2019/06/07 12:24

病気や障害を抱えていると、お出かけには数多くの不安があります。移動中に体調が急変したらどうしよう。列車の乗り降りはスムーズにできるだろうか。考えるほどに増えていくばかりです。それでも、挑戦する気持ちを大切に軽井沢キッズケアラボでは、一人ひとりの「行ってみたい」を優先してきました。

実際に行動してみると、結果は想像していたよりずっと良いものでした。目立った体調の悪化がなかったばかりか、たくさんの人との交わりの中で、社会が自然とより良いものへと変化していくのを実感しました。最初こそ戸惑いが見られた鉄道会社の職員の対応が、回を重ねるごとにスムーズになって行ったように。

慶應大学大学院健康マネジメント研究科教授の堀田聡子さんは、私たちの活動を次のように表現してくれています。

いつもは「ケアを受ける子」とみなされがちな医療的ケア児が、軽井沢に集い、ひとときの新しい日常をともにすることで、「支えられる-支える」を超えて互いに喜び・高め合う。彼らが一歩を踏み出した瞬間、交通機関の職員、お店のおばさん、隣のおじさん、学生たち…誰もが持つより良く生きたい、より良い社会に貢献したいという思いが形になって溢れ出す。医療的ケア児の存在が、私たちの背中を押してくれる。軽井沢キッズケアラボは、子どもたちの可能性に光を当てることで、ちょっとしたやさしさの満ちた社会へのエンジンとなっている。

経験したことがないことについて、想像で嘆いたり現状を批判したりしても、より良い未来はやってこないかも知れません。だったら想像ではなく、実際に行動してみる。そこに変化の種がまかれ、きれいな花を咲かせることもあるのだと思います。

今年のチャレンジを通じて、一人でも多くの人が彼らと交わり、また一つ社会に新しいあたりまえが生まれることが楽しみです。難しく考えすぎず、自分の気持ちに素直にやっちゃおう!