クラフトビールや日本酒の新銘柄開発、酒蔵の再生にクラウドファンディングを使うと、仕込む前に支援を受け取り、つくる量と届ける相手を先に決められます。リターンにお酒を設定する場合は、CAMPFIREの審査基準で、プロジェクトオーナーご自身が通信販売酒類小売業免許を取得していることと、販売場や酒類販売管理者などの掲示事項、20歳未満への注意表記の記載が求められます。
この記事でわかること
お酒をつくる方に向けて、CAMPFIREで実施された6件の調達実績と、酒類のリターンで確かめておくことをまとめました。免許や表示は、誰がどう売るかで扱いが変わります。
- クラフトビール・日本酒・酒蔵の成功事例6件と、その組み立て
- 新銘柄を出すとき、酒蔵を再生するときの目標金額の置き方
- 熟成オーナー型・樽オーナー型・ネーミングライツ型など、お酒に固有のリターン設計
- リターンにお酒を設定するために要る免許と、ページに書く掲示事項
- 20歳未満への注意表記を、どこに入れるか
- 配送・入金・活動報告など、実施前に決めておくこと*1
*1 本記事の事例はあくまで過去の活用事例であり、資金調達の成果や許認可の取得を保証するものではありません。プロジェクトの実施にあたっては、酒類の販売業免許や表示に関する要件を必ずご確認ください。また、本記事における知見や各種解説、語句の定義・分類は、当社独自の調査・研究および見解に基づくものです。公的機関の基準や学術的な統一見解、一般的な標準定義とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
メールアドレスを入れて4問ほど答えると、企画書とページの案が届きます。
・掲載は無料。All-or-Nothing方式なら、目標金額に届かなかった場合は掲載・決済手数料もかかりません
・目標金額の置き方やリターンの組み立ても、応募前に相談できます
・お酒をリターンにするときの掲載条件もご案内します
お酒づくりでクラウドファンディングが使われる4つの場面
お酒の分野でクラウドファンディングが使われる場面は4つあります。新しい銘柄を出すとき、醸造所や設備を立ち上げるとき、蔵を建て直したり引き継いだりするとき、地域の外にも飲み手を広げたいときです。
新しい銘柄を、つくる前に飲み手へ届けたい
新しい味や新しいカテゴリの酒は、できあがるまで反応が読めません。先に支援を集めておけば、初回にどれだけ仕込むかを数で決められます。掲載した6件のうち4件が、この形で新銘柄を出しています。
醸造所や設備を立ち上げたい
タンクや仕込釜、瓶詰めの設備には、売上が立つ前にまとまった費用がかかります。何にいくら必要かを募集ページで示すと、設備そのものを支援の対象にできます。
蔵を建て直す、引き継ぐ
建物の傷みや後継者の不在で、酒造りが止まってしまうことがあります。再開の一本目を先に約束する形にすると、資金と同時に飲み手が戻ってきます。
地域の外にも飲み手を広げたい
地酒や地ビールは、地元と全国で知名度が離れがちです。掲載面には、まだその蔵を知らない人も訪れます。資金だけでなく、次の一本を待ってくれる人を増やす場としても使えます。
仕込む前に受け取れると、つくる量と届ける相手を先に決められる
酒づくりでは、原料の確保・仕込み・熟成・瓶詰めという順に費用がかかり、売上が立つのはいちばん最後です。先に支援を受け取ると、この順番を入れ替えられます。
融資は返済があり、助成金は募集の時期と使途が決まっています。どちらも「その酒が売れるかどうか」には答えてくれません。クラウドファンディングでは、仕込む前に何本ぶんの支援が集まったかが数で見えます。
届ける相手が先に決まる点も違います。支援してくださった方には、仕込みから瓶詰めまでの経過をCAMPFIREの活動報告機能で伝えられます。できあがってから売り先を探すのではなく、待っている人がいる状態で仕込みに入れます。
資金を集める手段のなかで、なぜクラウドファンディングを選ぶのか
酒づくりの資金には、融資、助成金、自己資金、卸や小売への先行受注という選び方もあります。それぞれ、届く相手と決まるまでの時間が違います。
| 手段 | 届く相手 | つくる前に受け取れるか | 銘柄の背景を伝えられるか |
|---|---|---|---|
| クラウドファンディング | 掲載面を訪れる人にも届く | 受け取れる | 本文と活動報告で伝えられる |
| 融資 | 金融機関のみ | 受け取れる(返済あり) | 事業計画書の範囲 |
| 助成金 | 審査する側のみ | 募集時期と使途が決まっている | 申請書の範囲 |
| 卸・小売への先行受注 | 取引のある事業者 | 納品後の支払いが一般的 | 商談の場に限られる |
すでに取引のある卸や小売があり、必要な量をさばける見込みが立っているなら、先行受注のほうが手数料はかかりません。新しい銘柄や、まだ取引先を持たない醸造所ほど、掲載面を訪れる人に届く価値が大きくなります。
クラフトビール・日本酒・酒蔵の成功事例6件
CAMPFIREで募集を終えた6件を取り上げます。新銘柄の開発、醸造所の立ち上げ、蔵の再生、原酒のオーナー募集と、企画の内容はそれぞれ違います。リターンをいつ届ける設計にしたかに注目してみましょう。
150年の灯を次世代へ。建設会社が守り抜く、能代の誇り「喜久水酒造」再生の物語
目標金額3,000,000円に対して支援総額13,075,020円、達成率435%、支援者数444人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 建設会社が秋田県能代市の酒蔵を引き継ぎ、酒造りを再開させた取り組みです。支援者に届けるのは、新しい体制で最初に醸した「復活の第一号」。ラベルのデザインは手元に届くまで公開しないという設計にしています。
- 30,000円と50,000円のリターンは、蔵のトンネルに専用の熟成スペースを設け、3年後・5年後に届ける形です。木製プレートに支援者の名前を刻む枠で、届くまでの数年間そのものをリターンにできることを示した例です。

| プロジェクトオーナー | 中田建設×喜久水酒造/酒蔵(秋田県) |
|---|---|
| カテゴリ | まちづくり・地域活性化 |
| 目標金額 | 3,000,000円 |
| 支援総額 | 13,075,020円(達成率435%) |
| 支援者数 | 444人 |
| 実施期間 | 2026/04/08〜2026/05/31(54日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/新酒の先行提供+熟成オーナー型(3年後・5年後) |
| 活動報告 | 7件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
【青森・つがる】地域資源を活用したビール造りで、人々が出会える場を作りたい!!
目標金額7,000,000円に対して支援総額8,326,000円、達成率118%、支援者数328人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 青森県つがる市の米・小麦・そばなどを原料にしたビールを造るため、醸造所とタップルームを立ち上げました。最も多く選ばれたのは12,500円のクラフトビール6本セット(123人)で、20,000円のビール+限定Tシャツ(92人)が続きます。
- 加えて、発酵・貯蔵タンクや仕込釜など8つの醸造設備に名前を付けられる枠(いずれも完売・計14人)、2か月に1回×6回の定期便(70,000円・4人)、記念イベント(25,000円・50人・完売)を並べています。
- 活動報告は69件と、掲載した6件のなかで最も多く投稿されていました。リターンの注意書きには「日本に住所がある方にしかリターンをお届けできません」と明記し、ビールの名称・内容量・保存方法もあわせて記載しています。

| プロジェクトオーナー | 津軽醸造(TsugaruBrewing)/ブルワリー(青森県) |
|---|---|
| カテゴリ | まちづくり・地域活性化 |
| 目標金額 | 7,000,000円 |
| 支援総額 | 8,326,000円(達成率118%) |
| 支援者数 | 328人 |
| 実施期間 | 2025/10/08〜2025/11/16(40日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/ビール本体+ネーミングライツ・定期便・イベントの組み合わせ |
| 活動報告 | 69件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
最北の酒蔵が未来への挑戦ー国稀酒造・千石蔵CRAFT BEER PROJECTー
目標金額3,000,000円に対して支援総額6,109,638円、達成率203%、支援者数382人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 明治15年創業の酒蔵が、歴史的建造物である蔵を改修してクラフトビールの醸造所とビアホールをつくる取り組みです。リターンは初回仕込みの限定ラベル2種と、ビアホールに名前を掲げる枠を組み合わせています。
- リターンの説明に、数量・保存方法・賞味期限・「原材料及び添加物等の食品表示はお届け商品のラベルに表記されます」を書き、リターン一覧の冒頭には「酒税法上品目:『発泡酒』になります」と品目まで示しています。

| プロジェクトオーナー | 国稀酒造株式会社/酒蔵(北海道) |
|---|---|
| カテゴリ | まちづくり・地域活性化 |
| 目標金額 | 3,000,000円 |
| 支援総額 | 6,109,638円(達成率203%) |
| 支援者数 | 382人 |
| 実施期間 | 2025/11/01〜2025/12/31(61日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/初回仕込み(First Batch)の限定ラベル |
| 活動報告 | 28件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
日本酒「久保田」の朝日酒造がクラフトジンで世界を目指す
目標金額2,000,000円に対して支援総額5,813,500円、達成率290%、支援者数650人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 清酒をつくってきた酒蔵が、蒸留酒という別のカテゴリに新しいブランドを立ち上げました。支援者数は650人と、掲載した6件のなかで最も多くなっています。
- リターンは初回・2回目・3回目の生産分に分け、2024年11月・12月・2025年1月と届く時期を分けています。つくれる本数に上限がある新銘柄で、支援を受けられる幅を広げる組み立てです。どのリターンにも20歳未満の飲酒に関する注記を入れています。

| プロジェクトオーナー | 朝日酒造(Team KG)/酒蔵(新潟県) |
|---|---|
| カテゴリ | フード・飲食店 |
| 目標金額 | 2,000,000円 |
| 支援総額 | 5,813,500円(達成率290%) |
| 支援者数 | 650人 |
| 実施期間 | 2024/08/01〜2024/09/30(61日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/初回・2回目・3回目の生産分に分けた先行提供 |
| 活動報告 | 16件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
【高知県四万十町・創業131年酒蔵】栗焼酎原酒・長期貯蔵オーナー限定募集!!
目標金額3,500,000円に対して支援総額5,057,500円、達成率144%、支援者数128人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 地下トンネルの貯蔵庫で栗焼酎の原酒を約4年7か月預かる、オーナー型のリターンです。支援者には預かり証を渡し、瓶に名前・年号・一連番号を焼き付けます。250Lの樽ごと持つ2,500,000円のプランは上限2名で、募集期間中には埋まりませんでした。
- 支援者数は128人と6件のなかで少ないほうですが、支援総額は5,057,500円です。1件あたりの支援額が大きい設計です。リターンの説明には20歳未満の飲酒に関する注記と、妊娠中・授乳中への注意を併記しています。

| プロジェクトオーナー | 無手無冠/酒蔵(高知県) |
|---|---|
| カテゴリ | フード・飲食店 |
| 目標金額 | 3,500,000円 |
| 支援総額 | 5,057,500円(達成率144%) |
| 支援者数 | 128人 |
| 実施期間 | 2024/12/02〜2025/01/31(61日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/樽オーナー型(貯蔵4年7か月・預かり証つき) |
| 活動報告 | 9件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
発祥の地からの挑戦 7号酵母発祥蔵・真澄 2種の酵母で醸す日本酒へ若手が挑む!
目標金額1,000,000円に対して支援総額2,233,000円、達成率223%、支援者数111人で終了したプロジェクトです。
参考にできるポイント
- 寛文二年創業の酒蔵で、若手5人が自社株酵母2種を使い分けて食前酒と食後酒の2本をつくる企画です。限定500本という上限を先に示しています。初回の仕込みで得た結果を本仕込みへ反映させる流れを、募集ページで説明しています。
- 最も多く選ばれたのは12,000円の飲み比べセット(35人・完売)で、追加枠や本仕込みセットを合わせた上位4枠に111人中71人が集まりました。上の段には、初回仕込みと本仕込みを合わせた限定3セットのコレクターズセットにシリアルナンバー入りの認定証を付けたもの、蔵の見学とチームとの懇親会が付いたものを置いています。募集ページ内によくある質問を置き、贈り物にする場合の届け先や発送時期を答えています。

| プロジェクトオーナー | 宮坂醸造株式会社/酒蔵(長野県) |
|---|---|
| カテゴリ | フード・飲食店 |
| 目標金額 | 1,000,000円 |
| 支援総額 | 2,233,000円(達成率223%) |
| 支援者数 | 111人 |
| 実施期間 | 2026/01/10〜2026/02/28(50日間) |
| 募集方式/リターンの型 | All-in方式/飲み比べセット中心+限定コレクターズセット・蔵見学の体験型 |
| 活動報告 | 13件 |
| プロジェクトURL | プロジェクトページ |
事例6件の横断比較表
6件を並べると、目標金額の置き方とリターンの型の組み合わせが事例ごとに違うことがわかります。何にいくら必要で、それをどのリターンで返しているかという順で読んでみましょう。
| プロジェクト | プロジェクトオーナーの種別 | 目標金額 | 支援総額(達成率) | 支援者数 | リターンの型 |
|---|---|---|---|---|---|
| 喜久水酒造(酒蔵の再生) | 酒蔵(秋田県) | 3,000,000円 | 13,075,020円(435%) | 444人 | 新酒の先行提供+熟成オーナー型(3年後・5年後) |
| 津軽醸造(ブルワリー立ち上げ) | ブルワリー(青森県) | 7,000,000円 | 8,326,000円(118%) | 328人 | ビール本体+ネーミングライツ・定期便・イベントの組み合わせ |
| 国稀酒造(酒蔵のクラフトビール) | 酒蔵(北海道) | 3,000,000円 | 6,109,638円(203%) | 382人 | 初回仕込み(First Batch)の限定ラベル |
| 朝日酒造(新カテゴリの新銘柄) | 酒蔵(新潟県) | 2,000,000円 | 5,813,500円(290%) | 650人 | 初回・2回目・3回目の生産分に分けた先行提供 |
| 無手無冠(樽オーナー) | 酒蔵(高知県) | 3,500,000円 | 5,057,500円(144%) | 128人 | 樽オーナー型(貯蔵4年7か月・預かり証つき) |
| 宮坂醸造(日本酒の新銘柄) | 酒蔵(長野県) | 1,000,000円 | 2,233,000円(223%) | 111人 | 飲み比べセット中心+限定コレクターズセット・蔵見学の体験型 |
酒蔵が5件、ブルワリーが1件です。うち1件は、酒蔵がクラフトビールの醸造所を新設した事例です。目標金額は1,000,000円から7,000,000円で、クラフトビールの醸造を始める2件でも7,000,000円と3,000,000円に分かれています。これは6件の実績であり、推奨する金額の幅ではありません。支援者数が多い事例と、支援総額が大きい事例は同じではありません。
6件に共通していた4つの設計
扱う酒も規模も違う6件ですが、募集ページの組み立て方には共通する型がありました。はじめてお酒のプロジェクトを設計するときの手がかりになります。
1つ目|20歳未満への注意表記と掲示事項を、募集ページに書いている
6件とも「※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています」といった注記を募集ページに置いていました。そのうち4件は、販売場の名称と所在地、酒類販売管理者の氏名、研修の受講年月日と次回期限、研修実施団体名も本文に記載しています。
2つ目|届ける時期を、リターンごとに書き分けている
同じプロジェクトのなかでも、募集終了の翌月に届くものと、3年後・5年後に届くものが並びます。熟成や貯蔵を伴うリターンでは、預かる期間と受け渡しの方法まで書いていました。
3つ目|初回の仕込みであることを、そのまま価値にしている
初回仕込みの限定ラベル、復活後の第一号、初回と2回目で分けた提供。「まだ世に出ていない一本目」を受け取れることを、リターンの中心に置いた事例が複数ありました。
4つ目|6件ともAll-in方式で実施している
掲載した6件はすべてAll-in方式でした。仕込みや工事は目標に届かなくても進めるため、集まった分を充てる形が選ばれやすくなります。ただし達成の有無にかかわらずリターンの履行義務が生じます(募集方式の違い)。
お酒のリターンは「いつ届けるか」で型が分かれる
お酒は、仕込んでから飲めるようになるまでに時間がかかります。そのため、リターンの型は「いつ届けるか」で分かれます。掲載6件では次の5つが使われていました。
募集終了後、数か月で届ける|限定ラベル・初回仕込み
最も多い型です。初回仕込みのぶんに限定のラベルを付けたり、生産の回ごとに届ける時期をずらしたりします。つくれる本数に上限がある新銘柄で、受け入れられる支援の幅を広げられます。
数年後に届ける|熟成オーナー型・樽オーナー型
蔵の貯蔵庫で預かり、3年後・5年後、あるいは約4年7か月後に届ける形です。支援者には預かり証を渡し、瓶に名前や年号を入れる事例もありました。1件あたりの金額が大きくなる一方、届けるまでの連絡手段を先に決めておく必要があります。
名前を残す|ネーミングライツ型
仕込釜やタンクといった醸造設備に、支援者が名前を付けられる枠です。ビアホールの壁に名前を掲げる形もありました。お酒そのものを届けないため、20歳未満の方でも選べます。
何回かに分けて届ける|頒布会・定期便型
一度の支援で、できあがった順に複数回届ける型です。掲載事例には、2か月に1回・計6回にわけて350ml缶6本セットを届ける70,000円の枠がありました(4人)。仕込みの回転に合わせて届けられる一方、最後の1回まで届け先と連絡手段を保つ必要があります。
蔵に来てもらう|見学・体験型
蔵の見学や、つくり手との懇親会をリターンにする型です。日程と人数の上限を先に決める必要がありますが、遠方の支援者にも訪ねる理由が残ります。
なお、参加すると毎月の参加費が決済される月額制の継続支援は、期間を区切る購入型のプロジェクトとは別の仕組みです。継続課金は別サービスのCAMPFIREコミュニティ(CAMPFIRE Community)で、購入型の支援が自動で月額課金へ切り替わるわけではありません。仕組みは継続支援・コミュニティ型クラウドファンディングの記事をご覧ください。リターンの組み立て方そのものは魅力的なリターンを組むための4つのポイントにまとめています。
CAMPFIREでお酒のプロジェクトを実施するメリット
CAMPFIREには、クラフトビール・お酒・酒蔵・クラフト飲料のプロジェクトオーナー向けのページがあり、醸造や酒蔵の再生を担当するキュレーションチームがいます。掲載した6件も、この分野のプロジェクトとして実施されたものです。
この分野を担当するキュレーションチームがいる
クラフトビールの醸造、酒蔵の復活、タップルームの開業といった場面を担当するチームがあります。プロジェクトを作成して提出すれば、専任スタッフのメッセージサポートを受けられます。活用シーンと担当者はビール・お酒・酒蔵・クラフト飲料のクラウドファンディングのページに掲載しています。
掲載できるかどうかを、審査基準で先に確かめられる
酒類のリターンについては、必要な免許とページに書く掲示事項をCAMPFIREにおけるプロジェクトの審査基準に明記しています。何をそろえれば掲載できるのかを、企画の段階で確かめられます。
All-or-Nothing方式の未達時は掲載・決済手数料がかからない
掲載は無料で、手数料はプロジェクトが成立したときに発生します(掲載時の手数料)。All-or-Nothing方式で目標金額に届かなかった場合は支援金が全額返金され、掲載・決済手数料もかかりません(All-or-NothingとAll-inの違い)。ただし、外部に発注済みの原料費や設備費などがなくなるわけではありません。なお、これとは別に、プロジェクトオーナーがやむを得ない事情で募集を途中で取り下げる場合は、キャンセル手数料がかかります。
酒づくりの外にも飲み手が広がる
CAMPFIREでは2011年6月から2026年6月までに約124,000件のプロジェクトが掲載され、約1,200億円の支援が集まっています(CAMPFIRE 統計データ。machi-yaなど他のサービスの数値を含みます)。掲載6件のカテゴリは「フード・飲食店」と「まちづくり・地域活性化」に分かれており、同じ酒づくりでも届く相手が変わります。
リターンにお酒を設定するときに確認すること
お酒をリターンにする場合、ほかのリターンにはない準備があります。ここではCAMPFIREの審査基準が求めていることを整理します。法令の要件そのものは、実施前に管轄の税務署へご確認ください。
免許を持っていること
審査基準では、リターンで酒類や微アルコール飲料を扱う場合、酒類製造免許・通信販売酒類小売業免許の取得を求めています。あわせて「リターンに酒類を設定するためには、プロジェクトオーナー様ご自身が通信販売酒類小売業免許を取得している必要があります」としています。
つくる免許と、通信販売の免許は別のものです。どの免許が要るか、すでに持っている免許で足りるかは、国税庁の通信販売酒類小売業免許の案内と、管轄の税務署でご確認ください。
販売場や管理者などの掲示事項を、ページに書くこと
審査基準では、次の5つをプロジェクトページに記載することとしています。標識を掲示した外部サイトへのURLでも構いません。
- 販売場の名称及び所在地
- 酒類販売管理者の氏名
- 酒類販売管理研修受講年月日
- 次回研修の受講期限
- 研修実施団体名
掲載事例では、募集ページ本文の終盤に、支援金の使い道の前後でまとめて書いた例が多く見られました。
20歳未満への注意表記を入れること
審査基準では「※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています」といった注意表記を求めています。表記のほかに、申し込んだ方が20歳未満でないことを確認できる手段も必要になります。どこに何を表示するか、どんな手段が要るかは、国税庁の二十歳未満の者の飲酒防止に関する表示基準と、免許の申請時に管轄の税務署でご確認ください。
免許を持つ事業者から直送してもらう場合も、確認が要ること
審査基準は、プロジェクトオーナーが酒類の販売事業者とみなされないこと、免許を持つ事業者との媒介を行っているとみなされないこと、の2点を挙げています。そのうえで「無免許販売や媒介のおそれがないか、管轄の税務署にご確認ください」と案内しています。中古品と酒類の扱いはヘルプの該当ページにもまとめています。
食品としての表示も必要になること
審査基準では、食品をリターンにする場合、名称・サイズ・重量・保存方法・消費期限もしくは賞味期限を記載することとしています。掲載事例では、内容量と保存方法、賞味期限に加えて「原材料及び添加物等の食品表示はお届け商品のラベルに表記されます」と書いたものや、酒税法上の品目を書き添えたものがありました。
実施する前に決めておく6つのこと
お酒のプロジェクトでは、支援を受け取ってから届けるまでに時間があります。その間に必要になることを、募集を始める前に決めておきましょう。
届ける時期を、リターンごとに決める
同じプロジェクトでも、翌月に届くものと数年後に届くものが混ざります。リターンごとにお届け予定を書き分け、熟成や貯蔵を伴う場合は預かり方も示します。
届け先を国内に限る前提で組み立てる
海外支援機能では酒類をリターンに設定できません(海外支援機能について)。国内に届けることを前提に、リターンの注意書きにもその旨を入れておきます。
目標金額を、仕込む量と設備から決める
原料の確保、仕込み、瓶詰め、設備の導入のうち、何をこの募集でまかなうかを先に決めます。掲載6件の目標金額は1,000,000円から7,000,000円でしたが、これは6件の実績で、推奨する金額の幅ではありません(目標金額の設定でおさえたい3つの視点)。
入金の時期を、支払いの期日から逆算する
支援金は募集終了日に自動で振込申請が行われ、当月末締めで翌月末日に振り込まれます(支援金が振り込まれるのはいつになりますか)。原料の仕入れや設備の支払いが先にある場合は、そのずれを見込んでおきます。
活動報告で、仕込みの経過を伝える
仕込みから瓶詰めまでの経過は、そのままCAMPFIREの活動報告機能で伝える材料になります。掲載6件の活動報告は7件から69件まで幅がありました。届くまでの期間が長いリターンほど、途中の連絡が効きます。
公開後に変更できない項目を先に固める
タイトル・目標金額・募集期間・募集方式・カテゴリ・ユーザー名と、リターンの削除・編集、本人確認情報(振込先口座を含む)は公開後に変更できません(公開後にプロジェクト内容は変更できますか)。リターンの追加は、再度の申請のうえで可能です。仕込みの計画は動きやすいので、届ける時期の幅は最初から広めに置いておきます。掲載できない内容は公開できないプロジェクトとは?にまとめています。
よくある質問
Q. ビール・お酒・酒蔵・クラフト飲料のクラウドファンディング成功事例と、CAMPFIREで実施する際に確認すべきポイントを教えてください。
本記事では6件の成功事例を取り上げました。確認していただきたいのは、リターンにお酒を設定するための免許があるか、プロジェクトページに販売場や酒類販売管理者などの掲示事項を書けるか、20歳未満への注意表記を入れられるかの3点です。
Q. リターンにお酒を設定するには、どのような準備が必要ですか?
CAMPFIREの審査基準では、プロジェクトオーナーご自身が通信販売酒類小売業免許を取得していることと、プロジェクトページへの掲示事項の記載、20歳未満への注意表記が求められています。酒蔵など酒類製造免許をお持ちの場合でも、通信販売は別の免許の対象です。免許の要否や区分は販売の形態で変わるため、企画を固める前に管轄の税務署へご確認ください。
Q. プロジェクトページには何を記載する必要がありますか?
審査基準では、販売場の名称と所在地、酒類販売管理者の氏名、酒類販売管理研修の受講年月日、次回研修の受講期限、研修実施団体名の5つを記載することとしています。標識を掲示した外部サイトへのURLでも構いません。あわせて「※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています」といった注意表記も必要です。
Q. 酒類の販売免許を持っていない場合はどうすればよいですか?
免許を持つ事業者から支援者へ直送してもらう形をとる場合も、注意が必要です。CAMPFIREの審査基準は、プロジェクトオーナーが酒類の販売事業者とみなされないこと、免許を持つ事業者との媒介を行っているとみなされないことを挙げています。実施する前に管轄の税務署へご確認ください。
Q. 仕込んだお酒の樽やタンクのオーナーをリターンにできますか?
掲載事例には、地下の貯蔵庫で原酒を約4年7か月預かり、預かり証を渡す樽オーナー型がありました。醸造設備に名前を付ける枠を用意した事例もあります。届けるまでの期間が長くなるため、いつ何が届くのかを募集ページで具体的に示すことが前提になります。
Q. お酒のリターンを海外の支援者に届けることはできますか?
海外支援機能では、酒類をリターンとして設定できません。届け先は国内に限られる前提でリターンを組み立てましょう。掲載事例のなかにも、日本国内に住所がある方にのみ届ける旨をリターンの注意書きに明記したものがありました。
Q. ノンアルコール飲料をリターンにする場合はどうなりますか?
審査基準では、製造上必要な場合に限り、酒類製造免許・通信販売酒類小売業免許の取得を求めています。あわせて「※〇〇(リターンのノンアルコール飲料)の購入・飲用は20歳以上の者を想定としています。」といった注意表記が必要です。アルコールを含まない飲料でも、確認する項目がある点はお酒と変わりません。
Q. 数年後に届けるリターンでも実施できますか?
掲載事例には、3年後・5年後に届ける熟成プランや、2029年にお届け予定の樽オーナー型がありました。長い期間を置く場合は、預かり方と受け渡しの方法、連絡の手段を募集ページに書いておきましょう。支援者情報を受け取れる期間にも限りがあります。
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