2019/10/12 14:24

こんにちは。この文化祭のサポーターをしているNPO法人Reジョブ大阪の西村です。

いよいよクラファン最終日。最後に、私のゆかいな仲間たちを紹介します。リターンの表示の上から順番に紹介するんで、これを読んだらスクロールして思い出し笑いしてください(笑)



一般社団法人を立ち上げた白井ご夫妻。確かにご主人の障害は重度なんですが、この夫婦はとっても明るくユーモラス。周りにいる私たちがほっこり幸せになります。

言葉を失っても口笛はふける。そのCDがリターンです。先日、大東市で行われた口笛コンサートで、口笛を吹く予定のご主人のいっちゃん、なんと気持ちよさげに歌を歌い始めました。隣で奥さんの京子さんは、一生懸命「いっちゃん!口笛!口笛!」と言って唇を突き出して見せるんですが、ご主人のいっちゃんは前を向いたまま演歌を熱唱。口笛コンサートというより、町の「のど自慢大会」のようになってしまいましたが、お客様はその姿に皆さんほっこり。そして、みんなで、いっちゃんに声援と拍手を送り、会場はすごく暖かいムードに包まれていました。



え~わの会を企画している松永くん。当事者です。実は、私が設立した会社で、今月から働き始めています。最初その話が出たとき、「僕は西村先生に迷惑をかけてしまいそうで怖いです」など非常に躊躇していたんです。私は「私もちゃんと配慮するから」という、いわゆる一般的な合理的配慮について話しました。

それを横で聞いていたリボーンの施設長、山下さん(あとで出てきます)の一言がすごい。

迷惑はかけるもんです。あなたは障害者なんやから

みんなで笑いました。そして、幸せな気持ちになり、がんばろうと思えました。



認知症になってもできることがある

高次脳機能障害になってもできることがある

この2つをつなぐ小物です

ものを作るだけでなく、届く先がある。届く先に人がいる。それがとても大事です。

なんだってそうですよね。

リハビリもそうです。何で歩く練習をするかというと、行きたいところがあるからだし、何で話す練習をするかというと、話したいことがあるから。

その思いは、認知症でも高次脳機能障害でも一緒ですよね。



さて、こちらは、Reジョブ大阪を設立するきっかけとなった下川さん。彼の手記です。

色々な手記を読んだ人から「この本は高次脳機能障害のことがそのまんま載っているからいい」そうお褒めの言葉をいただいています。

下川さんは、感情のコントロールやコミニケーション能力、記憶など、高次脳機能障害はそこそこ重度ですが、「社長スイッチ」が入ると、結構鋭い指摘をします。

右の脳損傷による左空間無視と視覚認知障害があり、ものが歪んで見えたり、左側が見えなかったりします。


そういう人たちに対するリハビリの鉄則として、わかりやすくものを提示する、左側に注意を促す、なるべく右側にものを置いて気がつきやすくするなどがあるんですが、私がリハビリをする時は、ついそのことを忘れてしまい、字は汚くて読みにくいし、彼の左側でものを書いて「はいこれ読んで」と言うしで、普通につい接してしまいます。とてもハードなリハビリになってると思っています(笑)

私の字が汚いことを指摘しているこの動画をご覧ください。




金井さんご夫婦の出版社「星湖舎」の機関紙がリターンです。今回は、白井さんご夫婦を取り上げています。

金井さんは、奥様に高次脳機能障害があることで、私たちリジョブの活動に興味を持ってくださいました。

奥さんは本当に素敵な方。いつもニコニコして、とてもユーモアのあるお話をされます。

自己紹介の時は立ち上がり、全身で自分をアピール。まるで芸能人のようなパフォーマンスを見せています。

お肌がとても白くて綺麗なので、当事者会での歓談の時も、参加してる女性みんなが、お肌の手入れ方法を聞いてます。記憶障害の質問ではなく、肌の手入れについての質問(笑)それくらい綺麗。

その答えはいつも、「何もしていませんよ」なんですが、もしかしてお手入れをしてることを忘れてるのかもしれません。



若年性認知症の方に仕事の場を提供しているタックさんのリターンです。タックさんは、私の言語聴覚士の先生が関わっているところです。若年性認知症も、見えない障害ですよね。見えないものを伝えること、私はずっと続けていきたいし、そういうことをしている団体はまるっと応援していきたいです。



ポラリスの森先生のプロジェクトの一つ、シングルマザーの支援をしている「ママ幸プロジェクト」です。森先生は、本当にたくさんのプロジェクトを企画しています。それも画期的で規模の大きいものばかり。ある日私は森先生に「いくつのプロジェクトを立ち上げているんですか」と聞くと、「50から80」とのこと!

「えー!そのプロジェクトは、どうやって回してるんですか?」と聞くと「ほとんどの人たちは、プロジェクトというものは10割の状態じゃないと回っていないとするんだろうけど、僕は3割位」とおっしゃるので、私はてっきり、やりながら改善するアップデート主義なのかと思ったのですが、先生は3割ぐらいで、メンバーに投げてしまうのだそう。「周りの人が大変かもしれませんね」と笑っていました。私もどっちかと言うとそういうタイプなんですが「途中で投げ出すな」なんて言われるのは、きっとやってる事の規模が小さいからなんでしょうね(笑)



岡崎さんは、めっちゃ強烈。交通事故による高次脳機能障害で、いろんな症状があるらしいんですが、一番私が驚いたのは、彼の「猪突猛進」度。

いわゆる、感情コントロール障害、欲求コントロール障害と言われるものなんですが、彼の場合は「施設の子供たちに笑顔を届けたい」という、その思いに対しての抑制が効いてないんです。

ですから、逆にたくさんの人の協力や共感を得られるんだと思います。

例えば、この企業から協賛をもらいたいと思ったら、いきなりその会社の受付に行って社長を呼び出したり。

診察中の主治医に「寄付金をください」と言ったり。

確かに、とんでもない行動なんですけど、やはり彼の「施設の子供たちに笑顔を」という思いで、めちゃくちゃ人の共感が高まっているんだと思います。エスペランサカップは、参加したいという養護施設もめっちゃ増えて、イベント規模も大きくなってきているので、さらなる支援が必要だと思います。



春彦さんは東京にお住まいですが、神戸の出身。昨日、東京から新幹線で帰ってきたそうなんですが、台風の計画運休の影響でめちゃくちゃ混んでいて、なんと、ずっと立ったまま、東京から乗ってきたそうです。

軽度の麻痺も、感覚障害もあるのに、見た目が若いし、パッと見、障害とわからないために、席も譲ってもらえなかったのでしょう。大変だったんじゃないかなぁと思います。

小林さんは、文章を書くのがすごく上手。Yahoo!ニュースに書いたこの記事は、Messengerで私とやりとりしただけで書き上げたものです。このユーモアに私はびっくりしました。


https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190915-00010000-mediagong-ent



リボーン施設長の山下さん。私は、山下さんが、すごく好きです。施設に通ってる人にインタビューをしたんですが、口々に皆さん「山下さんに出会って人生が変わった」「リボーンに救われた」とおっしゃるので、こういう施設、場所があるということがいかに大事かということを知り、私の事業「くるみの森」の設立につながりました。

山下さんは、なんていうか、支援者という雰囲気が全然なくて、その場を包み込む優しさを持っています。

先程の「迷惑はかけるものや」という凛とした発言もありますし、前述の白井さんが口笛コンサートで口笛を吹かず歌を歌ってしまった話を聞いた時にも「歌いたかったんやねー」という愛溢れる発言もあります。

人の上に立つ人なのに「こうならねばならない」とか「こうしなくちゃいけない」とかというような言葉がありません。尊敬します。めっちゃ綺麗やし(笑)


リボーンには今、「工賃いくら」と張り紙が貼ってあるんですが、これは前述の下川さんが提案したもの。

就労支援施設とはいえ、やはり経済を取り入れて、みんなで頑張って少しでも売り上げを上げよう!という雰囲気になっています。意欲があがったんですね。

そうそう、以前、大阪で指名手配の犯人の情報に何万円という広告が出たとき、施設の利用者さんたちが「ぼくたちの工賃より高いから、みんなで探しに行こう」って話になったそうです(笑)就労支援施設でそういう計算をするっていうのも、とても面白いし、ユーモアがあるし、活気があると私は思います。


以上、最終日ですが、私のゆかいな仲間を紹介しました。普通最終日には「最後のお願いです」的なことを言うんでしょうけど、大阪はユーモアが大事。障害があってもそれを支える人がいて、笑顔や笑いがそこにあって、周囲が「しんどそうだから支援する」というより「おもろそうだから関わりたい」「ほっこりするからここにいたい」そう思うような雰囲気と場を大事にしたいと私は思います。


クラウドファンディングは今日でおしまいですが、本番の文化祭は14日。みんなでまるっと集まって、ほっこりしたり、わいわいしたりしましょ!


編集後記

最後の写真は、記事になりそうなネタを録音する西村さん。文章に直したのは私です(笑)
ほんま丸投げやで、この人。文化祭で会えますよ。皆さん会いに来てね。
リジョブ 松嶋