2017/01/31 21:35

写真:シリア人の子どもたち

エドテックグローバルスクール、ヨルダン校担当の落合です。
今回はヨルダンに住む、シリア難民の雇用状況について報告します。

ヨルダンには2017年1月現在、シリアから逃げてきた約60万人の難民が暮らしています。彼らは郊外の難民キャンプで暮らしている他、アンマンなどの都市にアパートを借りて暮らしています。彼らは国連や国際NGO等からの支援で水や食料を得ながら、なんとか日々を凌いでいます。しかし、ヨルダン人ですら仕事が無い中で実務経験のない難民の学生が仕事を得ることは難しく、能力ある若者たちが力を発揮する環境がないのが実情です。

 

ヨルダンには目立った産業が無く、石油などの資源も取れません。そのため、ヨルダン人ですら15歳~24歳の若年層の失業率は27.1%(2009年、世銀)と非常に高いです。この状況を打開するため、ヨルダン政府は特別な投資や資源の要らないIT産業の強化に乗り出しました。2010年にはアンマンにビジネス特区(King Hussein Business Park)を整備し、シスコやマイクロソフトなどのIT企業を誘致しています。誘致した企業は優秀な人材を求めており特にITエンジニアについてはシリア人であっても優秀であれば雇用することがあるようです。アンマンでは、「ITを学べば仕事が見つかる」ということで、アメリカ系のNPOが提供するプログラミングの集中合宿では20人の応募枠に800人が応募(倍率40倍)するような状況です。

 

エドテックグローバルスクールは、既にある程度の技術・知識を持った方に最先端の技術供与を行います。また、フィールドワークと寄付サイト開発を通じて生徒の実務経験の積み上げを支えます。私たちはプログラミングを1から教える学校ではありませんが、最新の技術の習得により、生徒は他の学生とは違う抜きん出たスキルを身に着けることができます。これにより、私たちは単に生徒の雇用を後押しするだけでなく、雇用された後生徒が自分の独自のスキルを活かし活躍していくことをサポートしていきます。