このプロジェクトのあらすじ
プロジェクト応援団からひとこと
-
月刊ソトコト編集長 指出一正さん (http://www.sotokoto.net/)
ナリワイの伊藤さんたちによるこの熊野のビルのことは、実際にそこに足を運んだ知人からリアルな話を聞いていて、何だかいろいろ混ざり合って、とてもおもしろい! と思っていた。僕は伊藤さんの著書と行動はもちろん、熊野という地域も大好きなのだ。
ぜひこのプロジェクトを接点として、たくさんの人が「フルサト」という価値観の豊かさ、あたたかさを共有してくれたらうれしいです。 -
ブロガー Phaさん
田舎に溢れている自然資源や余剰空間を活かして、都会でできないような面白いことをできる場所になればいいなと思います。できあがったら僕もちょくちょく利用しに来ます。みんなで一緒にフルサトを作っていきましょう。
-
現代美術家 古林 希望
以前、熊野に遊びに行ったのは1年ほど前のことです。火をおこして焚き火をして茸を焼き酒を飲み交わしたり、熊野の森や古道を散策したり、毎日違う温泉につかり、流れ星を数えながら満点の星空の下歯磨きをしたり。緩み、研ぎ澄まされ、満たされた日日でした。
そんな場所にアーティストレジデンスが出来上がる!きっと長期でも、短期でも、ゆっくり自分の生活と向き合い、ものづくりをするのに本当に適した場所になっていくのだと思います。
古林 希望・絵描き
webマガジン『アパートメント』にて連載中。
http://apartment-home.net/author/nozou/
東京画廊+BTAP
http://www.tokyo-gallery.com/artists/japan/nozomi-kobayashi.html -
PARCO広報 大河内聡子
伊藤さんのDIY精神は人生を楽しむためのちょっとした工夫が詰まっていて、お話をするたびにとても充実した気持ちになります。
そういった人生を楽しむコツを知っている人たちがフルサトで待っていると考えるだけでワクワクします!
フルサトはたくさんあった方が良い!
「都会暮らしは面白いけどちょっと単調になってきたなー」と思っている方にぜひお読みいただきたいプロジェクトです!
都会は人がたくさんいるし、刺激も多くて楽しいです。人類が産み出した偉大な発明です。
ただ、ずっと都会生活を淡々と続けていくと、なんと言うんでしょう、平坦な充実疲れというのもあるなーと思うのです。先も読みやすいけど、仕事や生活で走るのをやめられない圧力というか、息を止めている感覚とかないですか?
ぼくたちは、これからの時代に楽しく、たくましく生きるための重要な作戦のひとつは「フルサト」をつくることだと考えています。
フルサトとは、分かりやすく言うと自然と食べ物が豊富で、野外活動などに没頭できる場所。
風の音を聞きながら昼寝して、温泉に毎日入ったり、草刈りや薪割りで体を動かして健康的にお腹を減らしてご飯を食べれるところです。
子供は、飽きることなく野花を採取したり、虫を探したり、絵を描いたりしています。そういう体験ができる場所でもあります。
大げさに言うと、人類に戻れる場所ということです。普段できないことをする大人の秘密基地を持とうということです。人間というのは、ずっと効率的にビジネスのことを考えすぎると創造性が枯渇しますから、これは大事です。
いわゆる実家も都会で、都会で小さいお子さんを育てていらっしゃる方にとっても、夏休みぐらい、大自然があるところで子供が暮らせる環境をつくるという意味もあります。
今回提案する「フルサト」は、世界遺産、聖地巡礼の和歌山県熊野
熊野は、平安時代から続くあの世界遺産「熊野古道」がある和歌山県の熊野地方です。
東京からはもちろん、大阪、名古屋のどの都市部からもめちゃくちゃ遠い。そこがいいんです。
遠ければ遠いほど、移動中に日常の雑念が取れるし、流行りの地域活性化事例として人が押し寄せて暮らしにくくなったりしにくい。熊野巡礼は特に平安時代に大流行しましたが、当時の都人も、京都での都市生活に疲れて足繁く通ったのかもしれません。
なぜ熊野にたどり着いたかというと、単に自然と歴史ではありません。
人です。前向きな野心を持つ若者が集まる場所が何カ所もできてきているのです。
定住した人とたまに遊びに来る人がいい割合でいます。山奥だけど、もしかしたら都会にいるときより、話が合う人と出会える場所かもしれません。
魅力的だと思える人に加えて、焚き火できたり、川遊びできる場所があれば、それはもう日常生活が非日常になります。
私は、そうして通っているうちに、現地に仕事(ナリワイ)ができてより通う頻度が多くなってきました。
その結果、足掛け8年目に空き家を借り、大勢で修繕し個人的なシェア別荘をつくりました。さらに、今回のプロジェクトの舞台となる元農協のビルを借りることになったのです。村で唯一のビルです。
ちなみに「限界」集落も多く、雇用などそうそうないところです。しかし、局所的には若者や様々な技術を持った人が集まってきているので、仕事をつくるための基盤ができつつあります。
仕事や活動がつくれるとより長く滞在できるようにもなります。
「フルサト」つくるための生業を生み出すアーティストインレジデンスをつくります。
ビルを拠点に、居合わせたメンバーでできる作業や遊びもつくっていきます。もちろん、一人で静かに過ごすこともできます。
これまで、まずは昔のままになっていたビルを掃除したり、物を片付けたりしていました。4トントラック5杯分は片付けたでしょうか…。真夏の猛暑の中での解体作業は甲子園のようでした(出てませんが)。
・元・農協のビルに泊まれるようにします!
生活しながら滞在するので、泊まれる場所が必要です。幸い、元・農協だったこともあり、元・オフィス空間だけで はなく寄り合い用の和室があって、ここを泊まれる場所にします。
・仕事がつくれる自立型のアーティストインレジデンスにします。
制作活動をしながら合間に仕事をして活動費も稼げる自立型のアーティストインレジデンスを運営します。
元農協のビルだけあって宿直室があります。さらに、倉庫が5部屋あります。ここを滞在費フリーのアーティストイ ンレジデンスとして運営します。単なる場所の提供だけではなく、ビルの管理や人手不足の農林業のサポートなど、 滞在中にできる生業を紹介します。都市でランニングコストに追われながら制作しなくてもやれる方法はあります。
そして、ここまでやってきました。
・自力で片付け、掃除、ペンキ塗りをやりました。
これまでのべ20日ほど合宿して自分たちで、大量のモノを片付けたり、撤去したり、掃除をしてきました。
・地元の若手も体を動かして掃除など手伝っています。
何か新しいことをやろう!という人は必ずどの土地にもいます。地元の20代の若手市議会議員や美術作家さんにもビルの片付け掃除など手伝ってもらっています。
・管理人を見つけました、美大卒の雅楽のひと。
管理人は、美術大学卒業して、作品制作と雅楽の修行中の宇井千晶さんです。
和歌山県が地元で、さらに自然があるところということで、ビルの近所に引っ越してこられました。
理想の生活をつくるべく、自宅の庭づくりをしながらビルの管理をしてくれます。バスが少なかったりするので、送迎などお願いする予定です。
そもそも熊野の何がいいんでしょうか?
ちなみにビルにはフロはありません。予算に余裕ができたらシャワーをつくりたいと考えています。
でも、近隣に温泉が何軒あります。この農協ビルから車で15分。管理人がときおり雅楽を奏でながら、ゲストの方々をお連れできるようにします。
熊野は、とにかく温泉は豊富です。河原を掘ったらお湯が沸く温泉もありまし、トロッコに乗っていける温泉もあります。世界遺産に指定されている岩風呂までもあります。
しんどいことがあってもなくても、毎晩温泉に浸かれるというだけで人生8割方いうことなしです。
・夏は漁船で花火
花火職人が多い近隣の熊野市では8月17日に大規模な花火大会が!このプロジェクトが成立し、メンバーが集まったら、漁船をチャーターして見に行きたいと思っています。
・地元のおばあちゃんも歓迎
当時は、元農協のビル前には若者がたむろしていたそうです。ビルの片付けをして入り口階段で座っていたら「当時のようで嬉しい」と仰っていただきました。まだ片付けしているだけなので恐縮ですが…。
・近くには、廃校後にできたカフェや本屋も。
近隣の村には、パン屋や、ブックカフェをやっている元廃校があります。山奥のお店に人来るのか?と思いきやイベります。ものすごい山奥のエリアなのにイベントごとがけっこうあるという謎の現象が起こせそうです。
無理して毎日お店を開かず、店番以外の活動もできるという形態は山村ならではかもしれません。何しろ家賃などの固定費があまりかからないので。
フルサトにナリワイをつくろう!
わたしたちの夢は、こういったプロジェクトを通じてこの熊野の村にある種の異物である「アーティストインレジデンス」をつくり、この村に新しい「ナリワイ」を創ることです。
それもただのビジネスではありません。お金を稼いで生活を豊かにするという回り道ではなく、仕事自体が楽しく生活の質が高まる仕事をつくりたい。もちろんほどほど稼ぎます。
チームメンバー紹介
改めてはじめまして!
この文章を書いている伊藤洋志と申します。個人のための健康的な仕事をつくるナリワイというプロジェクトをはじめて早8年目です。仕事をつくるのが仕事です。様々な仕事をつくってやり方を著作などで公開してきました。
繁忙期だけ農家になり収穫を実況中継しながら販売する「遊撃的農家」、モンゴルやタイなどの遊牧民や山岳民族に馬術、伝統建築を見習いする「武者修行ツアー」など、仕事のやり方自体も変えるナリワイを一人でコツコツつくってきました。
今回は、その「フルサト」に「ナリワイ」をつくるための拠点づくりです。これまでの個人の仕事をつくるのとは違って、大きい規模のプロジェクトです。一人ではやれません。
そこで、メンバーを集めチームを結成しました。以下のメンバーです。
伊藤洋志
ナリワイ代表 頭と体が鍛えられて、生活の質が高まる仕事、ナリワイを研究開発し実践。様々な人が自ら仕事をつくる選択肢を増やすため、「ナリワイをつくる」「小商いのはじめ方」(東京書籍)など著作で公開する傍ら、「EDGECAMP」など過疎地の起業家育成プログラム開発運営にも参加。
長山武史
「いろいろデザイン」共同代表。日本最大のソーシャルブックマークサービスはてなブログのディレクターを経て独立。京都にてテクニカルディレクターとして大小様々なインターネット事業のディレクションや開発に携わる。事務所兼飲食店をオープンし、Webサービスに止まらない分野で活動中。実家が工事業を営んでいるので、ビルのDIY改装も担当。
岩崎恵子
イワサキケイコ企画代表。岡山県にてアパレルメーカーの企画請負、デザインコンサル業務を中心に活動中。京都の和装メーカーSOUSOUの立ち上げから参加、デザインから店舗接客指導まで事業にほとんどの分野に携わり10年間勤務後独立。
東京、京都、岡山と各メンバーもそれぞれが別の土地を拠点にしています。熊野が各地から人が集まる場所だったように、各地から熊野で集合しつつの現地のメンバーと協力して運営するスタイルです。
運営責任者全員が、サービス、事業を立ち上げた経験があるメンバーです。大きな投資が不要なこのプロジェクトにはうってつけのメンバーではないかと思います。
多くの地方には、高投資ハイリターンではなく、小さく初めて育てるパターンの仕事の作り方が求められていると感じます。大きな予算が取れたとしても過剰投資になったら維持費や利益目標値が無理に高くなってしまい、長続きしません。
最後に
・屋上の防水が必要になりました!
床張り、ペンキ塗り、汚れ取り、壊れたエアコンなど重量物の撤去、これまでやれるところは自力でやってきまし
たが、屋上の防水がなくなっていて雨漏りしています。さすがに防水は特殊作業なのでプロにお願いしなければいけなくなりました。これに30万円ほどかかります。
・鉄の箱をプロにお願いしたい!
昔、籾殻を貯めていた箱。これを自力で解体しようと試みましたがあまりにも大きすぎて危険なこともあり、途中で断念しました。こればかりはプロの力を借りたいと思います。5万円でできそうです。
これまでが今回の目標で35万円です。
さらに、70万円まで集まれば、速やかに木材加工ができるセミプロ用の電動工具を揃えます。自分で木を切れば丸太がもらえる環境を生かし、家具や小屋などが自作できる作業アトリエを整備したいと思います。
さらに、90万円まで集まれば、簡単なシルクスクリーンや染色をするための釜などを整備します。特に染料になる野草はいくらでもあります。泊まり込んで染めたい放題の合宿ができるようにしたいと思います。
さらに…と言いたいところですが、このへんにしておきます。将来的にはクラフトビールをつくったり、コーヒー焙煎をしたり、アジアの山岳民族の方々を招いて、山の活用方法について学んだりとやりたいことは多いですが、まずは滞在できるようにしたいと思います!
常にwork in progress!で行くたびに新しい動きが起きているようにできるだけ小さくはじめます。
このプロジェクトを通して、都会と田舎、どちらも使いこなせる21世紀の暮らしを一緒に開拓していける方々と出会えるきっかけになれば嬉しいです!
目標金額
350,000円