2020/10/23 01:49



昨日に引き続く皆様からのご支援により、公開2日目にして目標の70%を達成いたしました!重ね重ね皆様の熱い応援に感謝申し上げます!

クラウドファンディングは初めてだったので、手探り状態でしたが予想外の出だしに、企画した者としてとても驚いております。内容に共感頂けたというコメントも数多く届いており、取り組んでいる課題の重要性や意義を再認識している次第です。

支援者の方々にはなるべく早くお礼のメッセージをお返ししておりますが、実験や講義の関係で多少遅れてしまうことがございます。ご了承いただけると幸いです。


さて、今日は昨日取ってきたサンプルを使って、土の中にどんな小さな生き物(微生物)がいるか探す実験をしておりました。とは言っても顕微鏡を覗いて地道に探すわけではありません。それでは、どのような手法を使っているのでしょうか?面白い手法なので少し紹介したいと思います。

どうやって生き物を見分けるの?

土壌の中には目には見えないほどの小さな生物が無数に住んでいます。そしてこれらの生き物には種類ごとに個性があります。その一つが食べ物の好き嫌いです。目に見えないほど小さな生物なんて皆んな同じだと思われるかもしれませんが、みんながみんな同じ食べ物を食べているわけではありません。どんなに小さくても好みの食べ物や食べたくないものがあるのです。これは諺の「蓼食う虫も好き好き」みたいなもので、蓼を好んで食べる昆虫もいれば、そうでない昆虫もいるのと同じです。そこでこのような食べ物の好き嫌いを利用して、どんな生き物がいるのか見極めようというのが、現在取り組んでいる実験です。

例えばある場所にA・B・Cという3種類の生き物が住んでいるとします。Aという種はみかんを、Bという種はリンゴを、Cという種はスイカを食べて生活していました。さてさて、ここにある少年がやってきて、何も考えず網を振ったところどうやら1種類だけ捕まえることが出来ました。しかし少年は見た目でこの生き物がA・B・Cのうちどれにあたるのか判断することが出来ませんでした。

そこで少年はこの生き物に餌をやって、何を食べたか見ることで種類を見分けることを思いつきました。まず初めに、ミカン、次にリンゴ、最後にスイカをあげてみたのです。餌を与えた結果

その結果が上の図です。リンゴだけ食べられていました・・・。

さて、皆さん。少年が捕まえてきたのはどの種類か分かりましたか?そうです。この少年が捕まえてきたのはリンゴを食べるBという種類だったことが分かりました。

今取り組んでいる実験はこのような方法を、微生物に応用したものになっています。いかがでしょうか?「そんなに難しくなさそうだし面白そう!」と思っていただけたら幸いです!


実際の実験では・・・

実験の様子

実際の実験ではこのように採取してきた土から溶液を作ります。この溶液の中にいろんな微生物が入っています。そしてこのいろんな微生物が入っている溶液を"エコプレート"と呼ばれるプレート上に流し込んでいきます。流し込んで1週間たったエコプレートが下の写真です。

エコプレート

このエコプレートには餌の入った穴が備わっており、それぞれの穴で異なる餌が入っています。言わばこのエコプレートは土壌微生物のビュッフェともいえるわけです。ただし、一つの穴には一つの食材しか入っていないので、嫌いなものが入っていた場合には微生物さんには諦めてもらう必要があります。 

写真をよく見てもらうと分かる通り、穴によって色が少し違いますよね?これが微生物が食べた痕跡です。色が濃いほどよく食べていることを示しています。逆に透明なところは不人気な食材です。ホテルのビュッフェでも大人気ですぐなくなるメニューと、山のように残ってしまうメニューがありますよね。人間も土壌微生物も好き嫌いがあるのは同じようです。

さて、今回は実験内容について簡単に紹介させて頂きました。折角森林に関する研究を応援して頂いたので、今後もこのようなトピックを時々紹介出来たらと思います。ご興味のある方はどうぞご覧ください!今後ともどうぞよろしくお願いします!