バシェ音響彫刻~ 音の軌跡を未来につなぐプロジェクト ~このプロジェクトの旗印となる、こちらのキービジュアル。デザインしてくれた「泉屋宏樹」さんからのメッセージを紹介致します。<デザインの未来について>デザイン、という言葉の意味はとても広く、意匠設計、創意工夫、見た目を美しくする、芸術工学など曖昧です。意味や捉え方は様々ですが、言い方を変えると、時に形あるものだけではなく、未来をデザインする活動ではないでしょうか。また時代が大きく変動した今、デザイン×アート×経営のように掛け合わされる事を求められ、その中で柔軟に問題を解決するのもデザイナーの役割だと思います。デザイン事務所iD.(アイディー)として独立し12年。アイデンティ(独自性)を意識したものづくりを目指すことと、私のデザイン、という意味からから名付け、常にデザインやアートを横断的に捉え、社会との接点をつくるよう心がけてきました。また家業の呉服店の経営にも携わり、デザインとの新しい接点を模索しているところです。根本として大切なのは怠惰的な消費拡大をせず、必要なものを必要なだけ生産するものづくりを心がけ、ものだけではなくコトを創り出す。また五感を揺さぶるような、そこにしか存在しないワクワク感や感動を提供し、心を豊かにすること。でも、実はデザインはそれほど難しいことではなくて、身近にいる誰かを少しでも笑顔にすることも大切なデザインの活動のひとつなのでは、と。みんなで、そんな未来をつくれたらいいですよね。<デザインコンセプト>1970年の万博を尊重しつつ「過・現・未」一体として制作しました。五感を揺さぶるバシェ音響彫刻品。より多くの方々に体感していただければ嬉しいです。泉屋宏樹(いずみや ひろき)デザイン事務所iD.代表。デザインとアートを横断的に捉え、広告デザインをはじめブックデザイン等、幅広く展開。近年、泉鏡花記念館のシンボルロゴやイラストレーター中川学氏装画による鏡花本や初作品集の装幀、アートディレクションを担当。アジアデザイン賞(2013.17/香港)、A’Design Award & Competition(2019/イタリア)、Indigo Design Award(2020/オランダ)受賞、他多数。<泉屋さんとの出会い>2010年に泉屋さんとお会いして、かれこれ10年。その間、泉鏡花作品の書籍化などの様々なクリエイティブワークを拝見し、その丁寧な仕事ぶりと情熱を度々目の当たりにしていました。いつも打ち合わせでお邪魔する泉屋さんの事務所は、1970年の大阪万博に関連する書物やポスター、オブジェなどが飾られており、「万博好き」だと一目で分かるレイアウト。会話の中でも、随所に「万博」のキーワードが上がっていました。かつて万博が、グラフィックデザイナーの地位を確立したように、このバシェ音響彫刻の企画が上がった時、常に新しい音を生み出している「バシェ音響彫刻」を現代のグラフィックデザイナーが表現したら一体どういうものになるだろうか。「音が聞こえてくる」バシェ音響彫刻のグラフィックを見てみたい。そんな想いで、この企画のメインビジュアルを依頼させて頂きました。by 青木香(N.U.I.project)