【 1 】はじめに
こんにちは!特定非営利活動法人だーちゃらぼです。
私たちはこれまで、不登校や生きづらさを抱える子どもたち、その保護者の方々とともに、「悩み」「不安」「つらさ」に丁寧に向き合ってきました。
「学校にいきたくない。心の調子が良くない。家の外に出たくない」
そんな子ども・若者たちが、自分らしいペースで心のエネルギーを回復できる場をつくりたい。それが、私たちが活動を始めた原点です。
私たちは、「だいじょうぶ、焦らなくていい、ゆっくり休んで」という言葉をかけながらも、本当に子どもが「ゆっくり休める」環境をつくることの難しさを痛感してきました。
だからこそ、
自分を受け入れてくれる人がいて「うれしい」と感じられること
やってみたいことができて「たのしい」と思える場所があること
自信や達成感が生まれて「よかった」と感じる体験があること
そんな、小さなポジティブな感情の積み重ねが、心のエネルギーを育てるのだと私たちは信じています。
今、日本では小中学生の不登校数が年々最多を更新し続けています。
しかし、学校以外の「学び」や「つながり」の場は、まだまだ十分とはいえません。
「選択肢がもっと豊富にあれば、その子の自信を無くす前に、自分に合う環境が見つかるはず。」
そう信じて、私たちは新たに豊島区千早に多角的な支援拠点「だーちゃステーション」を立ち上げます。
だーちゃが選択肢の一つとなり、子どもたちが「うれしい」「たのしい」「よかった」と感じられるように。
どうかこの挑戦に、あたたかい応援をお願いします!

【2】取り組む社会課題
■不登校の子どもの数が増加
R5年度に実施された文科省による調査結果では、 小・中学校における不登校児童生徒数は346,482人(前年度299,048人)であり、前年度から47,434人 (15.9%)増加したと報告されています。また、不登校児童生徒の61.2%に当たる212,114人の児童生徒が、学校内外の機関等で専門的な相談・指導等を受けている。うち、学校外の機関等で専門的な相談・指導等を受け、指導要録上出席扱いとした児童生徒数は、38,632人でした。
不登校の問題は学校内だけでなく、学校外の専門機関や医療機関など様々な機関による多角的な支援が必要であると考えられます。
不登校の小学生の人数は年々増加しています
■不登校児童が利用できる学外資源が限定的
不登校になった子どもが学校の代わりに利用できる公的資源の一つに適応指導教室があります。しかしその教室に在籍しているのは全体の9%(内訳:小学生5%,中学生10%)にとどまっています。また教室によっては適応指導教室を利用できるのは小学校3年生以上であったり、『自学自習』を基本としているため特性が強く自学自習ができない子どもは利用できないといった現状もあります。
したがって、小学校低学年から利用できる、民間の学外資源が必要とされています。
※ 文科省(令和3年度) 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
※ 文科省(令和元年)教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査
※ 文科省(令和5年度) 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
【3】これまでの取り組み
1.フリースクールだーちゃ
だーちゃらぼでは小学校低学年から利用できる日中の居場所『フリースクールだーちゃ』を運営しております。スタッフは臨床心理士・公認心理師資格を有した専門家をはじめ、支援に必要な基礎を学ぶ研修プログラムを受けた大学生で構成されています。発達障害など、さまざまな特徴をもった子どもたちが安心して通えるよう、さまざまな工夫をしています。
詳細は以下ページをご参照ください。

2. だちゃカフェ
若者のための参加型居場所事業『ものづくり交流スペースだちゃカフェ』は、豊島区すずらんスマイルプロジェクトより受託して2022年10月~2025年3月まで運営していた、中学生~20代の若者が利用できる無料の居場所です。
流行を取り入れながら「好きなもの」「ほっとできるもの」を集めた場所で、ドリンクを片手にものづくりやゲームを楽しんだりと、自分のペースで自由に過ごすことができます。児童相談所や教育センターといった地域の支援機関と連携しながら紹介ケースを受け入れることで、子ども・若者を地域全体で見守る拠点の一つとして機能していました。
参加者が作成したたくさんの作品たち
スイカや手芸用品、そして編み物講師など、様々なご厚意で支えられてきました
【3】だーちゃステーションを開設したい!
これまでだーちゃらぼは、豊島区駒込にて小規模ながらフリースクールや若者の居場所支援を実施してきましたが、支援を必要とする子ども・若者の増加に伴い、より多くの方が安心して利用できる環境を整える必要がありました。そして2025年10月から、豊島区子ども若者課と協働し、地域で親しまれてきた豊島区臨時保育所(千早さくらそう保育園)だった建物を活かしながら、新たに子ども若者の支援のための空間として整備を進めています。
1.だーちゃステーションの主な取り組み
① フリースクールだーちゃ:不登校の小学生を対象に、10月~は週1回、2026年度以降は週5日程度の少人数支援を実施(心理士常駐)。学習・創作・心理教育などを行います(詳細はこちら)。
② だーちゃプラス:中高生~20代前半の若者向けの居場所。夕方の時間帯に、学習やボードゲーム、ものづくり等ができる空間として今年度は週1回開室します(詳細はこちら)。
③ こころと学び研究所(11月以降開始):保護者・支援者向けの研修、心理士による相談、子ども支援に関する実践研究などを行っていきます。
④ 地域コラボイベント(11月以降開始):地域の団体や専門家と連携し、近隣の方にも参加いただける企画やイベントを検討しています。
2.現在の課題
①室内の整備
長年臨時保育所として活用されていた建物だからこそ、室内の整備が必要不可欠です。部屋数が多い上に、トイレトレーニングのために沢山のトイレが備えられているところを、安全で、清潔に過ごせるように。また使用しないたくさんの小児用トイレを減らし、個別相談など支援に役立てる個室として活用できるように整備したいと考えています。

②居場所を作るための事業費
現在、子ども・若者の居場所支援事業に当たっているボランティア学生を始め、有資格スタッフは一部無償で事業に参加しています。より多くの支援を可能とするためには、環境だけでなく実際に支援にあたる支援者の確保も必要不可欠です。困った時すぐに居場所を利用できるように、だーちゃプラスの開室頻度を上げたいと考えています。
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子ども・若者たちが初めてだーちゃに来る日は、皆ドキドキと緊張した面持ちです。
不安で体を揺らす子、保護者のそばから離れられなかった子、一言も話せなかった子、たくさんの子がこれまで居場所にチャレンジしてくれました。そしてそんな子たちが1回、2回と頑張って通い続け、少しずつ日々を楽しむことで自分の居場所として活用してくれるようになりました。
「だーちゃ、年末年始もあけてよ。ベランダだけでもいいからさ。」
「なんで土日はだーちゃないの?」
「だーちゃのおかげで料理できるようになってた!」
「いつもスタッフが気にかけてくれていて、分からなくて困っている時、小さなことでもすぐに教えてもらえる」
沢山の子ども・若者の居場所であるだーちゃが、これからも活動続けられるように。
そしてだーちゃで過ごしたいと思ってくれている人を少しでも多く受け入れるために。
何卒皆様のお力をお貸し下さい。

【4】支援金でできること、目標金額の内訳
本プロジェクトのゴールである、『だーちゃステーションが不登校や社会的孤立などに悩む子ども・若者達にとって遊びと学びを通じてのびのびと自分らしく過ごせる居場所として活用されること』を達成するために、いただいた支援金は以下の内訳で大切に活動に充てさせていただきます。
①室内の整備(クリーニングや補修作業):60万円
②居場所事業費(物品購入費や人件費):40万円
【5】さいごに:代表からのメッセージ
はじめまして。特定非営利活動法人だーちゃらぼ代表の松葉百合香です。
私たちは今、東京・豊島区に新たな拠点「だーちゃステーション」を立ち上げる挑戦をしています。
この数年、不登校の子どもたちは増え続けています。それは、社会の中で「自分らしくいられない」「居場所がない」と感じる子どもが増えているということでもあります。子ども時代のかけがえのない時間を、どう守り、どう支えるか――私たちは日々、問い続けてきました。
大人と子どもが、もう一度信頼関係を築き直すこと。その子に合った学びの形を見つけること。そして、大人たちが立場を越えて力を合わせていくこと。どれも簡単ではありませんが、子どもたちが「うまくいかないのは自分のせい」と思い込まないよう、大人の側が変わっていく覚悟が問われていると感じています。
これまでも、学校や家庭だけでは届かない声に耳を傾けてきました。人との関わりに疲れてしまった子、言葉にならない思いを抱えた若者。そうした一人ひとりが、安心できる居場所で少しずつ自分を取り戻す姿を、私たちは何度も見てきました。
このページをご覧になって「立派な団体」と思われるかもしれません。でも実際は、古い机を直し、譲っていただいた棚を並べ、仲間と力を合わせて空間を整えています。どんなに手づくりでも、子どもたちにとって安心できる場所を育てたい――その思いはずっと変わりません。
「今日もたのしかった!」という子どもたちの声に背中を押されながら、ここまで続けてきました。でも今、拠点の移転と拡充という大きな節目を迎え、どうしても皆さまのお力が必要です。
だーちゃが、いつか「暖かい記憶」として子どもたちの中に残りますように。今日の出来事が、明日の一歩を踏み出す勇気につながりますように。これからも「うれしい・たのしい・よかった」が生まれる居場所を育てていきます。
どうか、この挑戦にあたたかいご支援をお願いいたします。






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