実施理由/背景
「猫が取り残されている!」押し寄せる介護の現場からのSOS
少子高齢化社会が進む中、癒しを求め、家族の一員としてペットと暮らす高齢者が増えています。一方で、高齢の飼い主の病気や死亡により、残された、行き場のないペットが問題になっています。高齢者が病気や認知症になって、ペットの世話が困難になるケースも非常に多くなっており、「認知症でペットの世話ができなくなり、非常に不衛生な状態になっている」「飼い主が亡くなり、猫が取り残されている。保護してもらえないか」そんな相談が相次いで寄せられています。現行の介護保険制度では、ヘルパーがペットの世話をすることは認められていないため、さらに問題が深刻化しています。これらの問題を、「飼い主責任」として、切り捨ててしまっては、人も動物も助かりません。私たちにも、何かできることがあるはずだと、支援の活動を始めました。
プロジェクト内容説明
猫でつなぐ、セーフティーネットの仕組みを作りたい!
病気や高齢、経済的理由などでペットの飼育が困難になっている一人暮らしの高齢者に対し、定期的な家庭訪問を行い(見守り)、ペットシッター支援等の必要な支援を行っています。 支援する高齢者の中には、介護ヘルパーが定着しなかったり、福祉の介入を断り続けていた方もいますが、愛猫のお世話を通じて心を開き、支援につなげた事例もあります。誰一人取り残さない社会の実現のために、高齢者とペットが一日でも長く安心して暮らせるよう支援を行うとともに、社会にあふれ出す、行き場のない犬猫たちを救うセーフティーネットをつくります。
1. 高齢者とペットの相談窓口・・・高齢者とペットの問題を相談できる場所がなかったという声が非常に多いため、相談窓口を設置し、問題の早期発見、早期支援につなげます。
2. 高齢者とペットの見守り支援・・・病気や経済的理由でペットの飼育が困難になっている高齢者に対し、継続的に訪問を行い、ペットシッターやフード支援など必要な支援を行います。
3. もしもに備える支援・・・ペットの預け先を記入するカードやチェックシートを配布し、もしもに備える準備やそのサポートを行います。
目指すところ
行き場のない犬猫たちを、地域全体で支える仕組みをめざします
ペットを通じたつながりを活かし、「孤立しがちな一人暮らしの高齢者が、いつでも相談ができ、必要な支援が受けられる」仕組み作りを進め、福祉関係機関との連携も進んできました。2023年8月現在、11名のスタッフが7世帯の見守り支援を行っています。ペットで人と人の新しいつながりが生まれ、定期的な訪問が可能になっています。福祉の支援を受け入れない孤立した高齢者とも交流することができており、そこから人への支援へとつながりも期待できます。あわせて民間シェルターと連携し、最終的には市内に3年で10ヵ所の民間シェルターができることを目指します。ペットを飼育できなくなった場合のフォロー体制とペットを保護できるシステムを構築し、行き場のない犬猫たちを地域全体で救える仕組みをつくります。
寄付の使い道
寄付金は下記の用途に使わせていただきます。
諸謝金(保護猫の医療費支援、ペットシッター支援、保護譲渡支援、フード支援、啓発イベント講師謝金)
印刷製本費、通信運搬費、消耗品費、賃借料、広告宣伝費、業務委託費
自治体からのメッセージ
NPO法人の取組へのご支援をお願いいたします!
尼崎市では、市民、NPO法人をはじめとした市民活動団体、事業者、行政など多様な立場の個人・団体が互いの強みを活かしながら、課題解決や魅力向上に取り組んでいます。
「特定非営利活動促進事業」は、皆さん一人ひとりの力を「寄付」という形で結集し、地域の様々な課題に取り組んでいるNPO法人を支える制度です。地域の課題に主体的に取り組むNPO法人の活動を継続し、拡大していくためにも本事業への温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
事業スケジュール
2023年 通年:
高齢者とペットの相談窓口設置
高齢者とペットの見守り支援(ペットシッター支援、フード支援、買い物支援、一時預かり支援等)
2023年6月:啓発用クリアファイル作製
2023年8月:ファクトブック作成
2023年7月~2024年3月:保護譲渡のためのセミナー開催(6回)
2023年4月~2023年3月:譲渡会にて、預かりボランティア相談受付(6回)
一年を通じ、高齢者とペットの相談窓口を設置し、見守り支援につないでいきます。問題の周知を図るため、ファクトブックやクリアファイルを作成し、もしもに備える啓発活動を行います。訪問支援を行うボランティアの育成のため、勉強会を開催します。