私達のこと


「タンゴサプリ」と申します。
この会はあるパーキンソン病患者が立ち上げました。
様々な課題や生きにくさを抱えたひとたちが、アルゼンチンタンゴを通して互いに受け入れ合い、共存・共生・共感・共鳴することを目指して活動しています。

その発端はあるパーキンソン病患者が、ふとしたきっかけでアルゼンチンタンゴと出会ったことに端を発しています。病気の発症で、それまで趣味であり生きがいでもあったサーフィンができなくなり、なにか一生懸命になれるものがほしいと模索していたときに、たまたま手にしたある大学の生涯学習セミナーのパンフレット。たくさんある講座の中にあった「アルゼンチンタンゴの魅力」という文字。何気なく飛び込んでみたその世界にあっという間に魅了され、ハマってしまったのです。
その講座の中で、「タンゴセラピー」の存在を知り、パーキンソン病の症状にたいへん有効であることがわかり、その時運命のような、使命のようなものを感じたといいます。この楽しさや素晴らしさを、同じ病気で悩む人達に伝えたいと仲間を集めてレッスンを始めたのがこの活動のスタートでした。

現在はパーキンソン病患者のためのレッスンに加え、アルゼンチンタンゴとパーキンソン病の関係性(症状に対する影響、どんな効果があるか)を実証するための研究への協力、それから老若男女問わず、病気や障がいの有無やダンス歴も関係なく、誰でも気軽にタンゴを楽しめる場づくり「バリアフリーミロンガ」の開催をしています。
(ミロンガ=アルゼンチンタンゴのダンスパーティー)


なぜアルゼンチンタンゴなのか?

アルゼンチンタンゴと聞くと、あのアクロバティックに回ったり、持ち上げたり、飛んだり跳ねたりの激しいダンスというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
アルゼンチンタンゴには大きく分けて2通りのダンスがあり、ひとつは前述の派手な動きの「ショーダンス」これは、主にプロがショーなどで見せるために派手な振り付けをして、決まった相手と練習して踊るものです。
もうひとつは、「サロンダンス」といって、ミロンガと言われるダンスパーティーなどで、その日出会った男女が男性のリードを女性が感じ取って即興で踊るもので、その人にあったダンスができるので、無理なくどんな人も踊ることができるものなのです。私たちのおこなっているレッスンやミロンガでは、この「サロンダンス」を基本としているので、どなたでも踊ることができます。

アルゼンチンタンゴは、その動きの特徴から、様々な病気や障がいのリハビリとして、運動機能の維持、改善に役立つことが海外の研究で証明されています。また、アブラッソ(抱擁)を基本スタイルに置くペアダンスであるため、安心感や幸福感を得ることができ、メンタルケアとしても効果的と言われています。

これは、パーキンソン病の症状であるウェアリングオフ(薬の効果がなくなり、筋肉の固縮や無動の状態に陥ること)とアルゼンチンタンゴの関係性をよく表した動画。ウェアリングオフ時にタンゴの音楽がなり踊りはじめると、今までのロボットような動きが嘘のようになめらかになります。魔法にでもかかっているかのような現象です。(映像は鏡に写ったように実際とは反転に写っています)


バリアフリーミロンガにたどり着いた経緯

この活動を始めた頃、いつも参加してくださっていたおばあちゃんがいらっしゃいました。小柄で可愛らしくて、おしゃれでいつも凛とした印象の方でした。その方は以前は社交ダンスをやっていらして、競技会にも出ていらっしゃるような実力の持ち主だったとか。真っ赤なダンスシューズがその頃の自信を表しているかのようでした。でも病気を発症してから、みんなについていけなくなり、他の人に迷惑をかけてしまうから・・・とダンスから遠ざかっておられましたが、そんなときに私達の活動を知って、また踊れるかもしれない!と思い、嬉しくなったとおっしゃっていました。ある日、レッスンが始まって随分と時間が経っているのに姿が見えず心配していましたが、終わりも近くなった頃、携帯電話が鳴りました。出てみると知らない方からの電話。よくよくうかがってみると、駅でウェアリングオフになって動けなくなっていたそのおばあちゃんに呼び止められ、事情を聞き、電話できなくなっているおばあちゃんに変わって電話をかけてくださったのだということでした。そのおばあちゃんの熱意にも感動しましたが、喋ることもままならなくなっているおばあちゃんの話を根気よく聴いてくださり、知らない人に電話をしてきてくださったその方にも涙が出そうなほどに感動したのを覚えています。

でもその後心配された息子さんから、「他のひとに迷惑がかかるから」と止められ、それからというもの一度もいらっしゃることはありませんでした。

私たち患者は、確かに誰かの助けを借りなければ、出かけることすらままならないけど、迷惑ばかりかけて生きてるわけではないんです。そのおばあちゃんだって、私たちに勇気と元気をくれたし、きっとその助けた方も、なにかを感じて帰られたと思います。パーキンソン病っていう病気がどういうものなのかの一端を知ってくださったのではないかとも思います。私たちだからこそできること、伝えられることが必ずあるはずなのです。

まさに「バリアフリーミロンガ」はそのひとつであるといえるでしょう。

仲間を集めてレッスンを始めた頃、もっと踊りたい!と様々なミロンガ(ダンスパーティー)に行ったりもしましたが、閉鎖的、排他的なところも多く、結局誰からも誘われずに帰ってくるということも少なくありませんでした。体調が思わしくなく、思ったように体が動かず、相手の方から暗に断られたこともありました。そんなことが続き、このままタンゴを楽しめなくなっていくのは嫌だと思い、だったら自分たちで踊る場をつくればいい!と考えたのです。レッスンに通ってくる同病の仲間や、様々なハンデを抱えた人たちも、また初めてタンゴに触れる人でも、どんな人も一緒に楽しめる場。

そんな場所は、健常者やベテランの人にとっても居心地のいい場所になりうるんだということは、やってみて初めてわかったことでした。また、普通に見えていた方でも「実は・・・」と、ご自身の病気やハンデをカミングアウトしてくれる方もいたりして、誰しもが大なり小なり生きにくさを抱えているものなんだということにも気付かされました。

ある時、弱視の男性が参加してくださったことがありました。アルゼンチンタンゴでは「カベセオ」というのがあって、男性が踊りたいと思った女性に目でそれを知らせて、女性も目でお返事するという言葉のないコミュニケーション方法です。しかし、その方は遠くが見えづらく、たとえカベセオで気持ちを伝えても、お相手のお答えが見えないというのです。で、どうしているのかと尋ねると、踊りたい女性の近くにさりげなく近づいていき、「どちらからいらしたんですか?」などと簡単な会話からスタートして、「では踊りませんか?」ともっていくのだそう。それがコミュニケーションの基本なのだから、それでいいのです。自分が自分らしくいられる方法で楽しめばそれが正解なんですから。

また、障壁はなにも病気や障がいだけではありません。例えばジェンダーについて。通常、男性がリードし(リーダー)、女性がそれをうけて感じ取って踊る(フォロワー)というものなのですが、それを窮屈だと感じる人もいるかもしれません。先日、アメリカ人のご主人と日本人の奥様というご夫婦が参加してくださいました。おふたりは、両方ともにリーダー、フォロワーができるそうで、曲によってスイッチしたり、相手によって変えたり、自由にタンゴを楽しんでいらっしゃいました。素敵なご夫婦でした。そんな楽しみ方もあるんだということを教えていただいた気がしました。自分なりの楽しみ方、スタイルでいいんです。

そんなある日、神戸在住の男性が参加してくれました。私達の趣旨に共鳴し、そこに来てくださった方々が作り出すあったかい雰囲気を大変気に入り、「関西でもバリアフリーミロンガを!」といってくれました。私達が大切にしてきたこと、向かおうとする方向性は間違っていないんだと思いました。だったら様々な地域の多くの方々にこれを伝えていこうと思いました。


私達が実現したいこと
①様々な生きにくさを抱えた人の心の拠り所として、アルゼンチンタンゴを気軽に楽しめる場を提供したい
②アルゼンチンタンゴを通して互いを受け入れ合うことや思いやる心を取り戻せる場にしたい

これらの思いを、東京、横浜につづいて神戸の地で実現したいと考えています。

年齢、性別、病気や障がいの有無やダンス歴など、どんな状況のどんな人であっても、音楽やダンスを楽しむ心を持っていればだれでもOK! お互いが認め合い、受け入れ合い、それぞれが思いのままにそれぞれのペース、スタンスで自由にタンゴを楽しめる、そんな場所を各地に作っていきたい!これが私達の思いです。

しかしながら、もともと自助活動として始まったサークル活動だったため、余剰金はほとんど発生せず、プールしているお金もまったくありません。遠方での活動には資金は不可欠です。

そこで、多くの方に呼びかけてご協力をお願いすることにしたのです。



バリアフリーミロンガ in 神戸について

1年で一番晴天の多い時期、スポーツの日に開催します。

会場は吹き抜けになっていて、半分屋外といった素敵な場所です。

開放的な場所で気持ちよく踊れるはずです。(雨天でも屋根がある場所もあるので大丈夫!)

昼間から夜まで、いついらしてもOKです!

日時 10月 9日(祝)スポーツの日   15:00〜21:00

場所 三宮プラッツ 神戸市中央区三宮町1−13

初心者も楽しめるアルゼンチンタンゴレッスン

難病を抱えつつも活動を続けるミュージシャンによるミニライブ

なども予定しています。

2部制ですが、1部2部通して一日中楽しんでくださっても1,000円です。

障害者手帳、特定疾患助成受給者証をお見せいただくと、付き添いの方1名分無料とさせていただきます。

ダンスなんて踊ったことない・・・という方も大歓迎です!レッスンもありますし、踊れなくても楽しみ方は無限大です。タンゴの音楽に耳を傾けるもよし、そこへ集まってきた多様な方々との交流を楽しむもよし、その雰囲気を味わうのもよし、あなたらしくあなたのスタイルを見つけてください。私達はみんなであなたをお待ちしています。



資金の使い道


運営スタッフの準備や当日の交通費及び宿泊費:約15万円
出演者の交通費、謝礼:約16万円
チラシ等広告宣伝費:約2万円
音響機材レンタル料:約3万円                                           雑費:約2万円                                                    クラウドファンディング成果報酬手数料約5万円(9%+tax)
リターン原価、配送料約7万円

当日参加者からも参加費を頂きますが、スタッフやレッスンをしていただく先生など、どうしても関東から参りますので、交通費、宿泊費はかかってしまいます。かといって参加費を闇雲に上げてしまうと、敷居を高くしてしまいます。もし、たくさんの方が参加してくださり、その分余剰金が出た場合は、次回のバリアフリーミロンガの運営費に当てたいと思います。

それから、ライブ等出演者ですが、できるだけお近くからお呼びしておりますが、なにしろ難病を抱えていらっしゃるので、無理のない移動方法を選択していただきたいと思っています。謝礼につきましては、かなり破格で設定させていただいており、ご本人様からも了承頂いております。

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。



リターンについて

以下の設定しました。

①3,000円 10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポート
②5,000円 10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポート+当日レポート映像(配信)
③10,000円 10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポート+当日レポート映像(配信)+オリジナルレッスンバッグ
④20,000円 10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポート+当日レポート映像(配信)+オリジナルTシャツ
⑤30,000円 10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポート+当日レポート映像(配信)+オリジナルレッスンバッグ
+オリジナルTシャツ

☆10/9バリアフリーミロンガ@神戸開催レポートについて
いただきましたメールアドレスにPDF形式でA4サイズ1〜2枚程度をお送りする予定です。(画像含む)

☆当日レポート映像について
You Tubeによる視聴限定公開にて約1ヶ月公開します。いただきましたメールアドレスにURLをお送りします。
You Tubeの動画を視聴可能な環境にある方限ります。
尚、本リターンの内容を無断で転載・公開することはご遠慮ください。

☆レッスンバッグについて
綿100% ヨコ45cm✕タテ30cm✕マチ13cm

☆Tシャツについて
綿100%
Mサイズ 身丈70cm 身幅52cm 肩幅47cm 袖丈20cm
Lサイズ 身丈74cm 身幅55cm 肩幅50cm 袖丈22cm


『Tango Suppli』オリジナルロゴについて

ダンスで二人がお互い支えあって成長できる。
世界中の人がダンスを踊れる世界をめざして。
そんなイメージ願いを込めてこちらのロゴを作成させていただきました。

ロゴ制作者 プロダンサー、DJ、El Tango Osaka代表 伊井慎治


最後に

ヨーロッパに行くと広場や教会などでミロンガ(アルゼンチンタンゴのダンスパーティー)が行われていて、誰でも気軽に楽しめる場があることに気づかされます。そこは、老若男女が普段着のままでも、気軽に踊ったり、音楽を聴いたり、雰囲気を楽しんだりできるような場。かっこよく踊らないといけないとか、着飾らないといけないとかを感じさせず、心地よく踊ること、コミュニケーションを楽しむこと、人と繋がることを大切にするようなミロンガ。

コロナで失われた3年の間に症状が悪化してしまった同病の仲間をたくさん見てきました。それは運動不足もさることながら、人と関わらずにいたことで、心が動くことを忘れてしまったことにあると思っています。喜怒哀楽は、そのほとんどが人との関わりの中で生まれてくるものです。
直接人と関わることを制限され、人のぬくもりや人とつながることの喜びから遠ざかっていた今だからこそ、アルゼンチンタンゴはそれらを取り戻す役割を果たしてくれるものとして多くの人に受け入れられると考えています。生きがいや生きる楽しみを失いかけていたときに、人と触れ合うこと、伝え合うことの楽しさや喜びを私たちにアルゼンチンタンゴが教えてくれたように。

ひとりでも多くの人が元気を取り戻してくれるきっかけになったら・・・それが私たちの願いです。


「タンゴサプリ」の活動について

パーキンソン病患者が主体となり、様々な立場の様々な分野の方々と一緒にアルゼンチンタンゴを通して社会に何ができるか、日々考えながらも楽しみながら活動しています。

これまでの活動の主なもの

2013年9月  神奈川県内のパーキンソン病患者会で初めてタンゴセラピーのレッスンを行う
2014年7月 有志によるレッスン会を開催
2015年3月 サークル活動として発足。毎月1回の患者対象のレッスンを開始。
2021年   早稲田大学阿部田氏の研究に参加
2022年2月 「バリアフリーミロンガ@ヨコハマ」第1回開催
2022年7月 阿部田氏「パーキンソン病患者を対象とした健康支援教育プログラムのデザインと効果
      ーオンラインタンゴセラピーにおける検討ー※1」が採択
2023年4月 福岡にてタンゴセラピー体験レッスン実施
2023年4月 阿部田氏「パーキンソン病患者へのタンゴセラピーによる健康支援プログラム※2」(リアル対面レッスン)が採択


↓※1オンラインタンゴセラピーの論文はこちら

↓※2対面レッスンタンゴセラピー論文はこちちら


  • 2023/09/17 22:45

    【応援メッセージ】「Tango Para Bobos(ボボ達のためのタンゴ)」代表 アニー・タマダ 様& キース・ジョンストン  様「タンゴを踊るのが趣味で」と人に話すと、「タンゴ?それ何?」「どうしてタンゴなの?」と聞かれる。 いつも聞かれる質問なのに、わたしは「うーん、タンゴって面白いんだ...

  • 2023/09/06 13:10

    神戸のミロンガに先立ちまして、パーキンソン病の患者様を対象に体験レッスン会を10/7に開催します。アルゼンチンタンゴってどんなもの?ダンスなんてやったことない・・・って方がほとんどではないかと思います。いきなりミロンガに行くのは不安という方にまずは体験していただきたいと思い企画しました。講師は...

  • 2023/08/29 22:09

    【応援メッセージ】 NPO法人日本タンゴセラピー協会理事 中川健一郎 様日本タンゴセラピー協会理事のケニーです。今回の神戸のバリアフリーミロンガでは前半のレッスンを担当させていただきます。主催者のタンゴサプリの皆さまとは、横浜バリアフリーミロンガでいつもご一緒させていただいておりますが、みなさ...

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