棚田を再生し、未来へつなぐ鹿革ブランド Tsunag.を立ち上げます!
里山や棚田の風景を未来へ残す。
私は1986年、奈良県奈良市生まれ。岡山県美作市(旧英田町)上山地区に住んでいます。
大学で環境や農業を勉強し卒業後すぐにIターン移住し10年目。40年以上も人が住んでいなかった古民家を、DIYで自宅や宿泊施設に変えながら、耕作放棄されて荒れ果てた上山千枚田の再生活動を行い、お米づくりに励んでいます。
鹿革ブランドづくり
私が棚田での暮らしを始めて10年目。これまでお米をつくるかたわら、鹿革製品の研究にも取り組んできました。そしていよいよ今年から、本格的に販売を始めます。この鹿革製品を通じて、昔から守られてきた棚田の暮らしを未来に繋ぎたい。そんな思いから、ブランド名を『Tsunag.』といたしました。
新たに鹿革製品を扱う理由は。
①森の恵みでもある鹿を、無駄なく活用したい。
②祖父が従事してきた皮革産業に関わりたい。
③鹿革製品そのものの魅力(肌触りが良い、しなやか、耐久性)
④クラフト用なめし革だけでなく、セーム革、白なめし革、毛皮に展開可能
などの理由です。
今のところは商品のラインナップやカラーバリエーションは限られています。しかし時間をかけて増やしながら、いずれ新たな岡山県の名産品へと育てて行きたいと考えています。
プロフィール詳細や、なぜ棚田にいるのか→こちらへ
オリ罠やくくり罠で捕獲します。
棚田での暮らしを再生する
上山棚田で荒れ果てた田んぼを再生し、お米づくりを行っています。一度耕作放棄地になった田んぼをもとに戻すには、3〜4年かかります。最初は来る日も来る日も草を刈り、灌木や笹や竹藪を切り倒し、冬に野焼きをします。野焼きの後は、土に残った根を掘り返し、夏には残った根から再び伸び始める草を刈り、再び冬の野焼き。その繰り返し。
こうして地元のお年寄りや仲間と共に、ほぼ人の力だけで棚田を再生させてきました。今のところ再生された田んぼは、約8300枚と言われる棚田の四分の一くらい。少しずつお米も取れるようになりました。そしてもちろん、四半世紀ぶりの景色も蘇り始めています。
野生動物による被害を減らしたい
ところが、せっかく田んぼが再生されても、その後に新たな壁が現れます。イノシシや鹿などの野生動物が農作物を食い荒らすという被害です。
この被害額については岡山県内だけでも年間3億円以上(岡山県調査2018年)となり、そのため私は狩猟も行っています。もともと狩猟が文化として根付いていた土地柄。地元の猟師さんに教わりながら、技術を身につけました。私自身は年間10頭前後、野生動物の捕獲を行っており今後も続けます。
鹿一頭の命の価値を最大限に引き出す
農業者にとっては憎き野生動物ですが、彼らが農地に現れる理由は、人が里山を荒廃させたからでもあります。そこで、いただいた命は余すところなく使い切りたい。彼らの命を皮革製品として残したい。そういう思いから、皮革製品の試作を続けてきました。
特に鹿革は肌触りが良く、耐久性が高く、使い込むほど手になじんできます。とは言え野生動物の革なので、傷を負っていることもあります。しかし、それは彼らが岡山県の深い山の中で生きてきた証です。もちろん傷のない部分を選んで製品を作りますが、私は、その傷さえも、岡山県産ならではの魅力と考えています。
里山ではどのように人が暮らし、獣たちが生きているか。
この製品が、里山の生態系を考えるきっかけとなり、これからの里山再生に繋がることを願っています。
時代によって変わりゆく棚田の様子
このように電気柵を設置し獣が入らないように対策します。
しかし朝、見回りをすると鹿や猪が稲を踏み倒し食べ散らかしていることも少なくないです。
捕獲する→皮を集める→革にする→製品化
まず大切なことは捕獲することです。しかし、私が捕獲できる量は年間10頭にも及びません。そこで、近所の猟師さんたちにもご協力いただきます。また、美作市内で捕獲された鹿が集まる獣肉加工施設にも協力を依頼して、鹿皮を買い取っています。鹿の持つ本来の価値を多くの方に知っていただきたいからです。
その後は、すでに集まっている鹿皮200枚(2月末時点で150枚ほど)を兵庫県の皮革工場へ輸送し「なめし」という工程に入ります。
「なめし」とは、動物の皮からタンパク質、脂肪、不純物を取り除いて柔らかくし、革製品として加工しやすくするための工程をいいます。私は「植物タンニンなめし」という方法で行っています。
植物から抽出される"渋"を用いる「植物タンニンなめし」は、味わい深い発色や経年変化が特徴。棚田と同様に作業効率では劣りますが、使い込むことによる変化を楽しんでいただけます。
この革でひとつひとつ職人が製造した革製品を皆様にお届けします。
これはくくり罠で捕獲した時
集めた鹿皮を運び込む工場
仕上がってきた鹿革(皮はそのままの状態のことを言う、革はなめしたものをいう)
この度、リターン品となる商品
● 支援金の使いみち
・鹿200頭分の鹿革製造費用
・リターン品
・FAAVO手数料
に当てさせていただきます。
なぜクラウドファンディングを行うのか?
高度経済成長と共に、棚田の地域からは急激に人口が流出し、過疎化が進みました。しかし、今は40年前とは違います。このようにクラウドファンディングやウェブやSNSを通じて、上山棚田に来たことがない方や、一回でも来たことがある方と、いつでも繋がることができます。
これは里山に住む我々にとって、まったく次元の違う価値観の交流を生み出します。住む人が少なくなり誰も関わらなくなったために一度は廃れましたが、このような形でひとりでも多くの方が目にしてくれて、関ってくれるおかげで、大変だけど楽しい棚田再生活動を10年以上続けることができました。
もっともっと良いコミュニティにしていくために、ひとりでも多くの方に関わっていただきたい。そこでクラウドファンディングを始めました。
ちょうど2月6日に私たち夫婦の第2子も誕生しました。
子供たちがこの場所に暮らしたいと思える楽しい里山をつくる、その心地良さを皆さんと共有できる鹿革商品です。
これからは、ウェブを通じて棚田の風景もお伝えしていきます。
ぜひ、「Tsunag.」と共に、棚田の未来を切り開いていただけると嬉しいです。
● 実行スケジュール
現在、鹿皮を200枚を目指して集めているところ、74/200枚(1月22日時点)
3月7〜8日、岡山県津山市内インセクトで展示会予定
3月20日、大阪で展示会予定(新型コロナウイルスの状況によって状況判断します)
3月24日、クラウドファンディング終了
3月末、皮革工場へ皮を運びなめして鹿革にする。
4月、職人へ革を渡し製品化
5~6月末、クラウドファンディングを支援いただいた方へ返礼品を発送(可能な限り早く対応いたします)
● お問い合わせ先
Tsunag合同会社 代表 梅谷真慈
https://www.tsunag-ueyama.com/
最新の活動報告
もっと見るすべての返礼品発送完了のお知らせ
2020/08/31 06:02このたびのクラウドファンディングで応援、支援、購入いただいた皆様へ 当初予定していた6月末までの発送完了より大きく遅れてしまい、大変長らくお待ちいただき有り難うございます。 おかげさまで受け取っていただいた方々から 「届いたよー」 「大事に使いますねー」 などたくさんの言葉をいただき改めて頑張っていきます。 商品とともに梱包していますのは ・感謝のお手紙 ・白なめし革のサンプル ・パンフレット なお、商品を入れています袋は丈夫なオイルペーパーを ひとつひとつミシンで縫いあげています。 なにか日常の中で小物を入れる時などにも再利用していただけます。 これからが棚田の稲刈り収穫も始まるので、無事収穫できるようシカ・イノシシの捕獲にも張り切って取り組んでいきます。まだまだ初心者ハンターではありますので、十分に気をつけてケガなく進めていきます。 お手元に届いていない、注文したものと違うなどの手違いがあれば個別にご連絡くださいませ。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
返礼品の送付遅延について
2020/07/27 16:52クラウドファンディングにて鹿革商品を支援・購入をいただいた皆様へ 連絡があいてしまい申し訳ありません。 6月末、7月初旬にハガキにてお知らせしました商品発送遅延に関しまして ご理解いただき誠に有難うございました。 応援コースや宿泊チケット、お米購入支援などの方々には 順次、4-6月の中で発送を完了しております。 もしお手元に注文したものが届いていないという方がおられましたら info@tsunag-ueyama.com までご連絡くださいませ。 長期間お待ちいただいたおかげで鹿皮を集め 皮の革の仕上がりも納得のいくものとなり 商品作成に取り掛かっています。 8月中には出来上がった商品から順次お送りしていきますので いま少しお待ちくださいませ。 長い梅雨となりカラッと晴れることが待ち遠しい日々です。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る
4月30日時点、鹿皮の状況
2020/04/30 10:48こんにちは、梅谷です。 おかげさまで塩漬けにした鹿皮を工場へ4月10日に搬入しました。 その皮が革となっていきます。 第一弾が明日5月1日に仕上がってくるので引き取りに行きます。 お楽しみにお待ちいただけると有難いです。 どうぞよろしくお願いいたします。 もっと見る