実施理由/背景
貴重な民俗文化の継承と情報発信を行っていきます!
諏訪神社の「ヤマメ祭り」は、この地で古来より行われてきた焼畑などを現代に伝える民俗文化であり、これは人から人へと受け継がれるもので、途絶えてしまえば取り戻すことができません。しかし現在「ヤマメ祭り」は後継者不足や衣装、道具の老朽化などから廃れつつあり、今保存や継承に取り組まなければこの貴重な山村文化が失われてしまいます。
また、「ヤマメ祭り」を継承していくためには、多くの人々に「ヤマメ祭り」を知ってもらい、諏訪神社を訪れてもらうことも重要となりますが、一方でユネスコエコパークである「井川」では、自然と共生した文化の継承や発信が重要となります。「ヤマメ祭り」の継承とともに諏訪神社の参道を整備し、雄大な南アルプスの風景と調和した桜並木とすることで地域の魅力を高めていきます。
プロジェクト内容説明
民俗文化財「ヤマメ祭り」の継承と桜の参道づくり
このプロジェクトでは、3年間をかけて静岡県指定無形民俗文化財である諏訪神社の「ヤマメ祭り」を継承するための人づくりや衣装などの修繕、情報発信などを行います。「ヤマメ祭り」に関わる焼畑による粟の栽培や神社に奉納する「ヤマメずし」づくり、神楽などを伝えていくため、老朽化した道具や衣装の修繕、行事の記録、子どもたちや村人会への伝承などを行っていきます。
また、神社の参道を整備し、春には雄大な南アルプスとともに景観を楽しむことのできるよう桜並木をつくります。
諏訪神社までの参道の雑木や草を処理して桜を植えるとともに、多言語による表示板の設置、パンフレットの作成などを行い、自然と共生する井川をPRしていきます。
これらの取組みにより、井川の魅力を高め、さらにその魅力を発信していくことで、国内外から多くの方に井川を訪れていただきたいと考えています。
諏訪神社の紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=cqiY_dJxMj8&feature=emb_logo
静岡県指定無形民俗文化財「ヤマメ祭り」とは
井川では、古くから広大な山々を利用した大規模な焼畑農耕が行われてきました。諏訪神社の「ヤマメ祭り」は、そうした暮らしの中で営まれてきた山村文化を象徴する民俗行事です。
お祭りでは、「ヤマメずし」が神に献じられますが、この材料となる粟は、今も焼畑によって栽培されます。また、ヤマメ(アマゴ)も明神谷という神聖な場所で魚釣祭りと呼ばれる儀式によって釣り上げたものが使われます。
ヤマメの腹にアワを詰めた「ヤマメずし」は、夕刻に諏訪神社の神前へ献じられ、神楽などを奉納した後、翌日、氏子に振舞われます。
ヤマメ祭り紹介動画 https://www.youtube.com/watch?v=mKtmNDKWc0M&feature=emb_logo
目指すところ
自然との共生を考えた地域活性化がこれからの指針に!
南アルプスの麓で古くから綿々と受け継がれてきた山間部の民俗文化を未来に継承していくことは、それ自体とても重要なことです。
そして、南アルプスの大自然に囲まれた「井川」では、その環境を活かし、守り、発信していくことが不可欠です。
本プロジェクトを実施することで、「ヤマメ祭り」を多くの若者、子ども達に引き継ぎ、将来にわたって継続させていくとともに、雄大な南アルプスと調和した美しい桜並木を国内外の大勢の方に楽しんでいただきたいと思います。
これが、生態系の保全と持続可能な利活用の調和を掲げるユネスコエコパークの理念のもとで、自然との共生を進める「井川」のまちづくりの指針となっていくと考えています。
寄付の使い道
いただいたご支援は以下の用途に活用させていただきます。
(1)道具、衣装の修繕
(2)ヤマメ祭りの動画による記録
(3)焼畑、種まきの実施
(4)魚釣祭り、ヤマメずしづくり
(5)参道整備・桜の植樹
(6)多言語パンフレットの作成
(7)多言語看板の設置
※今回は1年目(令和3年度)の活動として、上記の活動についての寄附を募集いたします。
自治体からのメッセージ
静岡市はこのプロジェクトを応援します!
市民ニーズが多様化・複雑化し、行政だけでは地域課題に対してきめ細かく対応することが困難な状況にある中、地域に住む方々が自ら課題を解決していこうとする自治会・町内会の活動は、社会に欠かせない存在となっています。
しかし、自治会・町内会の活動は、その資金調達が大きな課題となっていたことから、今年度より地域団体が行う公共性の高い事業を対象として、ふるさと納税制度を活用した支援を行うこととしました。
貴重な山村文化の継承と新たな魅力づくりを実現するこのプロジェクトにより、静岡市内外の多くの方々に、ぜひ井川を訪れていただきたいと思います。
長期的な視点に立ち、自然との調和を考慮した地域活性化の取組みが、井川にとどまらず、今後の地域振興の指針となることを期待しています。
静岡市は当プロジェクトを応援します。
皆様の温かいご支援をよろしくお願いします。
静岡市長 田辺 信宏
団体紹介
井川自治会連合会について
静岡市葵区の井川地区は、南アルプスの大自然に囲まれ、その自然を守り、共に生きる人々によって受け継がれる貴重な歴史・文化が残る地域です。2014年には井川地区を含む南アルプスがユネスコエコパークに登録され、世界的にもそれらの価値が認められています。
井川自治会連合会は、環境整備、防災、福祉などの暮らし全般に関わる活動はもちろんのこと、地域のイベントなどを通じて、これらの自然や伝統を後世に伝えるべく日々活動しています
事業スケジュール
令和3年5月:○小物、衣装修繕
令和3年5月末:○焼畑、種まき
令和3年8月下旬:○魚釣祭り、ヤマメずしづくり ○ヤマメ祭り、神楽 ○記録作成
令和3年10月~12月:○参道整備、桜苗木の植樹 ○パンフレット作製 ○看板設置
令和3年11月:○粟収穫
1年目となる令和3年度は、「ヤマメ祭り」を継承していくため、道具や衣装の修繕を行うとともに、焼畑から「ヤマメずし」の振舞いまでを動画により記録します。また、諏訪神社までの参道約100mの雑木処理や草刈りなどの整備を実施し、桜の苗木を100本植樹します。