自己紹介
はじめまして!芝崎合金鋳造所、三代目芝崎竜太と申します。
1947年に祖父である芝崎芳次郎がものづくりの町である墨田区東向島に創業。
トロフィー部品・建築小物・医療器やノベルティーグッズなどを生産する鋳造所です。
1960~70年代の高度経済成長期には鋳物職人が10人ほどいましたが、需要の変化・海外生産品との価格競争の波にのまれ、自社規模を縮小。
2000年代になると加工業者の廃業やコストアップの影響による製品の廃盤が続き、ステンレスやアルミ、プラスチックなどに材質が代替えされ、国内の鋳造所が激減しました。
古来から続く砂型鋳造の文化を後世に残すため、2020年前後から工業製品の卸売に加え、エンドユーザーに向けた生活雑貨・オブジェ・アクセサリーなどの工芸品の製造販売をスタートさせました。
砂型鋳造(サンドキャスト)
砂型鋳造(サンドキャスト技法)とは溶かした金属を粘土質の砂で一つ一つ作った鋳型(いがた)に流し込んで作る製造法です。
木の枠に型を入れ砂で固め型を抜き、溶けた真鍮を流し込む。そして鋳物を切断・エンドレス加工までの一連の工程を弊社工場内で行います。
何万、何十万個といった量産ができない代わりに、小ロット・多品種の製品は初期投資を抑えられる特徴があります。
真鍮を流し込む際に微量の砂が入り込んだり、砂を込める力の加減などで偶然できる凹凸、手作業による加工の加減などにより、一つ一つの表情が微妙に異なるため、全く同じものが存在しないところが魅力の砂型真鍮鋳物。手作業のぬくもりが感じられます。
釜に溶け残った真鍮も、溶かして次に使うことができる循環型の工業。砂型用に使用している粘土質の砂も水で固めているだけなので崩してくりかえし使える、砂型鋳物はサステナブルな工法だと考えます。
時代の変化に合わせ真鍮の価値を創造する
オリジナルブランド『RBrass(アールブラス)』誕生
一つ一つの製品を手作業で鋳造・加工していく製法は比較的合理性に乏しく、大量生産には向かないため、工場・職人が減少している現状です。
一方、小ロットで多品種な製品は、金型鋳造など他の製法に比べて初期コストが断然安く、多様なニーズに対応できる工法で、特注品やオリジナル商品の需要の高まりを感じています。
伝統的でありながら、徐々に消えゆく技術である生砂を使用した砂型鋳造を後世に残していきたい。
今までの実績を踏まえ、2010年頃から自社に眠っていた古い型を使用したリプロダクト品を、クラフトサイトにて少しづつ販売開始。
2019年惜しまれつつ閉店した墨田区吾妻橋『吉田三郎商店』の型や商品を引き継ぐタイミングで
自社ブランド『RBrass(アールブラス)』を誕生させました。
R Brassの由来
『R』は役目を終えた真鍮廃材(工業製品・蛇口などの水回りかなぐ・パイプなど)を弊社溶解炉で直接材料の一部として使用する『Recycle(リサイクル)』、
「再製品化」や「復刻」を意味する『Reproduct(リプロダクト)』、
吉田三郎商店のオリジナルブランド『RomanArt(ロマンアート)』の意思を受け継ぎ、様々なプロダクトをご紹介していきたいという思い。
『Brass』は英語で『真鍮(しんちゅう)』、『Brass Band(ブラスバンド)』の『ブラス』は金管楽器の主材料に真鍮が使用されていることから。
代表作品 紹介
催事事例
全国各地の百貨店催事やイベントに参加、ポップアップショップを出店。
真鍮鋳物の魅力をより多くの方に伝える活動を展開しています。
『人鳥願具(ペンギンがんぐ)』
有限会社芝崎合金鋳造所×TOTO株式会社
墨田区の町工場『有限会社芝崎合金鋳造所』と『TOTO株式会社』のコラボレーションプロダクト。2021年に発足した『すみだモダンフラッグシップ商品開発』でマッチングした両社。
TOTOのインハウスデザイナーである大江さん・安河内さん・彭さんの3人とクリエイティブディレクターの廣田尚子さんがデザインを担当。
すみだ水族館の飼育スタッフのみなさんにご協力いただき、実際のペンギンたちの仕草や表情をヒアリングしながら制作しました。
『すみだモダン フラッグシップ商品開発』
すみだモダン
墨田区産業振興課が推進する「すみだモダン フラッグシップ商品開発」は、クリエイティブディレクターの統括のもとに、デザイナーと事業者で商品開発を行うプロジェクト。
『大企業×町工場』
ダメ元で...と応募した『すみだモダンフラッグシップ商品開発』。
一人で営む零細企業である弊社が『TOTO株式会社』のような大きい会社とつながりを持てるとは思いもよりませんでした。
事業者見学会にてTOTOデザインチームの皆さんに、役目を終えたTOTO製品(真鍮製の水回り部品)が溶かされ別のものに生まれ変わる様をご覧いただき、運命的な何かを感じたことを思い出します。
芝崎合金鋳造所で製造しているのは真鍮(しんちゅう)の鋳物(いもの)。銅と亜鉛の合金である真鍮の鋳造にはインゴット(金属製品のもとになる塊)と併せて、家庭などで使われていた水道の蛇口やパイプといったスクラップも使用しています(溶解の後、銅・亜鉛・アルミを調合して調整します)。
取材実績
・エイミーズトーク掲載
・すみだモダンフラッグシップ商品開発「STOLIES」
・GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA
・YouTube「拘り‐Kodawari-」
スケジュール
プロジェクト終了後、製造開始。→ 2025年2月から随時配送開始。→2025年3月末までに配送完了予定。
最後に...私たちの思い・このプロジェクトを通じて
工業製品としての効率を考えると、砂型鋳造の技術が今後もずっと必要とされるのかどうかわかりません。
砂型でなくても同じような品物を製造する技術は他にも存在します。
海外での量産にシフトした時代、多くの町工場が価格競争についていくことができずに廃業しました。その影響で廃盤になった製品は数え切れません。
ただここ数年、量産ものが減り国内生産に戻ろうという動きがあるけれども、もうすでに国内の工場は減り、職人も数少ない...もう同じものが作れなくなっているケースも多くあります。
今後そのようなことな起こらないために、多様な技術をしっかり残していくことには十分意味があると思っています。
工芸品に関しては、手にした時の暖かみのような感覚、一つ一つが少しづつ異なる味わい深さやテクスチャー等、砂型鋳造にしか表現することができないことはまだまだあると感じています。
このプロジェクトを通し製品をご購入いただくことで、次の一歩への足掛かりになるとともに、関連する加工会社などの小さな町工場や、そこで働く職人たちの伝統的な技術・文化を守ることにも繋がります。
この機会に少しでも多くの方に、砂型鋳造の現状や鋳物の魅力を知っていただく機会になれば幸いです。
有限会社芝崎合金鋳造所 代表取締役 芝崎竜太
芝崎合金鋳造所(オリジナルブランド『RBrass(アールブラス)』)は、真鍮の魅力を伝えるだけでなく、新たな価値を見出しお届けします。
古くから人々の暮らしの中にあった真鍮。
真鍮は日々の生活の中で、少しずつ表情が変化し味わい深くなります。
磨けば再び光沢を放ち、手をかけることで愛着がわいてくる。
私たちの日常を豊かに彩るマテリアル。
芝崎合金鋳造所(RBrass)は、そのような真鍮プロダクトを創造していきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
インスタグラムにてイベント出展の告知や取り組みのお知らせをしています。
フォローしていただけると励みになります。@rbrass_shinchu
最新の活動報告
もっと見るリターン品展示のお知らせ
2024/12/27 15:49当プロジェクトをご覧いただき、ご支援いただいたき、誠にありがとうございます。錦糸町PARCO6階(上りエスカレーターを降りて右)での展示が12月19日より始まりました。リターン商品の一部を実際にお手に取ってご覧いただけます。お近くの方は是非お立ち寄りください!芝崎合金鋳造所 芝崎竜太 もっと見る
コメント
もっと見る