実施理由/背景
住み慣れたまちで安心して暮らしたい
高齢になっても、誰もが住みなれた地域で、安心して暮らしていけるよう、地域包括ケアシステムの構築が求められており、当市においても、その構築・実現に向けて取組んでいるところです。しかし、市内の医療機関での医師不足は深刻で、外来・入院等の診療を制限せざるを得ない状況が続いています。
現在、いなべ市の地域医療は三重県厚生連が運営する「いなべ総合病院」が市民病院の役割を担っていますが、近年、医師の減少が続いており、特に内科医師については、最大で11名いた医師も3年間で3名に減少するなど、救急医療をはじめとする地域医療の存続が難しくなってきています。
また、いなべ総合病院以外の総合病院(桑名市・四日市市)へは、車で40分から1時間ほどかかるほか、公共交通機関が少ない中、特に高齢者においては通院が困難な状況になっています。さらに、市内の開業医も高齢化が進み、後継者不在のまま廃業されるケースも多くなっています。
プロジェクト内容説明
地域医療をふるさと納税で応援
医学系大学には研究教育振興のために寄附を募り、その資金を活用して研究教育を行う「寄附講座」という制度があります。
地域医療の状況や疾病構造、患者ニーズといった地域の医療課題を考え、地域包括ケアシステムを実現していくために、いなべ市では近隣の大学医学部に地域医療研究を目的とした寄附講座の立ち上げを依頼し、平成31年度から「寄附講座」を設置していただきました。いなべ総合病院を研究教育の拠点とすることで、結果、いなべ総合病院に医師が増え、いなべ市の地域医療を守ることにつながります。
また、このプロジェクトは日本初の試みで、全国的に問題となっている医師の偏在を解消すべく、いなべ市から地域医療をふるさと納税で守る仕組みを発信していきます。
目指すところ
地元の病院は、地元の住民で活性化させる。
いなべ総合病院は、医師の不足が最大の課題となっていますが、看護師・薬剤師をはじめとする医療従事者は充実しており、この取組を通じて、いなべ総合病院が継続して地域医療を提供することが可能となります。
また、内科における外来・入院の診療制限がなくなれば、現在 遠方の病院への通院を余儀なくされている患者の負担は相当軽減されるほか、地域の方々が安心して生活できるよう、救急医療も充実することができます。
さらに、地域医療研究教育部門を継続することは、大学にとっても研究教育現場の拡大につながることから、大学・市・病院のそれぞれにおいて大きなメリットがあります。
このことから、地元の病院を地元の住民で活性化させることを目指します。
寄付の使い道
平成31年度に名古屋市立大学及び三重県厚生農業協同組合連合会との間に締結した「寄附講座の設置に関する協定書」に基づき、設置した「寄附講座」で実施するいなべ市を中心とした桑員区域及び北勢医療圏における地域医療の状況や疾病構造、患者のニーズ分析、地域包括ケアシステム実現に必要な病院機能や地域医療ネットワーク構築の研究に要する費用に活用します。
自治体からのメッセージ
いなべ市民もふるさと納税で支援できます。
全国の市町にある「市民病院」の多くが膨大な赤字を抱える中、昔から北勢地域で不採算度合いの高い救急医療を行っているいなべ総合病院が「医師不足」という苦境に陥っています。
病院での診察が適正に行われ、少しでも待合時間が短くなるようにいなべ市は「公的病院」の立場を堅持するいなべ総合病院に出来る限りの支援を行います。
どんなに立派な病院施設があっても・・・。どんなに優秀な病院スタッフがいても・・・。そこに「医師」が居なければ、いなべ市の「地域医療」は成り立ちません。いなべ総合病院は「地域医療をふるさと納税で応援」のスローガンの下、地域医療を守るため職員が一丸となって日夜戦い続けています。
いなべ総合病院は「JA三重厚生連」の病院ですが、実質的には「市民病院」です。皆様のご支援が未来の地域医療を守る手助けになるのです。どうか「ふるさと納税」にご協力いただきますよう、よろしくお願いします。
事業スケジュール
9/3(予定):(1)自治体広報誌:10月号(予定)に掲載予定
10/1(予定):(2)自治体ウェブサイトにて広報PR開始
10/1(予定):(3)FMいなべにて広報PR開始
市広報誌、市ホームページ、FMにて周知を行っていきます。