はじめまして
はじめまして、湧口善之(ユグチヨシユキ)と申します。私は建築を志し、設計事務所での実務と建築や都市の研究活動の後、家具の街である高山市に移住して木工を学び、帰京後、温めてきたヴィジョンを実現するために都市森林(株)を設立、現在に至ります。
「都市森林」というのは私の造語です。庭木や街路樹、公園の木といった街の木を総称して「都市森林」と呼び、その森に私たちの暮らしと絡み合いながら巡る新たな循環を創ること、すなわち「都市林業」を提唱し、実践してまいりました。
なぜ新しい循環づくりが必要なのか?
私は当初、建築をつくる素材として街の木に注目しましたが、それ以前は、街に木が増えたらいいな! 木はできるだけ伐らない方が良い! と素朴に思っている人でした。しかしながら、街の木の様々な現場に接していくなかで、現状の街の木が大きな課題を抱えていることに気付かされたのです。
緑が減る現場でこそ街の緑の真実が見えてくる
私は取組みを通じてたくさんの木々の最期に立会うことになりました。なぜこんな大木が伐られてしまうのか、なぜこの木の持主は伐採を決断するに至ったのか、当事者たちの話を聴くことができました。意外なことに、木を伐ることを決めた人こそが、その木を最も大切にしてきた人、というケースが多くありました。そして、伐られた木を木材にする作業のなかで、普段は見ることのできない木の内側を見ることになりました。
製材をして木の内部を見てみると、街の木の多くが深刻な傷みを抱えていることに驚かされました。どんどん大きくなる木に無理な剪定が繰り返され、倒木のリスクも増大していたのです。
実際に大木を所有していると、剪定や落ち葉の掃除など、木を維持する費用や負担もばかにならない。長年大木を維持してきた人であっても、管理の負担に音を上げて伐採を検討・決断する人が出ています。そうやって育ててきた木が立派であればあるほど、伐採にも処分にも費用がかかり、挙句、ごみ同然に運び出される木を寂しい気持で見送るしかできることがない。
街の木の活用を試みる私の元には、そうした当事者の方々からの、なにかできることはないものか?という相談が続くようになっていました。
いまのままでは大きな木を長年維持して育てた先で、「木を育てて良かった!」「育てた甲斐があった」と思えることがあまりに少ない。それどころか、ネガティブなことが多くある。現状の街の木には、植えれば植えるほど、大きくすればするほど、持主の負担やリスクが増していく「負債」のような性格があることを認めざるを得ませんでした。
街の緑の課題は増やすことではない。私は、街の木を負担を生む「負債」から、持てば持つほど持主や街を豊かにしてくれる「資産」へと、変える取組みこそが必要と考えるようになっていきました。
負債から資産へ
それができれば街の木は自ずと増えていくはずです。「木があって大変だった」ではなくて、「木があって良かった!」「楽しい!」「得をした!」ということを創っていこう。景観としての価値に加えて、もっと色々な活かす視点を取り入れてみよう。伐採された木を木材にすることも、これまでの常識では不合理とされてきましたが、育てた木が街のどこかで木材として活かされてまた会いに行けるなら、「木を育てた甲斐があった!」となるのではないか? 木材にしたりものを作るのも、その過程に地域の人や子供達が関われたり、まちづくりの視点もとり入れて行うなど、まだまだ工夫の余地があるのではないか。
街の木を活かす「都市林業」のある街へ
街の木と暮らしが絡み合いながら循環する街。あらゆる側面から「木があって良かった!」を最大化して、そのなかで「木材としての活用」も当たり前にある街の姿、それがこの取組みの黎明期、10年前に掲げた「都市林業」のある街というヴィジョンです。
この街の暮らしの中には「木があって良かった!」と思えることがたくさんあって、普段から木々の恵みを活かすのが当たり前のことになっています。
もちろん伐採した木は木材にして、暮らしの道具や家具が作られます。人々の想いが詰まった木々を集めて、街の木でできた特別な空間や建築も造られます。
多くの人が木を植えたり育てることを楽しみながら、都市森林を育んでいる。先達が育ててくれた木々で街がつくられ、自分や子供達が植える木々も街づくりに役立てられる。木をきっかけに人が出会い、ともに楽しみ、汗を流し、なにかに取り組む光景が当たり前にある街です。
木をきっかけに人が出会い、ともに楽しみ、汗を流し、なにかに取り組む光景が当たり前にある街。そんな街の姿を思い描き、実現可能なことだと証明するべく、実例をつくってきました。近年では、通常と違ったことが実現しづらい自治体の緑地などでも、成果を出すことができはじめています。
そして今回!
「木があって良かった!」を誰もが体験できる活動拠点をつくりたい!
(古い建物を街の木で大規模改修してつくります)
拠点整備によって、
・活用できる街の木の量を倍増させたい。もっとたくさんの材を活かしたい!
保管スペースを増やし、街の様々な木々が実際に木材となった姿を見られる場所に
・たくさんの人が街の木の魅力を体験できるイベントを開催し、私もやりたい!やってみる!という人を増やしたい。
街の木でスプーン作りワークショップ
大木をみんなで製材ワークショップ
大木の樹皮で染織ワークショップ
街の木を食に活かす収穫祭、etc
・街の木を素材とした大規模改築により、街の木々の木材としての活用可能性を検証・実証し、広く世間に発信したい。
街で見かけるほとんどの樹種がどこかしらに使われていて、その使い方の実例を見られる場所に
これまでの取組みでは場所の制約が大きいことで、十分に実現できないアイデアや取組みがありました。この場所を整備できれば、これまでよりもっと飛躍したチャレンジができるはず。
色々な人が集まって連携したり、出たアイデアを思う存分試したり、木のことなんてほとんど知らなかったけど、興味を持ったので見学したい、試しに参加できることがあったら参加してみたい、という人にとっての入口になれたり、一緒に経験を積んでいけたり、そういう場所にぜひしたい!
今回のプロジェクト(街の木を素材としての拠点づくり)を通じて、街の木が持つ可能性や魅力などポジティブなことも、課題や難しさなどネガティブなことも、一層浮かび上がってくるはずです。そしてどんな空間ができあがるのか!?
すべてのご支援メニューに、プロジェクトの進捗に合わせて支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会への参加権が含まれています。一緒に完成までの旅路を歩んでください。つくる喜びを感じてください。誰も見たこともないような空間を、街で伐られてゴミ同然の丸太から、まさにゼロから作っていく現場の旅に、皆様もぜひご同道いただければと思います。
【資金の使い道】
◆建物等改修費用 2300万
<内訳>
屋根(雨漏り)葺替え 250万
木工事 800万
外壁改修 200万
内装工事 200万
サッシ建具等 200万
電気設備工事 50万
水道設備工事 50万
木材乾燥保管スペース整備 300万
半屋外作業スペース改修 250万
◆クラウドファンディング手数料 45万
◆返礼品等製作費
【実施スケジュール】
実施スケジュールは以下のとおりです。
スケジュールはあくまで現在の状況による予定です。工事の進捗状況等により変更の可能性がございます。
【注目リターンのご紹介】
*すべてのリターンプランに、プロジェクトの進捗に合わせて支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会への参加権が含まれています。街に生えていた様々な木々が姿を変え、木材となり、どんな空間や場所に生まれ変わるのか? その過程で生まれてくる課題やアイデアやノリや挑戦を、ライブ感を持って一緒に体験していただければと思っています。プロジェクトの応援、フォロー、そしてぜひ小さなことからでも取組みへのご参加を、お願いいたします!
*一万円以上のリターンプランには、施設の壁面を彩る銘板へのお名前刻印権が含まれています。街で育った様々な木でつくられた木製銘板(5cm×13cm)にご希望のお名前を刻印し、壁に設置します。
銘板に使用する樹種は数十樹種、色とりどりの樹種が色々な人の関わりで大集合して、ひとつの美しい壁が完成いたします。
<お届け時期の表記について>
スケジュールはあくまで現在の状況による予定であり、工事の進捗状況等により変更の可能性がございます。 物品を伴うリターンなど可能なものについては、製作・準備が出来次第、随時前倒しでお送りいたします。支援者限定で随時配信される現場レポート動画と、工事完了後、複数回開催予定の支援者限定見学会については、工事完了が前倒しとなればその分短い期間のレポート動画配信になる可能性および早い時期での見学会の実施、また完了が遅れた場合には、長い期間のレポート動画配信および遅い時期での見学会の実施の可能性がございます(数ヶ月程度のズレを想定)。そのため、お届け時期の表記については、現場レポート動画と支援者限定見学会、また相談の上決定する講演・レクチャーの日程を含まない表記とさせていただきました。
<募集方式について>本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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