実施理由/背景
24人に1人が不登校。「私はここにいていいんだ」と思える安心できる場が必要です。
全国の不登校の小中学生は、19万6,127人(文科省調査)
放課後や午前中のみの登校、保健室登校など、何らかの理由で学校に通うことが辛く行き渋り状態にある子を含めると、44万人(NHK調べ)を超えるのではないかとも言われています。
学校では、学習や友達、運動も学外活動も様々な機会が提供されます。ただしそれは学校に安心して通える子どもに限ります。不登校の背景は、いじめや先生との関わり、本人の発達特性、家庭内不和など様々。自分の心を削って学校に通う子もいます。自分の辛さを抑え込んで、周りの期待に応えるためだけに登校している子も。結果、授業を受けても集中できずただ聞くだけ。友達関係も良くなく、周りに合わせるか、孤立するかを選んで生活することに。そうした子にとって、学校に行くことが本当に本人のためになるのでしょうか。学校に行くことだけを正解とすることで、子どもの学びや人との繋がりの機会を奪ってしまってはいないでしょうか。
不登校は子どもの問題ではありません。私たち大人の問題です。大人、社会が変わらなければいけません。そのために私たちはもう1つの選択肢としてフリースクールを運営しています。
プロジェクト内容説明
フリースクールを運営し、不登校の子ども達が孤立しない宇都宮をつくります。
私たちは、2019年から宇都宮市内でフリースクールを運営しています。不登校の小中学生を対象としており、開所当初は2名だった利用者も、現在23名まで増えました。
1日の利用者数10名前後に対して、スタッフは4名前後を配置することで子ども達一人ひとりに個別性を持った関わりをできるよう環境を整えています。時間割やカリキュラムなどもなく、本人の意思を第一に考える場です。自分の意思で勉強をする子もいます。何カ月と家に1人でいて、フリースクールに出会って同世代の子と仲良くなり笑顔で楽しそうにする子もいます。場合によっては子ども本人から、友達について、将来について相談を受けることも。子ども達一人ひとりが「私は私でいいんだ」と思える場であり、余裕が出てきたら自分と向き合い、何かがあれば大人や友達に相談をしながら、孤立せず誰かと一緒に前を向いていける場でありたいと思っています。
約7割の子どもは、フリースクールに出会ってから自分で「学校行ってみようかな」と一歩踏み出します。また、卒業までフリースクールに在籍し、自分で決めて通信制高校に進学する子もいます。子ども達に今必要なのは「安心」です。
タイミングは子ども達それぞれ。私たちは親御さんと一緒に子ども成長を見守ります。
私達は子ども一人ひとりにあった支援を大事にしています。入口として、無料のLINE相談窓口があり、その後電話、対面での相談も受け付けています。お子さんが外出が難しい場合には、定期的な家庭訪問を通じて、数カ月間じっくり時間をかけて信頼関係をつくった上で、フリースクールにたどり着くこともあります。最初から会うのはハードルが高いという場合には、スタッフの自己紹介動画を作成しLINEで送ることもあれば、お手紙からスタートすることもあります。
ある子どもは不登校になってからしばらく外出せずにいましたが、フリースクールに出会ってから、片道30分自転車をこいでまで来るようになりました。その子はみんなのお兄ちゃんのような存在で、年下の子の面倒を見てくれるようにまでなりました。ある子どもは、勉強嫌いだったはずが、好きなゲームをパソコンでするようになり小学3年生でローマ字をマスターしました。通い始め落ち着きのなかったある子は、半年が経ち、人が変わったように静かに過ごし、自分の得意なことに熱中しています。私達は親御さんと日々の状況を共有しながら相談し合いながら、子ども達一人ひとりの成長を見守っています。
目指すところ
「不登校」の状態は問題ではない。大事なのは学校以外の選択肢。
私たちはフリースクールの運営を通して、子ども達が安心して学び、人とつながることのできる環境をつくります。
「不登校」という言葉は、一般的にネガティブな意味で使われることが多いように思いますが、本来は「学校に行かない」という状態を示した言葉でしかありません。そこに色をつけているのは、言葉を受け取った側のそれぞれ一人ひとりなんです。ある人は「怠け者」や「親の子育てが悪い」と子どもや親に責任をなすりつけます。ただご自身が不登校を経験したある方は「不登校を経験したおかげで、いろいろな人に出会い、今がある」と言い、あるお子さんの不登校を経験された親御さんは「子どもが不登校になって、自分自身が周りを頼るようになった。孤立せず、人を頼っていいんだと気持ちが楽になった」と言います。
問題は「不登校(学校に行かない状態)」ではなく「学校以外の選択肢が少ないこと」また「選択肢があってもそれを許さない空気」です。この本質的な問題を解消することで、先程紹介したような不登校を経験しても、それをポジティブに転換し、前を向いて生きていくことができるようにもなります。
そのために必要なのがフリースクールです。
寄付の使い道
フリースクール運営に関連することに使用します(週3運営で計算)
主に日々の運営、イベント、相談対応、訪問支援、見学対応、学校とのコミュニケーションなどです。
フリースクール人件費:38,7600円×12か月=4,651,200円
アウトリーチ活動人件費:15,000円×12か月=180,000円
光熱費など:13,000円×12か月=156,000円
消耗品費:10,000円×12か月=120,000円
交通費:12,000円×12か月=144,000円
チラシデザイン・印刷費(フリースクールの案内チラシをこれまで作成していなかったため):100,000円
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆様へ
宇都宮市では、市民協働のまちづくりを推進していく上で、市民の公益活動の維持・強化を図ることが重要であると考えております。
公益活動を行う団体の資金調達を支援するとともに、ふるさと納税を通じて、公益的な団体による活動や特定の事業を応援いただくことにより、全国の皆様が、本市への愛着や親しみを持っていただければ幸いです。
どうぞ皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
事業スケジュール
通年:フリースクールを運営。日に10~15名の子どもを受け入れ、居場所・学び場として運営する。見学、面談などは月に5~10件を想定。他に家庭訪問やオンライン面談などを含めると、月10~15件近くは想定している。
2022年10月~:これまで週3運営だったが、この時期から週4へ日数を増やして運営する。
毎月:何らかのイベントを企画し、実施する。(例:10月バーベキュー、11月遠足、12月クリスマス会、1月餅つき、2月体育館貸し切り、3月卒業式など)
2022年12月:12月よりフリースクールの利用希望者向けのパンフレットを作成し、2月には完成し使用を始める。(これまで口頭と別個の書面にて案内していたため、利用希望者のわかりやすさ向上のため)