2021/06/08 05:11

1回目の住民説明会の日(2020年11月5日)が決定すると、そこに向けて情報収集の日々でした。

わたしの日常の中の最優先事項は、何よりもソーラーパネルを止めることとなりました。
そのためには、仕事を休ませてもらったり、替わってもらったりしました。理解のある職場で働けて幸せだと感じました。

娘は、原発反対運動、小学校の存続活動などでお母さんがバタバタしているのは慣れっこです。

「お母さん、まためんどくさいことに首突っ込んでるね」と冷静に見ていました。
とりあえず、親の背中を見せておこう。わかる時がきっと来るはず!

そして「ソーラーパネルっていいものじゃないの?」学校でそう教えてもらったと、他の子も言っていたそうです。

物事にはメリットとデメリットがあって、どちらも考慮して、その状況に合った最善を選択するということは学校では教えてくれないのですね。原発もリニアも同じです。いいことだけまとめたパンフレットが学校で配られます。再生可能エネルギーはいいもの、以上!それが今の「学校教育」なのでしょうか?

だとしたら、しっかりとした「家庭教育」で、多角的なものの見方を教えてあげたいです。そして、学校の外の「社会教育」で意見の多様性を学んでほしいです。

そんな中、平林に現地視察に来てくれたのは、地質調査士の佐野明子さんでした。
面識がなかったのですが、SNSでの発信を拾ってくれたのです。

「(ご友人の住む)岐阜県中津川市のソーラーパネル計画を止められなかったので、平林のソーラーパネルは絶対に止めたい!」と、熱い想いをお持ちでした。縁もゆかりもないこの土地に、なんとありがたいことか!!

平林に登ってくる山道ですでに「この土地は集落ごと動いているから、クロスビーム工法という工事がされている箇所があります」と教えてくれました。ただ、わたしたちが生きている間に集落が崩れるということはないでしょうとのことでした。専門家は、どんな土地か観察すればすぐにわかるのです。


そして、計画現場を見ていろいろと検証されていました。専門家からの目が、とても心強く思えました。環境省、経産省のガイドラインを印刷して持ってきてくださり、説明会で質問するポイントまで教えてくれました。目からウロコ!

その後、ガイドラインを読み込み、おかしいところをたくさん発見しました。これは行けるのではないか!と思ったのですが、そのガイドラインは努力目標で、法的効力は全くないものと知った(腑に落ちた)のはそのずっとあとでした。

ガイドラインを遵守していないのに、法的には問題がないことに矛盾を感じました。そのガイドラインは意味があるのでしょうか?

とはいえ、日々、いろいろなことを学び吸収していく作業はとても楽しいものでした。そして、惜しみなく力を貸してくれる区外の方の思いに、涙があふれる毎日でした。

つづく

もくじ
~プロローグ~はじまりの日
Episode1 二人だけのミーティング
Episode2 神様からの届け物
Episode3 防災に絶対はない
Episode4 地元民がやるしかない
Episode5 そこに愛はあるのか?
Episode6 救世主あらわる
Episode7 新しいことを学ぶ日々