2022/11/06 15:28

こんにちは、プロジェクト運営者のユグチヨシユキと申します。プロジェクトを支援してくださっている皆様、ありがとうございます! 本日は、街の木を活かす取組みの一環として、南町田にある鶴間公園主催でイベントを行いましたので報告いたします。

南町田では、過去、商業施設と隣接する公園とを一体的に整備する再開発があり、その際、公園の活用事例を紹介する講師の1人として講師を勤めたことがきっかけとなり、商業施設(旧グランベリーパーク)で育った木々と、隣接する鶴間公園や両者を隔てていたケヤキ並木で整備に伴って伐採される樹木を木材として活用する事業へとつながり、公園と商業施設のちょうど境に位置するパークライフ棟の半分を占める「まちライブラリー」をつくることができた経緯がありました。

南町田では、伐採樹木の木材活用をはじめとして、工事中の公園での市民参加での苗木(幼木)救出→市民が持ち帰って育てる→工事完了後に公園に植樹、といったことや、伐採された大木を公園で製材する「製材ワークショップ」、のべ400人に及ぶ市民参加での施設のエントランスづくりなど、木を活かし、木があって良かった! を増やしながら、都市の木々=都市森林と住民の暮らしとの新たなあり方、循環をつくる試みを、一通り実現させることができました。

南町田では、開発側の関係者はもとより、たくさんの市民住民の方々が取組みに参加し、汗を流し、役割を担って、街の木=都市森林と人の物語が紡がれました。この街の木でできた空間は、そうした人々の営為の結節点として、これからも続いていく街の木と街の人々の物語(=都市森林の循環)の1ページとして、存在するものになるはずでした。

はずでしたが、オープン後すぐに感染症が発生し、人が集まることができなくなりました。みんなで助けた苗木を植樹してできた、公園の幼い都市森林の手入れもみんなでしたい、草むしりとか樹名板を設置したりとか、観察会や勉強会とか、やりたいことはたくさんありました。また木の家具や什器をメンテナンスすることも、木を学びながら市民参加でできたらというアイデアもありました。感染症の問題により、そうしたことが、まったくできなくなってしまい、これからも続く物語の1ページではなく、最後の1ページになりそうになっていたのです。

この日のイベントは、そうした状況を動かしたい!動かそう! という意志が込められたものでした。参加者には、以前の取組みに参加してくださっていた方もいれば、この空間を好きになって良くいらっしゃっていた方、イベントを知ってはじめましての方までおられましたが、お陰様で満席となり、公園スタッフやライブラリースタッフの献身的な支えもあって、素晴らしい時間になりました。

前半はこの地で今日までに紡がれてきた木と人の物語をおさらいし、後半は、これからなにも知らずにここを訪れる人たちが少しでも、木の魅力に気付いたり楽しみを見つけられるよう、木を楽しく紹介するPOPをつくる作業を行いました。

その樹種が木材として使われている本棚や家具に、その樹種のPOPを取付

香りのする木片も取付
街の木を活かすことで起こる効果として、街の木を活かすと「街造りができる(建物や空間)」「まちづくりができる(人がつながる)」、そして「緑を増やせる」と唱えて来ましたが、「緑を増やせる」のはなぜかと言えば、活かすことで緑に対する知見が高まり、合理的で無理のない緑の管理の実現につながるからなのです。

実際に木を切ってみたり、なにかを作ってみたり、食べてみたり、今日のイベントのように、木をネタにして誰かを楽しませるようなことをしたり、どんな形でも良いので木を活かして楽しい思いをすることが、知識としての知識ではなく、生きた知見を得る、1番の近道なのだと痛感しています。そしてそのことが、結果的に街に緑を増やすことへと繋がっていくのです。

こういうモノがある街には、きっと楽しいコトがある
こういうモノがある街を散歩するのはきっと楽しい!
たくさんの参加者さんと木をきっかけに出会い、楽しい時間と取組みをご一緒し、これからの展開、次回になにをしようか、なにができるか、とても楽しみになりました。

今回のクラファンに係る新しい拠点でも、こうした取組みをたくさんの方とご一緒したいと思っています。引き続き、プロジェクトのご支援を、よろしくお願いいたします!