いまここにあるものでつくる

長いあいだ人々は、そこに木があれば木で、草があれば草で、石があれば石で、水と氷しかなければ水と氷を工夫して、住まいをはじめとしたものをつくってきました。

いまここにあるもの、目の前にある素材をどう活かせば、便利に機能を果たしかつ美しいものがつくれるか。身近な素材と対話を繰り返し、各々の個性を活かして使っていく。そのようにしてつくられてきたものは本当に無駄がなく美しく、その土地ならではの個性を備えている。

いまここにあるものでつくる。土地と素材とが切り離され、世界中どこででも同じようなモノや建物がつくられているこの時代、いまや昔となってしまったこの古来の原則を復権させることができないか? そう考え続けてきた中で「街の木」に行き着き、街の木が伐られても木材にされない現状を変える試行錯誤を続けてきました。

眺めるだけの緑から活かす緑へ。伐ったらお終いの街の木から、ずっと続く循環のある都市森林へ。街の木のあり方をアップデートして、街の暮らしのなかで使える素材が産み出されるようにできないか。それができたら、街にどんな建物や空間が誕生するでしょう?

その答えを知りたくて、否、つくりたくて、取り組みを続けてまいりました。

今回のプロジェクトでは、私たちがいま暮らす街のどこにでもある素材、街で伐られた一本一本の木から、街の自然が凝縮されたような空間を造ることに挑戦します。建物を造るには膨大な量の木が必要です。電話一本で届く木材でつくるのではありません。街で木が伐られる現場に駆けつけ、一本一本丸太を回収し、製材し、乾かし、形を整え、そしてようやく加工に入っていけるのです。

このプロジェクトを通じて、街の木が持つ可能性や魅力などポジティブなことも、課題や難しさなどネガティブなことも、一層浮かび上がってくるはずです。木材になった木の一本一本に、育った土地や育てた人々の思いが乗っています。数十樹種におよぶ様々な街の木を活かし、適材適所を体験できる場にもしていきます。

誰も見たこともないような空間を、街で伐られてゴミ同然の丸太から、まさにゼロから作っていく現場の旅に、皆様もぜひご同道いただければと思います。

ネットを通じて、さらにはリアルの場でも機会をつくりたいと思っています(完成見学会など)。ご支援メニューは最もシンプルな【一緒に体験・応援プラン】がお勧めです。一緒に完成までの旅路を歩んでください。つくる喜びを感じてください。そしてぜひ、街の木を素材に、なにかをつくりたい気持ちになってください! 今回のチャレンジでできる建物は、はじめての方でも木を活かす体験ができる場になります。ぜひ多くの皆様と、つくる喜びを共有できればと思います。よろしくお願いいたします!

【注目リターンのご紹介】

【一緒に体験・応援プラン】などすべてのリターンプランに、プロジェクトの進捗に合わせて支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会への参加権が含まれています。街に生えていた様々な木々が姿を変え、木材となり、どんな空間や場所に生まれ変わるのか? その過程で生まれてくる課題やアイデアやノリや挑戦を、ライブ感を持って一緒に体験していただければと思います。

【木工をはじめて応援プラン】今回のプロジェクトでは、実際に街で伐られた様々な木々から建物や家具をつくっていく過程を楽しんで見ていただきながら、つくるって楽しい!木っていいな!木材っていいな!と感じていただければと思っているのですが、そうすると、きっとなにか自分でも作りたくなって、でも材料や道具や経験がない、という方もいらっしゃるのではないかと思います。サンドペーパーさえあれば作れる「街の木のコースター材」や小刀と彫刻刀合計2本でできる「街の木のスプーン材」をご用意しておりますので、街の木という素材とのコミュニケーションを楽しんでみてください。木と向き合い、一心に磨いたり削ったりする時間はとても良いものです。そうした時間を通じて、「木ってこういうもの」と知識ではなく体で知る人が、1人でも増えてくれたら嬉しいです。


これまでの取り組みについて

はじめまして、ユグチヨシユキと申します。
私は、街で伐られた木を木材として活用することに取り組んでまいりました。 

道路工事で伐られる松の大木

マンションの建設現場で伐られた木々

街の木を集めてつくった福祉のお店

私たちが暮らす街にはたくさんの木がありますが、街の木は、日々、さまざまな事情によって伐採されています。

庭木や街路樹、公園の木や学校の木々。思いがけず大きな木が伐られている場面に出会ったことが、皆様もあるのではないでしょうか。

伐られた木はどうなるのか? ごくごく一部の例外を除いては、大木であっても木材にされることはなく、 伐られた木々はほとんど価値のないものとしてごみ同然の扱いになっています。長年、木を育てた持ち主さんは、寂しい気持ちで伐られた木が処分されるのを見送るのが普通のことになっています。

私はそんな街の木を木材にして、暮らしの道具や街の建物をつくる素材として、街の暮らしの中に戻すことができるのではないか? と考え、取組んでまいりました。

樹齢70年のソメイヨシノの製材風景(ソメイヨシノは木材に不向きな木として知られていました)


しかしなぜこれまで、街の木は木材にされてこなかったのでしょう?

街の木は木材に不向き、というのは木を知る人にとっては常識でした

乾燥に伴ってびろびろに反り、割れてしまうソメイヨシノ

確かに、街の木の活用は一筋縄ではいきませんでした。大きな木のほとんどは太い枝を剪定されていて、腐れなどの痛みも多い。樹形もクセが強いものばかり。驚くほどたくさんの樹種があり、そのほとんどは木工職人や大工さん、製材所でも加工経験のないものばかりで、木材にしたとしても何が作れるのか分からない樹種がいっぱいありました。

団地で伐られた木々の回収作業

やればやるほどその難しさを痛感し、確かに難しいと思う一方で、次々に行き合う工事現場で出会う街の木々たちは、本当にみんな個性的で、色とりどりで、千差万別。これは面白い! こういう木々を集めてなにか作品を作ってみたい! と夢中になってしまう魅力を持った素材でもありました。不利なことは理解した上で、それでも魅力を活かせる使い方を見出そうと試行錯誤を続けることは、まったく苦ではありませんでした。

左から、柿、琵琶、夏蜜柑、山桜、桜の一種、染井吉野、花水木、青木、躑躅

そんな街の木を、もっともっと活用できるようにしていきたい。自分がそうであったように、身近な自然の魅力を発見し、それを活かす楽しさをほかの人にも体験してほしい!

街の木の話題というと、たくさんの木が伐られるので反対の声が上がっているといったことが多いものですが、せっかく植えた木は、本来、対立の起点ではなく、人がつながるきっかけにこそなるべきです。木を植えることも育てることも伐って活用することも、みんなが関われるようにできたなら、木をきっかけに人が出会って一緒に取り組む、街の風景をつくれるのではないか。

そんなことを考え、色々なアイデアを実践していきました。

工事現場に市民が入って、木の赤ちゃんの救出大作戦

お店の前の公園で伐られたコナラ。この木をお店の改装に活かしちゃおう!

色とりどりの木材をたくさんの人の手で。400人が400ピースの木を加工して施設作りをお手伝い

工事現場から救出した苗木を市民が育て、工事が終わった公園にまた植えました

地域の大木をみんなで製材、製材ワークショップ



取り組みをはじめてから約10年、「そんな木はゴミ」「燃やせ」と言われつつ、小さな家具や木のスプーン作りからはじめた取り組みでしたが、ここ数年、ようやく既存の仕組みとは違ったことが実現しずらい、公園や街路樹、公立学校といった公共の場の木々の活用でも、木を活かす実例をつくることができはじめています。

しかし、これらはまだまだ例外的なものであり、「先駆的な取り組み」と言われるものにとどまっています。私たちの街の普通になれたと言うにはまだまだこれからという状況です。街の木を活かした街造りとまちづくりを、特別な事例としてではなくもっと当たり前のことにするために、これからも様々な工夫やアイデアを考え、試行錯誤を続けていかなければと考えています。ようやく回りはじめた歯車がしっかりと回り出し、同じようなことを試みる人たちが増えていくのか、それとも徒花として終わってしまうのか、まさにこれからが正念場、チャレンジをし続けなければなりません。


 【今回のチャレンジ】 
街の木の活用を誰もが体験できる拠点をつくりたい! 

これからの10年に向けて、 
・街の木の活用を、もっとあたりまえのことにしていきたい。 
・私もやりたい!やってみる!という人を増やしたい。
・これまでの街の木の活用で得られたノウハウを開放し発信し、できる人を増やしたい。
・もっとたくさんの街の木を木材にできるよう、乾燥と保管のための場所を確保したい。

今回、皆様に支援をお願いするに至ることの発端は、丸太や木材の置き場を緊急に確保する必要が生じたことでした。街ではときに大規模な再開発が起こります。そこではもちろん木を活かした開発が検討されますが、それでもたくさんの木が伐られます。そうした木々をできるだけ多く木材化のルートにのせて活用したいと思うのですが、それにはとにかく木材の保管場所が必要です。都市部での取組みのため、場所の確保はなによりも難しい課題であり続けています。

いままでに確保してきた置場は既にいっぱいになっていて、一方、開発現場での伐採は待ったなしで進んで丸太は出てきます。もたもたしていると丸太は現場から片付けられてしまう。

大慌てで物件を探して出会ったのが、東京郊外の石材店の店舗跡地でした。建物の老朽化が激しく大規模な改修が必要ですが、広さはあり取り急ぎたくさんの木材を保管することが可能そうでした。緊急に出てくる木材を受け入れるため、兎にも角にも物件を確保し、丸太と木材の搬入をはじめました。


そこではたと気づいたのは、ただの木材置場じゃもったいない、

ここにはもっと可能性がある! 

ということでした。

これまでの取組みでは場所の制約が大きいことで、十分に実現できないアイデアや取組みがありました。この場所を整備できれば、これまでよりもっと飛躍したチャレンジができるに違いありません。色々な人が集まって連携したり、出たアイデアを思う存分試したり、木のことなんてほとんど知らなかったけど、興味を持ったので見学したい、試しに参加できることがあったら参加してみたい、という人にとっての入り口になれたり、一緒に経験を積んでいけたり、そういう場所にぜひしたい!

ストックしていたあらゆる街の木を総動員して、街の木々の縮図のような空間をつくりたい!
様々な街の木の適材適所を実際に見て触れられる場所にしたい!

このスペースを屋内作業や様々なワークショップイベントができるように改装していきます

新拠点ができたら絶対やりたいイベント

街で育てた木々が伐られるとき、、、それは今日もあり、明日もあり、常にどこかしらで 起こっていることですが、そのことをきっかけに、もっともっとたくさんの木の下に人が集まり、木をきっかけに物語がはじまって、そのお話の結び目として街の人々が集う街の建物や空間ができていく。 そんな未来を目指しての取り組みに、ぜひ多くの方にご参加いただき、新しい街をつくっていけることを願っています。

街で育った木々を活用する、伐採・造材ワークショップ




【資金の使い道】

◆建物等改修費用 2300万
    <内訳>
   屋根(雨漏り)葺替え 250万
   木工事 800万
   外壁改修 200万
   内装工事 200万
   サッシ建具等 200万
   電気設備工事 50万
   水道設備工事 50万
   木材乾燥保管スペース整備 300万
   半屋外作業スペース改修 250万  
◆クラウドファンディング手数料 45万
◆返礼品等製作費 

【実施スケジュール】

実施スケジュールは以下のとおりです。

スケジュールはあくまで現在の状況による予定です。工事の進捗状況等により変更の可能性がございます。

【注目リターンのご紹介】

*すべてのリターンプランに、プロジェクトの進捗に合わせて支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会への参加権が含まれています。街に生えていた様々な木々が姿を変え、木材となり、どんな空間や場所に生まれ変わるのか? その過程で生まれてくる課題やアイデアやノリや挑戦を、ライブ感を持って一緒に体験していただければと思っています。プロジェクトの応援、フォロー、そしてぜひ小さなことからでも取組みへのご参加を、お願いいたします!

*一万円以上のリターンプランには、施設の壁面を彩る銘板へのお名前刻印権が含まれています。街で育った様々な木でつくられた木製銘板(5cm×13cm)にご希望のお名前を刻印し、壁に設置します。

銘板に使用する樹種は数十樹種、色とりどりの樹種が色々な人の関わりで大集合して、ひとつの美しい壁が完成いたします。

<お届け時期の表記について>

スケジュールはあくまで現在の状況による予定であり、工事の進捗状況等により変更の可能性がございます。 物品を伴うリターンなど可能なものについては、製作・準備が出来次第、随時前倒しでお送りいたします。支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会については、工事完了が前倒しとなればその分短い期間のレポート動画配信になる可能性および早い時期での見学会の実施、また完了が遅れた場合には、長い期間のレポート動画配信および遅い時期での見学会の実施の可能性がございます(数ヶ月程度のズレを想定)。そのため、お届け時期の表記については、現場レポート動画と支援者限定見学会、また相談の上決定する講演・レクチャーの日程を含まない表記とさせていただきました。

<募集方式について>本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

【自己紹介】

Yoshiyuki Yuguchi (湧口 善之)
建築を、街を、つくる素材を求めて街の木にたどり着く。都市の緑化と、まちづくりと街造りが一体となった「都市林業」というヴィジョンを提唱・実践。庭木や街路樹などの街の木を「都市森林」ととらえ、その森に新たな循環を作り出すことを目指し、木材としての活用に留まらず広範な活用に取り組んでいる。Japan Wood Design Award 2019、2020受賞

都市森林(株)代表取締役、(社)街の木ものづくりネットワーク代表理事、世田谷トラストまちづくりファンド運営委員


【近況報告】


先日、今回の拠点づくりで使いたい木材を、既存の木材置場から引っ張り出しました。続報をどんどんお見せできるよう、鋭意作業を進めてまいります。またその過程を通じて、街の木の魅力や楽しさをお伝えできればと思います。何卒、よろしくお願いいたします!



  • 2022/11/19 06:30

    こんにちは、プロジェクト運営者のユグチヨシユキと申します。 本日も、工事の準備が進む現場からお届けいたします。今回の工事で改装する空間は、おおよそ1/3がフローリング(靴を脱いで上がるスペース)となりますが、そこで使うフローリングももちろん街の木の木材で製作いたします。世田谷区で伐られたシラカ...

  • 2022/11/12 12:50

    こんにちは、プロジェクト運営者のユグチヨシユキと申します。 本日は工事の準備が進む現場からお届けいたします。今回のプロジェクトでは、皆様にプロジェクトに関わる様々なことを見ていただいて、どこまでも深く、木や建築やものづくりや街のことを一緒に考えていければと思っています。今日のお話も、木工機械を...

  • 2022/11/07 22:32

    こんにちは、プロジェクト運営者のユグチヨシユキと申します。プロジェクトを支援してくださっている皆様、ありがとうございます! 今日は、街の木には木材以外にも色々な活かし方があるということで、今年初めての街の木シイタケができましたので、紹介させていただきます。大鋸でコナラを真っ二つに! 製材ワーク...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください