●はじめに【学生×伝統産業】町家再生プロジェクト 八女の自然と町並みを守る店舗を作りたい!に、60名以上の皆さまに、ご支援いただきありがとうございます。プロジェクトリーダーの中村です。ボクたち「八女のいいとこまもり隊」のメンバーは、 皆さまの温かい応援メッセージに、より一層頑張っていこう!と日に日に士気が高まっています。引き続き応援よろしくお願いします。●竹林整備をやる理由今回はこのプロジェクトを立ち上げるきっかけともなった竹林整備についてお話しします。ボクが勤めている会社は「八女すだれ」という伝統工芸のすだれを製造しています。素材は「竹」。「竹」なんてどこでも生えてるし、すぐ手に入るんじゃない?そう考えるのが普通。でもそんなことないんです。「竹」は確かにどこでも生えてるし、すぐ育つ。だからこそ、デメリットもあるのです。いま各地にある竹林のほどんどは、生えすぎて荒れ放題なんです。「竹害」なんて呼ばれて厄介者扱いされているのが現状です。「竹」の根は地下茎でつながっており、根付きが浅く、横に広がるように繁殖していきます。そのため、他の所有地への侵食被害や、土砂崩れや地滑りの原因にもなっています。定期的な伐採をしていく必要があるのです。「八女すだれ」の原料となる「竹」も3年から5年育った良質な物でなければなりません。そんな良質な「竹」が手に入らないんです。山口 聖一さん(NPO法人がんばりよるよ星野村)『かつて、有明海の海苔業や日本の伝統工芸を支えてきた星野村の真竹は、今はなんの需要もないまま放棄されています。皆さんの新たな取組の中で、竹の持つ魅力や放棄竹林の現状を発信していただきたいと期待しています。』山口さんは応援コメントでこうおっしゃっています。昔は、竹の使い道がたくさんありました。有明海の海苔漁では、8~10mほどの竹を数千本使用していました。竹皮も草鞋や雪駄に使用されていましたし、竹細工や提灯やすだれなどの工芸品の製造も盛んでした。しかし、いまではほとんどが化学製品におされて需要が低迷しています。使い道がなくなった「竹」はお金になりません。一度なくなってしまったものを取り戻すには大変な労力がかかります。そんな中でも、山口さんたちは、ボランティアで竹林整備をされています。参加者のほとんどは60代から70代の方たちばかりです。実際に自分たちで竹林整備をしてみると、かなりの重労働であることを実感します。10mを優に超えた「竹」は多くの水分を含み、重い。長くて重いのです。これを斜面で伐採し、運ぶのは体力的にしんどい。でも誰かがやらなきゃ、竹林は荒れるばかり。荒れてしまえば、災害の危険が高まり、いづれは自分たちに返ってくる。そんな現状なんです。だから、ボクは大学生と一緒にプロジェクトをやることにしたんです。体力のある若者と一緒に竹林整備をやっていくことで、もっと自然溢れる八女の魅力を守っていけるんじゃないかと。●「竹」を有効活用し「竹財」へ前述した通り、現状「竹」がお金になっていない。そこがやっぱり問題だと思うんです。だからボクはお店を作ろうと思った。「竹」の消費を高めていくことなら、自分の経験と知識が活かせる。でも「すだれ」自体は「竹」の表面的な部分しか使用しないし、竹林問題を解決できるほどの市場は見込めません。なので、今回のプロジェクトで開業する「天然素材インテリアショップ」では「竹製品」を数多く取り揃えることにしています。《竹箸》熊本県南関町「ヤマチク」さん《竹洗剤》山口県防府市「エシカルバンブー」さん《竹家具》岡山県倉敷市「テオリ」さんどの企業さんも「竹」を循環していこうという同じ想いをお持ちです。そんな企業さんの「竹製品」を販売することで「竹」の消費量を増やしていきます。そして、その売上の一部を竹林整備費用に充てたり、竹林整備ボランティア団体に寄付していきます!八女地域においても、竹の活用に取り組む方が増えてきています。そんな方々とも連携していき、地域の「竹」を地域で消費する流れも作っていこうと考えています。●さいごにこのプロジェクトを通して、改めて人とのつながりの中で生きていることを実感しています。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、会いたい人に会えない状況が続き、このプロジェクトを知っていただく機会が少なくなってしまったなと、気落ちしていた部分も正直あります。しかしながら、こうしてご支援をいただいたり、応援していただいたりと、温かい言葉を頂くたびに、やっぱり人とずっとつながっていきたい!と改めて思いました。お店ができたら、色んな方々をつなぐ場所にしていきますので、引き続き応援よろしくお願いします!八女のいいとこまもり隊一同