ページをご覧いただきありがとうございます。占部組短編映画「STELLA」プロデューサーの水口綾花と申します。
私は大阪芸術大学映像学科で劇映画を専攻し、4年間制作部として映画制作を学んできました。
4年間の制作活動の中で、大きな成功と大きな失敗をそれぞれ経験しました。
次から次へとやってくる試練に頭を悩ませながらも、一筋縄ではいかない映画制作に魅力を感じ、同じ方向を見ている仲間がいることの重要さ、一人ではなく集団で作ることの尊さについても痛感した大学生活でした。
映画制作漬けの日々は本当に充実したかけがえのないモノでしたが、16年間の学生生活が終わろうとしている中、本当にやり残したことはないのか?と改めて考えてみた時、
「生まれ育った街に作品を残したい」
という気持ちが心の底にあったことに気づきました。
私は生まれてから高校卒業までの18年間を、福岡県北九州市で過ごしました。
北九州は九州地方最北端の街です。工場地域が広がっており、工場夜景が有名です。賑やかなことが大好きで毎年多くのお祭りが行われているような、力の溢れた素敵な街です。
同時に、映画撮影というものが人々にとって、とても身近にある街でもあります。
「この前〇〇で映画の撮影やってたよ!」
「週末エキストラの募集してるけど一緒に行かない?」
学生時代、教室での話題の中心にはいつも映画やドラマがありました。何気なく観た映画の中に、知っている風景が映っていることもよくありました。
「映画に溢れた街」
住んでいるときには日常に思っていた素敵な事実に、北九州を離れ映画制作に触れてみて初めて気づくことができました。離れた今でも、北九州が地元であるということは私の誇りであり、人生の大事な時期をこの街で過ごすことができて本当によかったと思っています。
【占部組の立ち上げ】23年夏…映画「STELLA」企画・構想開始
地元を飛び出し、大阪で大学生活の4年間を映画制作に費やした私ですが、学生最後の自主映画は地元で撮りたい!という気持ちをどうしても捨てきれず、卒業が迫る中、大学の仲間で同じ福岡県出身である監督占部弘樹と共にこの度企画を立ち上げました。
占部弘樹とは、前作である卒業制作の撮影で出会いました。
自分の考えをちゃんと持っていて、自分の大切にしているものは絶対に曲げない芯の強さ、常にいいものを作ろうという意識の高さ、そして何より映画撮影への強い思いを持っている人。地元が同じ福岡だということもあっていつか共に作品を撮りたいとずっと思い続けてきました。
だからこそ、この企画が動き出したとき絶対にいいものができると確信したし、自分が一番やりたかったことが叶うかもしれないという期待に胸が高鳴りました。
2023年夏より動き出したこの企画は「STELLA」と名付けられ、制作が始まりました。
仲間と共に降り立った故郷の地
12月中旬、シナリオハンティングを行うため、監督・脚本・P部・制作部は北九州に向かいました。
生まれ育った地を、大学で出会った仲間と一緒に歩くということにまずワクワクしました。しかし同時に、勢いでこの企画を始めてしまったからこそみんなが北九州を気に入ってくれるかどうか、少し不安もありました。しかし工場群や自然、北九州ならではの景色を目の当たりにし、ここでやれる。そう確信しました。
【企画のブラッシュアップ】24年11月…撮影のための具体的な準備を開始
シナリオハンティングのタイミングで、北九州フィルムコミッションの元に撮影の相談に伺いました。
学生映画にも関わらず企画について詳しく聞いてくださり、北九州での撮影が実現できることとなりました。
大阪に戻ってからは、シナリオハンティングを通してそれぞれが感じたことと、自分達が今撮りたいものを改めて整理し、北九州の工場地帯や自然を生かしたSF冒険映画の企画が始まりました。
企画を練っていくにあたり中々話し合いがうまく進まず、メンバー同士衝突することも多々ありました。
しかしここを蔑ろにしてしまうと、絶対に後悔すると全員がわかっていたので、みんなそれぞれ映画にかける思いがあるからこそ、それをどう表現すればいいのかの話し合いに多くの時間をかけました。
「地元で映画を撮りたい」という思いが私にあったように、各スタッフそれぞれに、新たな卒業や進級が迫る今この瞬間だからこそ感じている思いや葛藤がありました。
そんなみんなの思いを一つに束ね、当初の想定よりも遥かに壮大な物語が出来上がりました。
人生の帰路に立ち大きな決断を迫られている今、葛藤も迷いも全て等身大の自分たちを表すことが一番だと決めた我々は過去も未来も考えずに目の前の今を全力で生きるしか無いと信じ、その感情をこの映画の登場人物たちに託すことにしました。
【あらすじ】
かつて人間とほとんど同じ肉体と同じ権利を与えられ、一部地域で実験的に共に生活していたアンドロイド「STELLA」は、過去に人間に対し暴動を起こしたことが原因で隔離地域に隔絶されている。近くの港町に住む⻘年・朝日は恋人である未来の誕生日を祝っている最中、突然警察によって拘束されてしまう。そこで未来が街に紛れ込んだアンドロイドであること、このままでは未来は始末されることを知った朝日は未来を連れて逃走を計る。朝日と未来は逃避行の果てに、人間を憎む「STELLA」たちの住む隔離地域へと逃げ込むのだった_____
今作では人間とアンドロイドの対立や、種族を超えた様々な愛を通して、大衆意見や周りの風潮に流されずに自らの大切にする意思や想いだけは貫き通すことの意義を描きます。自分と向き合う怖さ、同調圧力に屈せず自分を貫くことへの不安を抱えた多くの人に今作を届けたいです。
【撮影の敢行】24年3月初旬〜中旬…北九州ロケ(メインパート)
北九州市パートの撮影は今年3月に行われました。北九州市フィルムコミッション協力のもと門司区・小倉北区・八幡西区をメインに、ただの学生では到底使わせてもらえないような数々の場所で撮影をさせていただき多くの貴重な経験をしました。
フィルムコミッションを通して撮影に参加してくださったエキストラの方々や、ロケ地を提供してくださった方々、撮影期間中宿泊させてくださった施設の方々、まちなかでの撮影を受け入れてくださった周りの方々...多くの北九州市の皆様にご協力いただき、無事に北九州パートの撮影を行うことができました。
☆NHK北九州にて映画撮影期間の様子を取り上げていただき、
より多くの方に活動を知ってもらうことができました。
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大阪での大学生活を通して出会った仲間と共に北九州の地で撮影ができていることが、奇跡に思えて嬉しくて、不思議な感覚が抜けないまま撮影期間を過ごしていました。
【追加撮影の発生】24年6月下旬…京都大阪ロケ
メインパートの撮影後、残されたのは、関西での数シーンと北九州での1シーン
関西でのロケセット撮影は当初の想定通りだったのですが、北九州にいる間にどうしても撮りたかった物語の鍵を握る主人公の過去シーンを期間内に撮ることができず、数シーンを残したまま、不覚ではありますが私を含む数名のスタッフが4月から社会人になりました。
しかしその後も制作は止まることなく、6月には関西でのロケが無事行われ、残すは北九州で撮りこぼした1シーンのみとなりました。
早く撮りたい!という気持ちは全員が持っていましたが、その思いとは裏腹に、想定外の追加撮影ということもあり北九州に行き撮影を行うための資金の調達が思うように進まず、なかなか撮影まで辿り着くことができていないのが現状です。
このクラウドファンディングを経て、北九州での追加撮影を行い映画を完成まで持っていきます。そして完成にとどまらず、北九州の皆様にこの映画を観ていただく場を作りたいと考えています。
大学を卒業し、社会に放たれてから4ヶ月。なんにも気にすることなく、自分達のやりたいことに全力で取り組むことができる環境と時間があった学生時代とは、180度世界が変わりました。「社会人」という新たな生活を楽しんでやれているという自覚はありながらも、少しだけ不自由な環境に寂しさを感じている日々です。
大学4年間を映画制作に捧げた生活はもちろん楽しいことばかりではなかったです。むしろ壁にぶつかってばかりで、そんな日々が辛くて苦しくて、だけど、それでもみんなで立ち向かう映画制作が大好きで楽しくて、色んなものと戦いながら前に進んでいく日々が本当に幸せでした。
本企画は、大阪芸術大学映像学科を中心とするメンバーで構成されています。企画を立ち上げた時4回生だった我々は、卒業の迫る学生と社会人に挟まれた曖昧な時期でした。映像の業界に足を踏み入れる者、これまでとはまた違った道を進む者。それぞれが人生の帰路に立っていました。「地元で映画を撮りたい」という私自身の気持ちに加えて、それぞれがこれからの人生を生きていく糧となるような、大学生活を振り返った時素敵な日々だったと思えるような、そんな作品にしたいです。
どうか、よろしくお願いいたします。
最新の活動報告
もっと見る支援してくださった皆様へ
2024/11/04 21:34こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
STELLAクラウドファンディング、終了まで残すところあと4日となりました。
2024/10/27 21:11映画「STELLA」プロデューサーの水口綾花です。STELLAクラウドファンディング、終了まで残すところあと4日となりました。これまでたくさんのご支援本当にありがとうございます。この場をお借りして、改めてお話させてください。STELLAは、私の地元である北九州で主に撮影を行いました。地元を盛り上げたいという気持ちと共に、この作品を、「このチームで撮る」ということにも強い思いがありました。2年前、大学3回生でカフネという映画を同期と共に作りました。制作期間は大変なことばかりでしたが、大好きな仲間たちと一緒に頑張っているという自覚があったからつらくてもきつくても、楽しんで制作を行うことができました。そして、沢山の方の力をお借りして劇場公開が実現した今、全てが報われたような気持ちです。3回生のときには楽しくやれていた映画制作ですが、4回生で大きな壁にぶつかりました。何度も諦めようとしても諦めきれなくて、いばらの道を進み、完成までにチームは多くの傷を負いました。自分たちの力量のなさを実感し、もう映画はこりごりだと思った日もありました。そんな卒業制作を経て、卒業が間近に迫り改めてカフネや卒業制作のことを思い返したときに、もう一度みんなと映画を撮りたい。そう思いました。自分たちのエゴではあるけれど、学生映画を辛い思い出のまま終わらせたくない、またみんなと楽しく映画を作りたいと思いました。「楽しい」というのは、決して「楽に」というわけではありません。妥協ぜずにみんなが映画制作って、楽しい!と思えて、映画制作漬けだった学生生活を愛おしく思えるようにしたかったからです。卒業という岐路に立ったとき、未来への希望に胸が高鳴るのと同時に、前に進んでいくことへの漠然とした不安があったり、そんな自分と向き合うことが怖いという気持ちもありました。そんな我々が、これからの人生を生きていく糧となるような、大学生活を振り返った時素敵な日々だったと思えるような、そんな作品を最後に残したいという思いで企画を立ち上げました。我々の一方的な気持ちの消化だけではなく、もし我々と同じように自分と向き合う怖さや、同調圧力に屈せず自分を貫くことへの不安をかかえている人に向けて届けたいです。占部組は、わたしが4年間共に映画を撮ってきた仲間に加えて、監督の占部を通して出会えた後輩のみんなも多くいます。全員がこの作品への熱意を持って撮影に挑んでいます。クラウドファンディングを経て、追加撮影を行い完成させ、公開までもっていけるよう一同全力で頑張ってまいりますので、どうか応援よろしくお願いいたします。 もっと見る
キャストコメント到着!【神田琴乃役・八木みなみさん】
2024/10/06 19:00神田琴乃役・八木みなみさんからコメントが届きました!クラウドファンディング残り25日となりました!引き続きどうぞよろしくお願いいたします! もっと見る
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