私自身(山口豪志)の話になってしまいますが、私は昆虫博士になりたい少年でした。そして、その気持ちをもったまま、21歳まで大きくなりました。大学も研究室も卒業研究の内容も、全て昆虫博士になる為に選んだ進路でした。ただ、その道を途中で辞めて、私はビジネスの世界に来ました。理由はシンプルに、お金の問題です。一家の大黒柱である親父が亡くなり、理系の大学院(マスター2年、ドクター3年)の5年間を経て独力で研究者になる自信も、それ以降の仕事の見通しも立たなかったからです。私自身の21歳以降の歩みはこのアナザーライフというメディアに詳しく語っています。(30歳の頃のインタビュー記事)昆虫博士になるやつを応援するのが僕の夢。虫採り少年と、父の死と、ベンチャーと。結局、幼心に抱いた昆虫博士になる、という幼少期からの夢は叶いませんでした。ただ、違う形で昆虫研究や自然との向き合い方ができる面白い環境に今います。現在は投資家であり、事業家であり、今回は雑誌の発行人として関われています。そういう、一見関係なさそうな、当初は想像も付かないような人生の歩みをしてこれたことを今振り返ると、少しの気恥ずかしさと半生での数多くの苦労に裏打ちされた多少なりともある自信とで神様がいるならば、その神様に感謝したい、面白い人生のストーリーを用意してくれたんだなってぼんやりと温かい気持ちになります。雑誌『THE RACE』の紙面上での記事のイメージと情報量を知ってもらうため、全文公開してる唯一の記事は、こちらの昆虫を愛してやまないお二人の対談です。おふたりの年齢差は約50歳もあるのに、とってもフラットな対談となりました。そして、ご両人の昆虫に対してのピュアさと情熱、直向きさに私は取材途中に涙ぐむほどに感動しました。昆虫好きに悪い人はいませんね(笑)無限の虫たちの世界から100年後の地球が見えてくる 昆虫写真家 海野和男氏×昆虫標本作家 福井敬貴氏人生は、色んな経験や実績が振り返るとつながって線になっている。本当に “connecting the dots” だな、と。スティーブ・ジョブスは、本当に良いこと言いますねwスティーブ ・ジョブズ・スタンフォード大・卒業式スピーチ・2005年