ご覧頂きありがとうございます。
書人の小田 静聴氏にご協力いただき一部リターンに含まれる「感謝状」の題字をしたためて頂きました。コメントも頂けましたので掲載させて頂きました。
※「書人」=「書家」と並ぶ日本での正式呼称
【書人 小田 静聴氏からのコメント】
「#DONXCUP」だと「丼」と「杯」?
「感謝状」の題字とは離れてしまいますがちょっと書いてみますね。
おもしろい、なんかかっこいい、「DON」「CUP」いいですね。
最近はいろんな事にトライアルしていて、いろんな文字を書いていこうと思っているんです。
道場で子供達から「お習字って何を書いてもいいの?」と聞かれるんですが、何を書いてもいいんだよって教えているんです。
道場で教える時に子供達が好きな言葉を書くようにしてもらっています。
「リクエスト手本」といって好きなキャラクターのセリフや名前などを子供達が自分で選んだ言葉を、お手本に書いてあげているんです。
今流行しているキャラクター作品には難しい漢字が多く使われていますが、お手本を用意してあげると、それを参考にして子供達が凄く楽しそうに、とても生き生きとした文字を一生懸命書いてくれて、素晴らしい文字を書きあげてくれるんです。
お習字は先ず文字を書いてもらうという事が凄く大事で、それを習慣的に行なってもらえています。
子供達に用意するお手本でカタカナやローマ字など様々な文字を「書」にするとカリグラフィーとはちがう文字の可能性がたくさんあることを感じます。
美しい線を書くため古代からの長い時間を受け継がれ今の書道があるので、絶対美や本質は絶対に外さず、絶対の美を決めてもいけない、偶然に美しく書けたり、同じように書いてもうまく書けなかったり、自分の想いを超えた瞬間に良い書が生み出される事が多々あって、そういった日々のなかで良い物を生み出していると思っています。
「#DONXCUP」が「国内製造」している事へのコメント記事(活動報告)にはとても共感を感じました。今、円安で30年前の通貨価値になってしまっているといわれています。海外に持っていかれてしまっている、元々日本にあったすばらしい技術などを、そろそろ日本国内でやって行ける状態に切り替えて、国内に残すようした方が良いのではと思っています。
書道でも墨、筆の中国生産品ですら少なくなり、業者も無くなってしまって、大変な状況なんです。和紙なども高価なものでもどんどん質が悪くなってしまっています。
子供達が今お習字で使っている硯はプラスチックになっていて、墨汁をつかうのがあたりまえで墨を硯で摺る事を知らない状態なんです。
道場では墨を硯で摺ることで、良い香りを感じられ、心が落ち着くんだよと教えると、子供達は必ずプラスチックの硯で一生懸命に墨を摺てくれています。
「五感で感じる事」「日本の文化」はとても大事な事とおもっています。
私には父母から教え受け継いだたくさんの書道の財産があるので、それを伝え護っていくことが使命と思っています。
「書」には「墨をつけたら早く」「枯れたらゆっくり」というのがセオリーにあります。
筆は360度使える道具で、そういった事が書き終えた「書」に現れるので、墨のにじみで文字がつぶれてしまっていてもそのものを見ると解るんです。
そういったことが印刷では解らなくなってしまうので「書」の実物を見ていただきたいと思っています。近年は「書」の小規模な展示イベントなどにも力を入れて活動をしています。
機会が有れば是非多くの方にそういったイベントなどに足を運んで頂きたいですね。墨と筆の文化を大事にしていって欲しいとおもっていますので、父母から受け継いだ書道会を頑張って続けて行く事で、書道の本質の美意識を伝えて行きたいと思っています。
【小田 静聴(おだ・せいちょう)氏 プロフィール】
■小田 静聴(おだ・せいちょう)本名三千子
1965年東京生まれ。國學院大學文学部史学科卒。博物館学芸員資格取得
幼少期より父・小田静虚、母・小田芙雪のもとで書を学ぶ。
2004年より自身創設稽古場「三千庵」(東銀座)主宰し、2015年より両親の創設した書道研究・静旭会(北千住)を二代目として主宰し、書道教授、書作をおこなう。
高風会全国書道展にて、東京都知事賞(2016年)文部科学大臣賞(2020年)受賞
高風会同人(審査員)。墨田区役所書道部顧問。
現在は、北千住・東銀座教室にて、幼年から成人、日常書から展覧会作品制作まで、それぞれの個性に応じた書道指導を行っている。コロナ禍の現在はリモートや通信での指導も行う。
そのほか書展覧会の企画・プロデュースや企業ポスター・パンフレット題字の揮毫も行い、書道・筆文字の美しさや魅力を広く普及する活動に力を注いでいる。
・Instagram: @seicho.ushimaru.meshiko
・Email: mck13.mi8cha@gmail.com
■書活動歴
1997.3 父小田静虚個展「隅田川詠詩選」企画・プロデュース2004.11
東京都中央区東銀座に書道稽古場「三千庵」創設2014.8 母小田芙雪逝去に伴い書道研究・静旭会学生部教室を継ぐ。
2015.9 父小田静虚逝去に伴い書道研究・静旭会を継ぎ二代目として主宰
2016.2 東京都知事賞受賞(第65回高風会全国書道展 於:上野・東京都美術館)
2017.11 小田静虚・芙雪遺墨展「隅田川詠詩選ふたたび…」主催・企画・プロデュース
2020.2 文部科学大臣賞受賞(第69回高風会全国書道展 於:上野・東京都美術館)
2021.2 高風会同人推挙(第70回高風会全国書道展 於:上野・東京都美術館)
2022.2 第36回書壇受賞に輝く作家展出品 於:セントラルミュージアム銀座
2022.3 若手作家と「墨で描く万華鏡」展主催・企画・プロデュース
於:神田猿楽町カフェ on a slow boat to…
2022.3 第38回最高賞作家ミニ作品展出品 於:東京銀座画廊・美術館
■今後の予定
2022年9月2日~6日 第51回高風会選抜展@大宮・ノースギャラリー
2023年2月 第72回高風会全国書道展@上野・東京都美術館
貴重なコメントを頂き誠にありがとうございます。
「書」についていろいろなことを伺えて大変勉強になりました。
「#DONXCUP」を通じて「書」という日本の文化を護る活動をしている方と接する機会を頂けてとても貴重な経験をさせていだきました。ありがとうございました。
より多くの方に「#DONXCUP」をお贈りできると幸いに思っています。
支援者募集期間も残りわずかな期間となりましたが、
ネクストゴール目標達成に向け出来る限りの活動を続けて参ります。
引き続き応援よろしくお願いいたします!