2021/10/31 12:00

【応援メッセージ】
TDU・雫穿大学スタッフ  朝倉 景樹 さん


▶自己紹介:朝倉景樹(あさくらかげき)

 TDU・雫穿(てきせん)大学という18歳以上の人たちが、いかに生きるかということを存分に模索できるオルタナティブ大学のスタッフです。不登校やひきこもり、職場でバーンアウトなど生き難さを経験したことをきっかけに参加する人が多いです。

 不登校等を経験すると、「他の人ができていることができていない自分」と感じ「自分は弱いのではないか、甘えているのではないか」と自分で自分を否定してしまうことが少なくありません。そんな自己否定をその人自身が、周りの人の力も借りながら解きほぐす(自分研究など)ということも大切にしている場です。

 また、不登校、ひきこもり、フリースクール、ホームエデュケーションなどの国内外での研究活動もしています。

 ▶今の立場から見て、フリースクールなど学校以外の学び場は何故必要?

 日本の教育制度は世界的に見ても珍しい、多様性の乏しいものです。公的に認められているカリキュラムは学習指導要領しかありません。国公私立を問わず学校はすべて準拠しなければいけません。しかし、人は十人十色、もちろん子どもも十人十色です。一つしかないカリキュラムに合わない子どもがいるのは自然なことです。

 また、学校は多くのことを背負っています。しかも、先生以外のスタッフは学校にはあまりいないので、先生たちの負担もとても大きいものです。なので、何かが起きた時に対応する余地がとても持ちづらくなっています。いじめなどが起きても十分な対応がとられないことが多くあります。 

 学校での指導はより細かくなる方向にあり、子どもたちもいじめられないように空気を読んだり、SNS対応などで余裕を持ちにくくなったりしているかもしれません。そのような学校状況に合わない子を増やす状況があるともいえるでしょう。だから、学習指導要領学校に合わなくなった場合、フリースクールなどの学校外の学び場はとても重要なのです。


 ▶最後に一言!

 人が人らしく生きるということが、自己責任とされがちな社会で、子どもの世界までそのような殺伐としたプレッシャーが押し寄せています。フリースクールはそんな社会の中で子どもが息を付ける場所、自分に合ったペースで育っていける拠点となっています。

 方丈舎は1999年からずっとそのような場を会津の地で提供し続けてこられました。方丈舎やそこにつながる子どもたちの笑顔がより広く支えられることを陰ながら祈っています。