2019/06/16 12:39

先日、尼崎のギター・ベース工房TUNEの月森さんへインタビューへ伺いました!

月森さんは、アマチュアからプロまで分け隔てなくその確かな技術で、信頼されているリペアマンでUKIYO ORCHESTRAもたいへんお世話になっています。

それではインタビュー対談をご覧ください。




田「月森さんがTUNEに来られたのはいつ頃なんですか?」


月「一度高校出てからはMIという学校に一年行っていました。その後、東京の国立音楽院/ギタークラフト科で竹田豊さん、野澤義次さんに指導していただきました。」


田「なるほど。向こうの学校ではどんなことを?」


月「ギタークラフト科といえば、たくさん楽器をつくるイメージですよね。でもまずは調整/修理でした。フェンダージャパンのギターを支給され、それを使い構造を学びつつ、さらに良くしていっていうことをやっていましたね。」


田「向こうでは楽器の製作を学んだんですか?」


月「意外ですが学校で実際に作ったのは1本 だけでしたね。それもイチから製作するのではなく、塗装してないネックとボディのストラトを塗装、組み込むという。だから生涯イチからギターを製作した事はありません。笑」


田「それは意外でした!どんなきっかけで、向こうの学校に行かれたんですか?」


月「この本を持っていたんですよ。ここの広告を見て、こっち(右側)へ行こうと思って。笑」


田「なるほど。っていうことは、この本は月森さんの原点なんですね!」


月「そうですね」

真ん中にある本が学校へのきっかけに

田「98年刊行ですか!20年も大切にとっているんですね。この本とは、大きな出会いですね」


月「はい。向こうで1年目は竹田さんに習いました。竹田さんには構造面を丁寧に教えていただきました。2年目は野澤さんに教わりました。残念ながらもうお亡くなりになりましたが、竹田さんとはタイプが違い、聞かれたら教える先生でした。タイプの違う先生に教えてもらえたのは良かったです。」


田「そうだったんですね!素晴らしい先生との出会いがあったんですね~。その後TUNEへ?」


月「はい、東京で2年間暮らしましたが、向こうにはちょっと住めないなと思って・・言葉もなれず、タイガースや吉本がないし、探偵ナイトスクープの放送時間も遅いし笑。で、野澤先生に聞いたらうちの社長(現TUNEの神田社長)と仲が良くて。たまたま人を入れようとしてたので面接を受けました。そして無事就職して(笑)当時は1人先輩がいました。でもその方も5,6年で退職されました。」


田「ということは、2004年に入社されたのでしょうか?」


月「そうですね、22の時に来たので」


田「TUNEといえば 独自路線でのベース、ギターを製造されたり、堅実なリペアをされる事でも知られていると思うのですが、月森さんがここへ来た頃、はじめはどんなことをされていたんですか?」


月「組み込み補助だったんですが、それはすぐ出来ました。でも当時の出来るというのは何も分かってないっていう状態で、今から考えると全然でした。で、飽き性なんで組込み以外にも色んな事をやってみたいなと思ってました。」


田「当時はどんな事から広げていったんでしょう?」


月「組み込みをやりつつ、営業にもいっていましたね。そこで楽器店の方とも知り合いになりました。エフェクターの卸もやっていて、フルトーンなどのブティック系エフェクターにも触れる機会も増え、勉強になりました。」


田「組み込みも、営業も、エンジニア的な事もしてすごいですね!」


月「そういのも大事なんで笑」


田「そうやって多岐に渡ってお仕事をするのは良い面もありますか?」


月「はい。当時築き上げた人脈が活きています。」


田「今は楽器市場も変化が大きいですね」


月「そうですね、今は楽器の売り上げが下がっていて、大手でも中古市場が回っている状態です。SNSが発展して個人間でのやりとりも多いですね。新しい楽器メーカー/個人工房も増えましたね。一見良さそうな楽器を作っていたり、リペアにもしっかりやってそうに見えても、この仕事は資格がいらないので、お客さんが悲しい思いをする事が増えています。」


田「月森さんそれで苦労されてますよね(笑)」


月「リペアのブログ記事がなが~いところは個人的には信用してないです(笑)真剣に取り組んでいたらブログを書く暇もないですし、写真をたくさん撮る余裕もないですよ。お客さんが待ってます。」


田「あと、色々とSNSでもメディア発信されてますよね」


月「はい、最近は忙しいで中々出来てないですが・・」


田「TUNE全体でのお仕事は、新品の楽器製作、修理、あとPLEKですか?」


(※ PLEKはギター・ベースの超高性能のフレット擦り合わせマシン。1000分の1mmまでネックとフレットの高さをスキャンしドレッシングすることが可能。)

後ろにあるマシンがPLEK


月「はい、PLEKは2013年から導入して、関西にあるのはここだけですね。PLEKは、楽器の正解みたいなのを出してくれるのは勉強になりますね。物理的な数字でやってもうまくいかないこともあるんです。そこを協力してくれたのが森岡さんです(笑)」


田「え!そうだったんですか!」


月「はい、そうです。削って、弾いてもらって、の繰り返しで、たくさんフィードバックを頂きました。ものすごく助かってます!」


田「それは、知りませんでした」


月「アドバイス、感想がすごく役にたちました。それを自分なりに探って、答えを見つけていった感じですね」


田「今ではプロアマ問わずにとても好評のあるTUNEでのPLEKの始まりがそんな風だったとは知りませんでした」


月「ギターとベースってキレイに鳴らすだけじゃ抜けてこないんです。アタックには、バズがないとアンサンブルで抜けてこないので。だから、アタックのバズはOKですね。でも太く伸びる音も必要。その辺りは森岡さんに、本当にたくさん勉強させてもらってます。」(※バズ・・楽器を弾いた時になるビーンという歪んだ音)


田「なるほど」


月「その辺りが楽器の状態、フレットの削り方でも変わるんです。そういう答えを早く出すのに、森岡さんの意見は大変役立ちました。バズを勘違いする方がいるけど、バズにも良いものと悪いものがあるんですよ。」


田「そうですね。確かに、良いバズと、悪いバズってあると思います。月森さんにUKIYOのライブで聞いてもらって音の改善の提案をしてもらったのですが、具体的にはケーブルと内部配線を提案頂きましたよね。実際、こんなに変わるものかとびっくりしました」


後半へ続く


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