計画が止まってからも、いろいろな手続きがありました。実際は、止まってからのほうが長くかかっています。土地は、会で管理しようというのは長く続かない可能性があり、計画を止めることと遊休農地の問題は別なので、土地はわたしが責任をもって管理をするから資金集めまでは手伝ってほしいとお願いしました。メンバーの中には、自分で管理している土地がすでにある人もいます。みんなは快諾してくれました。あとは資金調達をどうするか?「土地を買うから、あなたたちが自由に使いなさい」という方まで現れました。みんなで話し合って、最後まで自分たちでやろうと決めました。そして、いよいよクラウドファンディングの呼びかけ文づくり。経験した友人などに見てもらって、公開まで何十回も書き直しました。「もう無理!これ以上短くできないし、もうわけがわからない!!」というところまで内容を精査しての公開。大勢のみなさんに小さな田舎で起こっていることを知っていただくことができ、本日、目標額を達成することができました。みなさんへ感謝の気持ちとともに、期待の大きさに身が引き締まる思いです。本当にありがとうございます。これからが新しいスタートです。つづくもくじ~プロローグ~はじまりの日Episode1 二人だけのミーティングEpisode2 神様からの届け物Episode3 防災に絶対はないEpisode4 地元民がやるしかないEpisode5 そこに愛はあるのか?Episode6 救世主あらわるEpisode7 新しいことを学ぶ日々Episode8 不穏な住民説明会Episode9 土地の売買契約解除に向けてEpisode10 ゴールを決めようEpisode11 ずっと願っていたことEpisode12 新しいスタート
終了を目前に、大勢のみなさんのお力をお借りして、目標金額を達成することができました。本当に、ありがとうございます!!事業者への負担金、弁護士費用、土地の買取費用を賄わせていただきます。支援額以上集まった場合は、農作業の資材代として使わせていただきます。残り5日、どうぞよろしくお願いいたします。p.s.写真は、今日撮ったものです。雨の合間に顔を見せてくれた富士山と美しい棚田の風景です。田植えから一週間して手直しを終えたわたしたちの田んぼは、小学校跡地のグラウンドのすぐ裏を借りています。
1月8日、すべてがこの交渉にかかっていると思うと、とても緊張していました。担当者と環境部長が来ました。場所は、農業委員会のロビーを借りました。事前に話すことをPCにまとめ、議事録を取らせてくださいとお願いしました。上鶴「地権者さんからの内容証明は届いていますか?」事業者「はい。」上鶴「それについてはどうですか?」事業者「今はなんとも言えません。」それから、いくつか疑問点を質問しました。事業者は、住民説明会でわたしたちがソーラーパネルをすぐ壊れるみたいに言ったことに、反発したことがわかりました。東日本大震災のときには、すべてが停電する中、ソーラーパネルがあったマンションだけは煮炊きができて、みんなが集まって食事をすることができたこと。災害には一番強いこと、壊れることはほとんどないことを話してくれました。それから、今後は農業に力を入れていくことを話してくれました。遊休農地を活用するために、足の長いパネルを設置し、下の農地で農業をやっていくスタイルにシフトしていくと。今の日本は、農業だけではほとんど生計が成り立たないので、売電もできる農地というスタイルは、もしかしたら受け入れられるのかもしれないと思いました。これは、農地のまま活用するので、農地転用が必要なくより簡単に増えると思います。上鶴「わたしたちは、ソーラーパネルの全てを否定しているわけではありません。ただ、作っていい場所とそうでない場所があると思うんです。」事業者は、ソーラーパネルでどう社会貢献できるか、自分の仕事に誇りをもってやっているんだなということがわかりました。わたしは、とても穏やかに冷静に話ができました。上鶴「地権者さんは、わたしたちの活動に賛同してくださっています。内容証明では、土地の契約解除の意思を示してくださいました。地域では、75パーセントの署名が集まりました。今日の新聞を見てください。」ちょうどロビーにあった新聞を見てもらえました。事業者「わかりました。地権者さんがそう言っているのであれば、この計画は進められないですね。」わたしは、耳を疑いましたが続けました。上鶴「3回目の説明会は?」事業者「中止です。区内には回覧板で中止のお知らせをします。」上鶴「わかりました。では、今後のやり取りはすべて弁護士さんを通してください。」事業者「最後にどうしてそこまで反対するか、一番の理由を聞かせてください。」上鶴・朝子「一番は景観です。平林はとても美しい場所です。平林のみなさんが守って来たからこの景観があるんです。そこにソーラーパネルは作ってはいけないと思います。」事業者が帰った後、朝子さんが「よかったですね」と言いました。しかし、にわかに信じられないことでした。上鶴「ほんとうに止まるかわからないよ。」朝子「大丈夫です、止まりました。」朝子さんのまっすぐに人を信じる姿を見せてもらいました。日本語が通じる事業者だったこと、そして、話を聞いてくれる事業者だったことが幸いでした。朝子「本当はいい人たちでしたね。」上鶴「そうだね。」その後、事業者はすぐに弁護士さんに連絡してくれました。そして、弁護士さんからは「これまでかかった費用の負担を言って来ているけど、払いますか?」と連絡がありました。わたしは「払います」と即答しました。そして、これまで協力してくれた関係各所に、報告の連絡をすることに時間を費やしました。みんな「よくやったね!」と喜んでくれて、だんだんと本当に止められたんだという実感が湧いて来ました。つづくもくじ~プロローグ~はじまりの日Episode1 二人だけのミーティングEpisode2 神様からの届け物Episode3 防災に絶対はないEpisode4 地元民がやるしかないEpisode5 そこに愛はあるのか?Episode6 救世主あらわるEpisode7 新しいことを学ぶ日々Episode8 不穏な住民説明会Episode9 土地の売買契約解除に向けてEpisode10 ゴールを決めようEpisode11ずっと願っていたこと
ミーティングは、その都度行ってきました。「ゴールを決めておこうよ」「ゴールは計画を止めることだよ、ほかに何があるの?」この問題に向き合って三ヶ月。きっと、メンバーもみんな忙しい中、動いているし、集中力が限界で「これ、いつまで続くんだろう」と思い始めていたんだと思います。...実は1月8日に、わたしたちの会と事業者で会う約束をしていました。佐奈美「これが最初で最後の交渉になると思う。この交渉が失敗すれば、工事は止められないだろうね。」上鶴「えー!そんなの、わたし一人じゃやだよ。誰か一緒に行ってほしい。」佐奈美さんは、神奈川ユニセフに勤務していた時は、たくさんのボランティアさんと一緒に子どもたちのために動いてきた方で、ご両親の介護でUターンしてきた平林の姉さんです。ありとあらゆる経験を持っていて、一般常識に欠けているわたしに対して、ごもっともなアドバイスをいつもくれたり、表に出す文章の校正をしてくれていました。縁の下の力持ち的存在でした。みんなが仕事で行けないとわかって、一人なら行くのをやめようと思っていたとき朝子「8日なら、わたし行けます。」少し天然だけど、愛に溢れている朝子さんが一緒なら、わたしが怒りに震えたときに止めてくれるに違いない。とても心強い!やるだけのことはやるしかない!そして、8日を迎えました。つづく
以前投稿した、山口県防府市のソーラーパネル計画阻止の署名用紙が出来上がりました。A4で印刷して集めてくれる方へ、データを送りますので上鶴までご連絡ください。わたしもふだん署名用紙を持つようにしますので、会える方は署名のご協力をお願いいたします!締め切りは7月20日です。集まったら、署名用紙にある住所まで郵送お願いします。署名は、地域内の数を集めることが一番重要。その次に、総数を集めることが大事です。たくさん集まれば、事業者はその声を無視はできないはずです。平林のときには、全国の友人から封書が届くたびにほんとうに嬉しい気持ちになり、勇気をいただきました。見たこともない地域にできるソーラーパネル計画に対して、自分の時間を削って署名を集めてくれた友人たちの気持ちに応えるには、できることを一生懸命がんばるしかないと思いながら日々向き合ってきました。山口県防府市のソーラーパネル計画は、今、自分ができることで協力したいと思います。