実施理由/背景
懸命に生きる小さな命がいくつも途絶えていることを知ってください…
「野良猫が納屋で子猫を産んだ!引き取って処分してくれ」「子猫を山に捨てた」などの命を軽んじる言葉、「えさやりが近所にいて猫が増えた。注意してくれ」「野良猫が糞尿を家にするからうとましい」などの猫の存在を否定する言葉や、えさやりさんへの苦情が、「またか」と思わせるほど保健所や市に寄せられます。そこに存在するのは、なんの罪もない猫たち。相談件数から考えても、現在三豊市では毎年約700匹もの野良猫が誕生している可能性があります。それらの猫達の多数が子猫のうちに死に、成長しても3~5年で病気や事故で亡くなっています。
猫は、「不妊去勢手術をしないままエサを与え続ける」ことで、少なくとも年に1~2回、4~5匹の子猫を産み、あっという間に数が増える特徴があります。不妊去勢手術代は病院により異なりますが、オス猫で1万円、メス猫で2万円ほどが相場です。この費用が高額で、猫の数が多いことが、手術が進まずさらに不幸な野良猫が増え、地域のトラブルに発展していると思われます。そこで、三豊市を居場所とする人と猫が共生できる居心地のよいまちを目指し、「三豊市野良猫等のTNR活動費補助事業」への取り組みをスタートしました。
プロジェクト内容説明
みとよ愛され猫育成プロジェクトの内容
具体的に次のような取り組みを行うことで、「子猫を産む⇒増える⇒猫のトラブルが発生する」の繰り返しを防ぎます。
これにより「猫に困っている人」と「猫をかわいそうに思いえさをあげたい人」お互いが納得できる形で問題解決に向かうことができます。
(1)野良猫の不妊去勢手術費用の補助
(2)多頭飼育崩壊現場で、飼育放棄されているとみなされる猫の不妊去勢手術費の補助
(3)病気の猫や子猫など、保護が必要な猫に対する保護中の医療費と消耗品費の補助
(4)市民へのTNR活動の啓発、手術後の猫の見守りに対する理解を深める講演など
(2)は、飼い主の責任でもありますが個人の力だけではどうしようもない状況です。周囲に悪臭等の被害があり衛生面でトラブルになったり、多くの猫が病気で苦しんでいるため対象とみなすことがあります。
TNR活動やチラシの配布、治療のための通院、譲渡会の開催等、日々様々な形で動物達の命を救ってくださり実践的な知識をもつボランティアさんと、多くの犬や猫に関する相談を受け、獣医師としての専門的知識をもつ保健所職員さんと協力してプロジェクトを進めます!
TNRボランティアとは?
TNRとは、野良猫を捕まえる(T:Trapトラップ)⇒不妊去勢手術をする(N:Neuterニューター)⇒元居た場所に戻す(R:Returnリターン)の頭文字をとった活動です。
三豊市では、本事業を行うにあたり、「一般枠」と「ボランティア枠」を設けます。ボランティア枠は、TNRボランティアとして市が認めた方(猫をはじめとした動物愛護に関する知識を有し、実際にTNR活動を行ったことがあるなど、様々な要件を満たし、猫にとって安全に活動ができるとして市が認めた方)に対して、年間の申請上限数は設けず、さらに「医療費」と「消耗品費」をも補助します。
TNRは、望まれない出産をなくすことで、不幸となる猫が増えないために最も有効な手段です。
手術済の証として、耳先をV字にカット(さくらの花びら型)します。
野良猫を排除するのではなく、人と同じ命あるものとしてとらえ、手術により頭数を管理することで、これ以上数を増やさず、一代限りの命を全うさせることを目指します。
目指すところ
「補助金を出して終わり」ではなく、「地域で猫を見守る活動の普及」へ
単に「手術して終わり」ではなく、手術後の地域や家庭、猫の様子にも目を配る、アフターケアも大事にします。
人間の勝手で避妊去勢手術をした猫達は、元の場所に戻してその地域の人たちにごはんをもらったり、病気になっていないか気を付けてもらったりしながら、暖かく見守ってもらい、愛され猫として一代かぎりの命を幸せに生きてほしいと願います。
そのために、市民に対してTNR活動の趣旨や内容、猫の生態について広く周知し、えさやりやトイレの管理をすることの重要性を理解してもらい、地域全体で野良猫を温かく見守ることができる社会(=地域猫※)になることを切に願います。人も猫も「居場所」を奪われるのはつらいことです。
三豊市を居場所とする猫が「迷惑猫」から脱却し「愛され猫」になることを目指します。
※地域猫とは、地域住民の合意のもと、地域住民が主体となって適切な飼養管理を行っている、飼い主のいない猫のことです。TNR活動の発展形ともいえます。
寄付の使い道
皆さまから寄せられた寄附金は、主として
(1)「野良猫」及び「飼育放棄猫」の不妊去勢手術費補助金に活用させて頂きます。
また、TNR活動中「保護が必要な猫」が発生した場合、
(2)治療費や消耗品費に対する補助金にも活用させて頂きます。
目標額を達成できなかった場合も、皆さまから寄せられた貴重な寄附金は、すべて猫のための補助金制度に充て、
人と猫が幸せに暮らせるまちづくりのために活用いたします。
※ご寄附いただいた方に対し、令和4年度に実施をした事業の実績報告を送付いたします。
自治体からのメッセージ
【ご支援いただく皆様へ】子供たちが見ている大人の姿!思いやりあふれる三豊市へ!
「お孫さんと一緒に、子犬や子猫を河川敷に捨てている人」を見たという方がいます。自分達の目の前から邪魔なものが居なくなればそれでいいのでしょうか?捨てられた子犬や子猫は幸せになれるでしょうか?また、その行為をみたお孫さんは何を思うでしょうか?それがお孫さんに見せるべき大人の姿でしょうか?三豊では犬の課題もありますが、まずは猫に特化した今回の取組みを通じ、未来を担うこども達が「人も動物も、命は大切にしなければならない」という事を身近な大人をみて学んでくれる良い機会になることを願います。私たち大人が手本となり、思いやりあふれる地域を作っていきませんか?
事業スケジュール
令和4年9月:寄附金募集開始(10月11日まで)
令和4年11月:三豊市野良猫等のTNR活動費補助事業 申請受付開始(第1弾)
令和5年1月:三豊市野良猫等のTNR活動費補助事業 申請受付開始(第2弾)
令和5年3月:補助事業 終了
平成29年4月より飼い猫に対する不妊去勢手術費の補助、令和2年4月より香川県の補助事業地域猫活動に対する補助を行っており、どちらも年々申請数は増えています。しかし、地域猫活動では3世帯以上のグループを組む必要があり、そこがネックとなって活動できない地域もありました。今後は個人の方でも主体となりTNR活動ができるように制度を新設して、その財源をクラウドファンディングで確保させて頂き、事業の更なる充実を図りたいと思います。少しでも多くの猫が愛され猫として地域に受け入れられるように、今後もボランティアさんや保健所と相談を繰り返しながら、人にも猫にも思いやりのある三豊市を目指し取り組んでいきたいと思います。