてつもなく心地  よい、のではないだろうか。そして、そういう瞬間をくれるのが、タンゴ、なのだと思う。 

しかし、そういうタンゴは、真の、究極のタンゴで、それほどしょっちゅう起きるわけではない。タンゴの中でも、他人との比較、 競争の傾向は大いにあり、「受容」どころか、排他的で、差別的なタンゴが商売として流通している。ダンスの技が人より 上だと証明するための大会やジャック&ジル。ミロンガでさえ、壁の花のまま、一曲も踊らずに、ズタズタの自尊心を抱え て帰途に着かされることも少なくない。タンゴぐらい、人と比べられるストレスや、男は、女はこうあるべき、という誰かが決 めたルールから開放され、どんな自分自身もオッケー!と受け容れられ、癒される場でありたいよね、と思うのは、わたしだ けだろうか。 

閉塞的なタンゴが息苦しかったわたしは、世界のミロンガを飛び歩き、現在は、アルゼンチンで見つけた「受容のタンゴ」を、 夫と共に横浜で普及している。でも、今日は、自分たちの宣伝よりも、同じ市内にある「タンゴ・サプリ」のミロンガのことを 声を大にしてお伝えしたい。主催者のホッとする温かい歓迎。そしてタンゴ講師の中川ケニーさんの猛烈に 熱いアブラソ。そのミロンガに行くと、「違いなんてないよ、でも、違ってもいいんだよ、そして人と違うからあなたは素敵なん だよ」と、自分がそのまま、深い愛で受け容れれられていることを真に感じさせてもらえる。 

そんな、稀有なタンゴが、10 月 9 日に、西の神戸に出現するとのこと。これは見逃せない。是非とも、多くの方に、会場 でそのタンゴを体験して頂きたい。そして、そんなミラクルなタンゴを垣間見せてくれる「タンゴ・サプリ」の最強メンバーを西 に送り出すために、本クラウド・ファンディングに是非ご出資されたし。