蜜ろうでかたち作るジュエリー HANAno
「蜜ろう」とジュエリー
蜜ろうで原型を作る技法は古から日本に伝わる蝋型鋳造の一つ
現代ではあまり知られていない希少な造形方法
私たちは50年以上この技法を用いてジュエリー制作を続け、
HANAnoの形づくりに蜜ろうを用いた蝋型鋳造で多くの作品を制作している。
ミツバチの巣からとれる蜜蝋と、松からとれる松脂
産地や季節によって違うそれぞれの特徴を理解しながら素材を選ぶ
この二つを煮溶かして固めた、成形のための蝋材
HANAnoは自然素材の蜜蝋と松脂の、その時々の特徴に合わせて配合を変えながら
他の材料(一般的にはパラフィン)を入れることなく蜜ろうを生成している
独自に生成した蝋材を使うことで美しいヒキメを出すことができる
蜜ろうを温めて引っ張ると出てくる綺麗な平行線「ヒキメ」
引くたびにひとつひとつ表情が変わる
計画通りにも、同じものもつくれない偶然性の面白さも蜜ろうの魅力
細かなテクスチャーも丁寧に手作業で細工していく
ひねって、ねじって、丸めて、自由な形を作ることができる蜜ろう
蜜ろう以外での蝋材では表現することができない独自性が特徴
蜜ろうがジュエリーになるまで
① 原型作り
作る形を想定しながら美しいヒキメの板を作る
幅や長さ厚みを手指で調整して
蜜ろうのヒキメで形をデザインしていく
やわらかく指先でカーブを付けたり、芯棒に巻きつけながらひねりを加える
② 鋳造
蜜ろうで作った形がそのままシルバーに鋳造される
鋳造したてのシルバーは真っ白で、この白さを活かしてヒキメのジュエリーが出来る
③ 成形
ヒキメの線を損なうことがないように道具を使い分けながら形を整えていく
丁寧に形を整え、ジュエリーとして安全に使うことができるように
細心の注意をはらいながら作業していく
④ 磨き
鋼鉄のヘラでヒキメの線を丁寧に磨く
磨いたところは光の線に、磨かないところは陰影を際立たせ
磨く力も加減しながら、絵を描くように、筆で文字を書くように手磨きで仕上げる
・シルバーの素材の良さと使い心地
銀(Ag)は、金やプラチナと並ぶ貴金属の主材料です。
純銀92.5%に銅のみ7.5%を混ぜた(割金)ものをスターリングシルバーといい、加工や耐久性に優れた素材として古くから使われ続けています。HANAnoもこのスターリングシルバーを使っています。
スターリングシルバーはSV925・925・SILVERとも表示されます。
シルバーは金やプラチナに比べると柔らかく軽い金属で、細い線材や薄い板などは容易に手指で変形させることができます。そして適切な形状と厚みなどを持たせることでしっかり安定感のあるジュエリーを作ることができます。
自在に形を動かせることでバングルやリングなど日々の用途に合わせサイズや形状の調節が簡単にでき、重量の軽さはイヤリングやピアスなどで使い心地の良さを実感できます。また、シルバーは貴金属の中でも比較的手ごろな値段で手にすることができ、日常使いに適したジュエリーアイテムとして取り入れやすさも大きなメリットです。
・シルバーの色変わりとプレーテッド(メッキ)について
シルバーは経年とともに変色していく特徴があります。
空気中に含まれる硫黄成分や、水分、汗や化粧品などの成分により「硫化」が起こり茶色~黒味へと変化が起きていきます。この変色は錆や腐食のような劣化ではありません。
硫化する特徴を使って「古美(ふるび)・いぶし銀仕上げ」という加工をすることもあります。
シルバージュエリーは適切な保管やお手入れによって白さや輝きをより長く保つことができ、また経年の変化も楽しむことが出来ます。
シルバー地金にK18ゴールドやK18ピンクゴールド、ロジウムをプレーテッド(メッキ)加工をして、色味を楽しめます。
HANAnoは発色と強度に優れたK18ゴールド・ピンクゴールドでのプレーテッドを採用しています。
また、シルバーの銀色を強くする表現と色変わり防止にはロジウム加工をしています。
シルバーに薄い皮膜をかけるようにメッキ加工をするので経年とともに表面の色味は薄れていきます。また硬い金属との接触や強い摩擦によっても色味の薄れや剥がれの原因となります。
HANAnoのプレーテッド加工はシルバーに直接行っているので、再度加工しなおすことが出来ます。
・日常のお手入れ方法
・シルバー作品、プレーテッド加工した作品共に、着用後は柔らかな布で汚れをふき取ります。
水分はよく乾かしてください。
・汗や油分がついた時には、ぬるま湯に中性洗剤を薄く溶かしジュエリーを数分漬けます。
その後、よく水道水で洗い流し、水分をふき取り完全に乾かしてください。
( パールやトルコ石、サンゴなど水洗いに適さない素材もあるのでご注意ください)
・汚れを取り除いたあとは、直射日光を避け、他のジュエリーなどとぶつからないように
小分けの袋やケースに入れて保管することをお勧めします。
*注意
研磨剤入りのクロス(シルバー磨きクロス)や、シルバークリーナーを使うと表面を
削りながら磨くことになり、傷つきや剥がれが起こります。
HANAnoのシルバー作品やプレーテッド加工したものには使用しないでください。
また、天然石やパールなども傷つける原因となります。
こまめなお手入れや、数年に一度メンテナンスやクリーニングに出すことで、ジュエリーが綺麗になるだけではなく、金具の調節や小傷の除去などより良い状態で長く使い続けることが出来ます。
HANAno シルバージュエリー紹介
ギターブローチ・カメラペンダント&オーナメント
憧れのギターのモデルやカメラの機種をシルバージュエリーでオマージュしたシリーズ
ジュエリーとしても、置物としても存分に楽しめるデザインと精密さを併せ持っています。
どうぶつ・・・
身近な動物のユーモラスな仕草や、野山でなじみの昆虫や魚たち。
手元に置きたくなるような親しみやすいかたちにデザインしてます。
カラフル・・・
自然が作り出した天然石を主役にした一品。
ひとつひとつ色合いも肌になじむつけ心地もよい、やさしいデザインです。
蜜ろうヒキメ
蜜ろうをやわらかくして引いた「ヒキメ」は他の素材では表現することのできない
有機的で伸びやかな曲線美が魅力。
このヒキメで形づくったものをシルバーに鋳造し、高度な技術で仕上げた
自然の美しさを留めた、日本的なたおやかなさを感じる作品です。
プロジェクトについて
世の中にほとんど知られていない、けれど古から日本に受け継がれてきた造形技術をこれからも継承していきたいという思いが強くあります。
蜜ろうで表現されるヒキメの美しさを活かしたジュエリーを知ってほしい
そもそも蜜ろうで造形することの価値を知ってほしい
私たちが蜜ろう造形を止めたら、おそらく遠くない未来にこの技術は消えていく
蜜ろう造形を活かし、製品化ができる『型どり』を活かす技術を伝え、残したい。
蜜蝋を様々な造形の原型に使う技術は仏教装飾技術の伝来とともに日本に伝わりました。その技術は現代へと受け継がれてきましたが、現在は蜜蝋を使って造形している人はとても少なく数名の作家の方がジュエリーなどの作品制作をされているようです。
蜜ろうのヒキメを原型にしてジュエリーを作る方法は、芸術系の大学や彫金の専門学校などでも詳しく教えているところはほとんどありません。かつて蜜ろう造形をしていた先人たちの書物などから辛うじてその技術をうかがい知ることが出来る程度です。
そんななか、私たちは50年以上蜜ろうでの造形を日常の仕事として続けてきました。50年の中で、その技術や技法は手から手へ受け継がれて現在に至ります。
蜜ろう材の作り方から扱い方、造形に適したその時々の環境の調整など細々としたことまで全てが日々の積み重ねられ、知識として実感として技術が継承されています。
日本でも、もちろん世界的にも珍しい蜜ろうで造形をする技術を活かし、多くの方々に自分らしいおしゃれや装いを見つけて、ジュエリーをもっともっと日常的に楽しんで欲しいと思っています。
そして「もの」を大切にしてほしいという願いをこめて、手に取りやすく、より気軽に使え、信頼のおける素材のシルバーでジュエリー制作をすることに至りました。
その日の装いに合わせたワンポイントに、ネックレスやイヤリングをつけたり、自分好みのデザインブローチを楽しむことを気軽にできるように、個性と品のあるデザインをコンセプトにHANAnoのジュエリーは作られています。
『蜜ろうであれこれ形をつくるのって面白い
ヒキメはとっても綺麗で
美しいヒキメを追求していくことは最高の感覚で
そんな感動を形にできる喜びを込めた作品』
それがHANAnoのジュエリーです。
ヒキメのジュエリーはシンプルな表情が特徴です。
蜜ろうの仕事は、手作業でひとつひとつ形を作ることや、計画(デザイン)通り、思った通りにはヒキメを引くことはできず、蜜ろうを引くたびに変わる偶然性とクラフトマンの感覚や経験が美しいヒキメに現れます。
軽やかなシルバーや天然石を素材に選び、素材の特性の違いで起きる加工の難しさなどへの対応もハイジュエリーを作ってきた経験を発揮して高い品質で仕上げています。蜜ろう造形でジュエリーを制作することを含めたあらゆる技術の高さは私たちともやすアンドカンパニーならではと自負しています。
アート作品でもあり、身に着けるジュエリーでもある、蜜ろうでかたち作るジュエリーを作られる背景工程も知っていただき、
気に入ったものを長く、ときに手入れしながらお使いになりたいという思いをぜひ共有していただきたいと思います。
年齢や性別にこだわらず、自分のおしゃれに蜜ろうで形作ったジュエリーを取り入れたいと思ってくださる方々に手にしていただきたいです。
そして、希少な蜜ろう造形という技術も私たちと一緒に味わっていただけたらと思います。
最適な素材選びや仕上げの技術、それらを妥協せずどの工程も分業することなく
ひとつの作品をひとりのクラフトマンが最後まで仕上げることで
一点づつ個性を持った作品となり、自信をもってお届けすることができます。
自分にとって価値のあるもの、良いものを身につけることを選択をする人たちに
手にしていただきたい、それが私たちの願いでありモノづくりへの姿勢です。
支援のお返し リターンのご紹介
蜜ろうのヒキメが特徴的なアイテムをご用意しました。
アイテムは、イヤーカフ・リング・バングルの3種類で、デザインやカラーも選べるようになっています。
イヤーカフは、シルバー(白銀)、ゴールドカラー・ピンクゴールドカラーの3色です。
耳当たりは多少広げたり狭めたり、お使いになる方ご自身で調節することもできます。
リングは2つのデザインで、それぞれ2色づつです。
画像 左側: エレガントリング シルバー(白銀)、ゴールドカラー
画像 右側: 2連のヒキメおおらかなリング シルバー(白銀)、ピンクゴールドカラー
リングサイズはフリーです。 12番から16番くらいの間で指に合わせて調節可能です。
バングルは2種類です。
スタンダードな大きさ(写真左と中央) シルバー(白銀)、ピンクゴールドカラー
幅広で大きなサイズ(写真右) シルバー(白銀)
バングルの差込口を広げたり狭めたりすることで、サイズの調整をしていただけます。
また、差込口を交差させてお使いになるとより腕にフィットする形にすることもできます。
シルバーならではの質感や使いやすさそして蜜ろうヒキメの清々しいテクスチャーをお楽しみいただけます。
会社紹介
HANAnoのジュエリーを作っている、有限会社ともやすアンドカンパニーは50年以上続くオリジナルデザインのジュエリー制作会社です。
ともやすアンドカンパニー最大の特徴は「蜜ろうでかたち作るジュエリー」です。
50年以上にわたり蜜ろう造形の技術を受け継ぎながら、作品を流通できる製品として作り続けてきた企業です。
ブランド「TOMOYAS」(トモヤス)は、貴金属と宝石のハイジュエリーを中心に、デザイン、製造を続け、個性的で芸術性の高い作品を発表し、TOMOYAS作品は長い年月で多くの方に支持されています。
蜜ろうで造形した形は、その再現が難しいものが多く、一般的なものに比べて複数の製品化にはあまり適していませんが、ともやすアンドカンパニーでは再現する技術も独自開発しました。
「美しいヒキメ」を再現できるようにすることで、デザインの幅が広がり、蜜ろう造形によるジュエリーを作り続けることを可能にしてきました。
時の流れとともにジュエリーに対する価値観や重要性などが変化し、また近年の貴金属価格の高騰でジュエリーは「特別なもの」になりつつあります。
ハイジュエリーの活躍の場はより限定的になっています。そして金やプラチナ、ダイヤなど金銭的感覚での価値が優先され、デザインはより一般的、より普遍的なものが身近になり、個性は薄まってバリエーション豊かなハイジュエリーの需要は小さくなりました。
そうした背景とともに、ジュエリーをもっともっと日常的に楽しんで欲しいと思っています。そして「もの」を大切にしてほしいという願いをこめて、手に取りやすく、より気軽に使え、信頼のおける素材のシルバーでジュエリー制作をすることに至り、現在HANAno(ハナノ)で作品を発表しています。
ともやすアンドカンパニーのワークショップ
(立川商工会の会報誌に蜜ろう教室が掲載されました。記事は立川商工会のホームページからもご覧いただけます。)
綺麗な、造形に適したヒキメを引くには技術力とコツが必要です。
その技術を蜜ろう彫金教室で学ぶことが出来ます。
また独自の配合でジュエリーづくりに適した蜜ろう材をつくり、受講者に提供もしています。
国内外でも蜜ろう材は手に入りますが、ともやすアンドカンパニーの蜜ろう材は他とは全く違う使用感で喜ばれています。
蜜ろう造形は海外のジュエリーアーティストにも魅力的な技法として注目され、
アトリエで開催している蜜ろう彫金教室には国内の方だけではなく、ヨーロッパの国々、アメリカ、カナダ、南米の国々、香港や韓国などアジア諸国など多くの海外の方も受講に訪れています。
また、蜜ろう体験教室は立川市のふるさと納税返礼品にも採用されています。
スタッフ・アトリエ風景
立川にあるアトリエはシンボルツリーのあるアメリカンハウス。
モノを作る楽しさに魅了されたクラフトマンたちが日々、技術や知恵を持ち寄り、蜜ろうの技術も後世に伝えるべく制作や蜜ろう教室などに力を注いでいます。
多くの人に技術を知っていただき、身につけて、愛着を持っていただける作品をお届けしていきます。
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