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【卒業生の声】Yさん(20代女性・学生)
フリースクールが、利用者にとってどんな場所なのか?実際に卒業生にインタビューをして、通う事によって起きた変化を明らかにします!
▶フリースクールにつながった経緯は?
高校の後半はずっと、教室の椅子で息苦しさと気分の悪さに耐えていました。遅刻や早退、欠席が多くなるとクラスで浮いた存在になり教室に居場所はないように思えました 。「どうして私は普通のことが出来ないのか」と自分を責めていました。
今思えば様々な要因が絡み合っていたと思います。それでも「卒業したい」という思いで自分に鞭打って登校しました。
ある日、張りつめていたものがぷつりと切れます。
高校3年の夏、全く学校に行くこと が出来なくなりました。
それからしばらくの間、人間らしい生活を失い、当時の私の小さ な世界観の中で「人生終わった」と感じました。こんなことになって両親に対して申し訳 ない気持ちでした。状況を何とかしようと高校3年の冬に通信制に転入し、そのキャンパ スがあるフリースクールで卒業までの約3か月間を過ごしました。
当時は普通に生活できる人が頭が焼け付きそうなほど羨ましく、自分は無価値な人間だと感じました。前向きな気持ちでの転入ではなく大きな喪失感を抱え、知らない環境に対して不安ばかりでした。
▶フリースクールでの印象に残っている思い出
私が初めて行った日は調理実習でした。何をするか、どんな人がいるかもわからず行っ たその日に「一緒に料理しよう!」と言われ一瞬戸惑いました。しかし、皆と一緒に里芋の煮っころがしや餃子を作って、「意外と自分にもできることがあったんだな」と思えました。
自分は何も出来ないと思っていましたが、フリースクールでの調理実習やレポート作成、体育、書初め等の活動を通して「あれ、やってみたら出来た」という小さな「出来た」を積み重ねて、失っていた自信が少しずつ戻ってきたことをよく覚えています。
また、以前までは一人抱えていた想いもフリースクールのスタッフの方には自然と話していました。どんな話も受容されることで何の条件もなしに肯定され、安心感に繋がりました。社会のどこにも所属していない状態は想像を超える不安感に苛まれます。自分が過度に緊張せずに居られる場所があることで、気持ちも体調も落ち着いていきました。
▶Yさんの現在
今は大学で心理学と社会福祉学を学んでいます。高校卒業後は大学受験予備校に通い、 出口の見えないトンネルを手探りで進むような日々でしたが、1年後、なんとか大学に進学しました。大学では福祉施設でのボランティア活動や居酒屋でのアルバイトをしながら、心理学にどっぷり生活を送っています。
来年の春からは公務員として働く予定です。 フリースクールでの3ヶ月は人生のターニングポイントでした。私はどうしたら親が喜ぶか、否定されないかばかりを考え、自分はどうしたいのかわかりませんでした。
でも、この人生は私のもので私が選んでいいのだと思えたとき、私の人生はもう一度始まりました。そして、今あるものに感謝しながら、あるがままの自分を受け入れ生きていきたいと思っています。
大学に来てから、私はよく「17歳の自分を抱きしめに行きたい」と口にしていました。でも本当は、どんな私であろうと全てを両親に受け止められたかったのだと気付きました。また、親の期待が重荷に感じられていましたが、期待は祈りでもあったことに気付きました。そのことに気が付いたことで、親子関係の捉え方も少しずついい方向に変化してきたように思います。
▶最後に一言!
私はフリースクールで言っていただいた「頑張らなくていいんだよ」にとても救われました。
この言葉は勘違いされやすいと感じます。「学校に通えなくて社会でやっていけるのか」という意見もあるかもしれません。しかし、つらくても今日までどうにかやってきた人にかける言葉は、「よく頑張ってきたね」という労いから始まって欲しいと願います。
この先をどう生きるかはその後です。
つらい時は視野が狭まり、他の選択肢は見えなくなります。私は方丈舎で、生き方はひとつではないと学びました。そして、それを選べることを幸せに思います。
「この人生は私のもので私が選んでいいのだと思えたとき、私の人生はもう一度始まりました」
「生き方はひとつではないと学びました」と話すYさん。
私たちは、「どんな私でも全てを受け止められる」場所を、作り続けてまいります。
皆様のご支援、どうぞよろしくお願いいたします。