ウクライナの学生たちに、学習・研究の機会を届けたい
報道などで知られております通り、今年2月に始まったロシアによる一方的なウクライナへの軍事侵攻は今なお続き、日々、激しい爆撃、戦闘が続いていることがメディアなどを通じて伝えられています。ウクライナでは1000万人をこえる方が自宅を離れたと見られており、多くの人々が、ウクライナ国内に限らず近隣諸国への避難を余儀なくされています。
軍事侵攻の影響で、ウクライナでは学業を継続できない学生が数多く出てきています。厳しい状況下で学ぶことが難しくなった学生たちのため、私たち東日本国際大学(総長:吉村作治)では、ウクライナの学生たちを受け入れ、支援するためのプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトは、本学「留学生別科」の授業料を免除するとともに、学生寮などの宿泊施設を提供するというものです。5月31日現在、すでに60名を超えるウクライナ学生からの問い合わせがあり、このうち20名ほどの学生を受け入れる計画です。すでに3名の留学生がいわきに入りました。この6月から、ウクライナからの留学生が続々と本学で学び始めます。
一方、本学の支援プロジェクトだけでは、ウクライナからの留学生たちの「生活費」までも包括的にサポートするのが難しい状況です。そこで今回、いわき市内外、福島県内外の皆さんからご寄付を賜りたく、クラウドファンディングにチャレンジいたしました。皆さまからのご支援はすべて、学生たちの生活費・生活支援のために使わせていただきます。
東日本大震災を経験した私たちは、復興には長期的な視野、若い世代の活躍が欠かせないことを学びました。近い将来、ウクライナの復興が始まったとき、その現場で活躍するのはやはり若者たちです。ウクライナから離れたこの日本で、安全な生活と必要な知識を学ぶ場を提供することは、ウクライナの再建にも重要な支援だと考えています。
基本的には「寄付型」のプロジェクトと考えており、リターンにつきましては、「お礼状」と「寄付金領収書」のご送付のみとさせていただきました。他のクラウドファンディングのような魅力的な商品はございませんが、ウクライナの学生たちが来日しましたら、学生寮だけでなく、日本人と同居するホームステイを取り入れたり、学生たちとの交流事業を催したり、さまざまな展開を考えています。
そのためにも、まずは皆さんからのご支援を活用し、学生たちが安心して暮らせる生活をつくる。このことを第一に考え、プロジェクトを進めて参ります。現在は、受け入れ自治体となるいわき市とも協議を進めており、内田広之市長からも、賛同・応援頂いています。内田市長からのメッセージも、併せてご紹介させていただきます。
地元の皆さまからも、すでに支援をいただいております。
いわき市様及び広野町様から、本学のウクライナ学生受入れ事業に対する支援表明があり、広野町様からは教育プログラム共同事業のご提案をいただきました。また、株式会社マルト様からは、ウクライナ学生が学生寮で使用する家電製品、寝具類、台所用品などのご寄附、国際ソロプチミストいわき会長鈴木様から通学などに使用する自転車20台のご寄附をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
いわきで学んだ学生たちがウクライナの復興を担う。それは、私たちが経験したものがウクライナにも引き継がれ、国と国とを超えた新しいつながりになるということも意味しています。かつて世界中の人たちから寄せられた支援で復興を成し遂げたいわきで、さらなる支援の輪を広げ、若者たちの学ぶ場を提供するプロジェクトに、どうぞ皆さまのお力をお貸しください。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
東日本国際大学とウクライナの結びつき
今回の支援プロジェクトには、きっかけがあります。東日本国際大学復興創世研究所が主催し、2018年に開催された「福島・チェルノブイリ・スリーマイルアイランド国際シンポジウム」です。チェルノブイリ、スリーマイル島の原子力発電所事故を教訓に、原発災害を乗り越えた地域社会を展望しました。その際、ウクライナからも4名の科学者が参加。議論や交流を重ねたことが下敷きとなり、今回のプロジェクトにつながっています。
もちろん、地震と津波、原発事故、軍事侵攻とでは、置かれている状況も原因も、なにもかも異なりますが、ふるさとが破壊され、家族や友人、ふるさとを喪失した悲しみに、私たちは寄り添うことができると思います。そしてこれから始まる「復興」に対しても、私たちは、さまざまな形で、支援・応援することができるはずです。
本学には、「行義以達其道(義を行い以って、其の道に達す)」という建学の精神があります。孔子の言行録『論語』(季氏編第十六)に記されている言葉です。「義」には「正義」「人として生きるための思いやり」「信頼」などの意味が含まれています。どれほど高い理想を持っていたとしても、人の道を行わなければ目的を達することはできない。そのような教えです。
いま、ウクライナの惨状を見て、多くの人たちが、彼らのためにできることはないか。直接、ウクライナに赴くことはできなくとも、なにか手を貸せることはないのかと感じていらっしゃるのではないでしょうか。その素直な思いにも「義」は宿っているはずです。今回のプロジェクトは、「義」という東日本国際大学の建学の精神に則ったものでもあります。
支援プロジェクトの概要
本学では、今年5月に支援チームを立ち上げ、教員や関係者と協議を重ねてきました。そして、以下のような支援プロジェクトを発表し、先日記者会見を行ったところです。
支援内容
・留学生別科の授業料免除
・学生寮などの宿泊施設の提供
・国際部を中心とした日常生活面のサポート
・日本財団への支援費の申請(渡航費、生活費など)
本学は、国際大学という特徴から留学生を多く迎えており、「別科」による日本語教育を行う体制を整えています。この別科の授業料を免除いたします。また、本学の敷地内には、学生が宿泊できる学生会館を備えており、留学生の生活拠点として、この学生会館を活用していきます。また、留学生支援に実績を持つ国際部のスタッフを中心に、日常生活面をサポートしていきます。
留学生はすでに来日し始めており、5月21日に1名、27日に1名、28日に2名の計4名がそれぞれ来学し留学生別科に入学しました。入学したのは、ダリア・スツジンスカさん(24)、アロナ・フロイア・アクロアさん(21)、ディミトロ・ダビシーイさん(19)、マキシム・クセンコさん(20)の4人です。
このうち3人が記者会見に臨み、「日本での学びを深め、母国と日本と世界を結ぶ架け橋になりたい」と抱負などを語りました。ディミトロさんは「悪夢だった。勉強したくてもできない。私たちの機会が戦禍ですべて失われた」と話し、いわき市について「景観がとても美しい」と印象を語りました。
ダリアさんは「日本にいるのが夢のよう。東日本国際大学をはじめ、関係する皆さまに心を込めて感謝の気持ちを伝えたい」と声を詰まらせながら話し、「ウクライナの文化も広く発信したい」と抱負を述べました。日本人の祖父を持つマキシムさんは現地の大学で国際経済学を専攻し、「世界の金融機関と連携する役割を担いたい」と決意を述べ、「将来的には日本での起業も考えたい」と前を見据えました。
6月以降も、ビザを取得次第順次ウクライナ学生が来学する予定です。もちろん、支援が多く集まればそれだけ多くの学生を受け入れられますが、そもそもの定員もあり、他国からの留学生もおりますので、当面はこの20名程度を目標に、ウクライナの学生たちを受け入れていく予定です。
5月31日現在、60名を超える問い合わせがあり、24名から東日本国際大学留学生入学願書が提出されました。この24名については、現在ウクライナおよび近隣国日本国大使館に対して、日本入国のためのビザ申請をおこなっている状況です。学生からは、「日本がこのような支援事業を実施してくれてうれしい」「日本語や日本文化にとても興味がある」「ウクライナの不安な状況から脱して、平和な日本で学びたい」という声が寄せられています。
一方、本学だけでの支援には限界もあります。留学生たちの生活費の支援がまだ十分ではありません。そこでみなさんからご寄付を募り、ウクライナ学生たちの生活費に役立てたいと考えました。目標額は300万円です。皆さまからのご支援は全額、学生たちの生活費や、生活必需品の購入費などに役立てる予定です。具体的なスケジュールとしては、今年9月から、学生たちに生活費として支給を始めていきます。
今回、いわきにやってくることを希望している学生たちは、いずれも学ぶ意志が強く、日本文化への関心もあり、また当然ながら、ふるさとへの思いも強く持っています。復興を果たしたいわきでの学びを、ウクライナ復興の力にしてもらえたら、これほどうれしいことはありません。どうぞ皆さまのお力をお貸しください。よろしくお願いいたします!!
<寄付型プロジェクト>
本プロジェクトへのご寄付は本学への寄付となり、
本学が寄付金の受付および領収証発行を行います。
このプロジェクトの寄付は寄付金控除の対象になります。
「寄附金控除」をお受けいただくためには、
確定申告の際に、本学が発行した領収証をもって
確定申告をしていただく必要がございます。
※領収証はCAMPFIREではなく当団体が発行・郵送いたします。
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