はじめまして、広島県在住の小学3年生、広沢嵩政(ひろさわ たかまさ)と仮谷賢太郎(かりや けんたろう)です。
今回、二人でチームを組み、WRO日本大会に出場。豪雨・土砂災害が起きたときに避難を誘導するロボットをプレゼンし最優秀賞を受賞し、2024年11月、トルコ・イズミールで開催される世界大会へ行くことが決まりました!
しかし、チームの渡航費は自分たちで払わなくてはなりません。最年少チームのため、保護者同伴での遠征。資金を集めるためにさまざまな支援先を調べましたが、スポーツなどがメインでプログラミングに対応するものが少ないという印象でした。
他に方法が見つからなかったため、全国のみなさんからサポートしていただきたく、このプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトで実現したいことは、2つあります。
自然災害自体を止めるのは難しいことですが、このロボットがあれば災害がひどくなる前に避難するようにお知らせできます。僕たちの住む広島はもちろん、全国各地にある土砂崩れの起きやすいところを救いたいです。
もう一つは
プログラミングやロボット開発は全国大会や世界大会に出場できてもスポーツのように助成金がないことが多いです。けれども、僕たちが発信をがんばることによって自治体の制度も変わるかもしれません。これからロボット開発したい人が世界にチャレンジしやすい環境に発展するよう貢献したいと思っています。
僕(広沢嵩政)がレゴに出会ったのは2歳のときです。お父さんもレゴが好きだったので、僕にレゴを買ってくれて、毎日のように遊んでいました!
乗り物が好きで車を作っていたのですが、だんだんとうまくできるようになり、車がロボットに変身するものを作れるようになりました。それがはじめて作ったロボットです。
もっといろんなものが作れるようになりたいと思い、小学校1年生からプログラミング教室に参加しました。
コロナのときは手を使わなくてもアルコール消毒ができるようなロボットを作り、お母さんをビックリさせました。おばあちゃんの誕生日にはダンシングロボットでお祝いし、とても喜んでくれてうれしかったことを覚えています。
小学2年生になったとき、プログラミング教室のみんなとチームを組んでロボットコンテストに出場しました。そこでは優勝できなくてくやしい気分になりました。
そのときに優勝していたのが廿日市市にあるプログラミング教室のチームです。どんなところなのか行ってみたいと思い、お母さんに連絡をしてもらって通えるようになりました。
ここで出会ったのが、仮谷賢太郎(かりや けんたろう)くんです。賢太郎くんもレゴが大好き。
彼の考えるアイデアがおもしろく、その場の空気を一瞬で明るくしてくれます。さらに空手の全国大会出場も決まっており、とってもパワフルです。
学年も同じで話しているうちに気が合うと思ったので、一緒にチームを組んでWRO日本大会優勝を目指すことになりました。WROにはいろんな部門があるのですが、FUTURE INNOVATORS部門に出場することを決めました。世界中の人達のために、役に立つロボットが作れるかもしれないと思ったからです。
WROでは毎年テーマが発表され、参加者はそのテーマに合ったロボットを開発します。今年のテーマの一つは「自然災害を防止するロボット開発」。ロボットを作る前にどんな自然災害があるのか調べました。
調べていくと、僕たちの住む広島で豪雨災害があったことが分かったのです。平成26年(2014年)8月20日未明に起きた豪雨災害で、広島市内で77人の方がなくなり、179棟の住宅が壊れてしまいました。さらに、道路や橋、河川の堤防、合わせて1079件に被害をもたらしました。
僕たちが生まれる前にこんなかなしいことがあったなんて。
もっと詳しく知るため、賢太郎くんと「広島市豪雨災害伝承館」に行きました。そこでは実際に豪雨にあった人の話を聞くことができました。その人は近所の人に避難するよう声をかけに行ったら、自分も土砂でうまってしまったそうです。大きな木のおかげで助かったそうですが、とても悲惨な状況だったと聞きました。今思い出しても体がふるえるような体験だったそうです。
なんでそんなにたくさんの人が亡くなってしまったのか、いろいろな人に話を聞いて分かったことがあります。それは......。
みんなが避難しないから。
人々が命を落とすのは土砂崩れや洪水だと思っていましたが、1番の理由は避難できるのに避難しないこと。逃げおくれたことによって、土砂崩れや洪水にあってしまうのだそうです。
開発後、広島市長とお話しできるときがありました。そのときもやっぱり「避難が大切」と話してくださいました。調べてみると、広島市には土砂災害警戒区域が作られて、その範囲では新しい家を建てられないというルールがあります。被害にあわないように対策をしているのです。
この話を聞いて、豪雨災害で命を落とす人がいなくなるようにと、避難誘導するロボット・てんとうムッシンをもっといいものにしようと改良を重ねました。
この話を聞いて、避難させるにはどうしたらいいのかまとめました。
避難させるには早めに知らせる。
早めに知らせるためにはどうしたらいいか。
音や動きで気づいてもらう。
それでも逃げないときはどうしたらいいだろう。
絶対に逃げてくれるようにするには......。
チームメイトの賢太郎くんとは家が遠く、学校もちがうのでなかなか会えないのですが、お互いに調べたことを送ってどうしたらいいか考えました。豪雨のニュースがあったらテレビの動画や写真をとって送り、電話で話し合ってアイデアを出し合いました!
アイデアがまとまったので、ロボット作りに取り組みました。デザインについて考えていると、賢太郎くんがアイデアを持ってきてくれました。
賢太郎くんの防犯ブザーがてんとう虫の形をしていること、さらにてんとう虫は「幸運のシンボル」であることを調べてくれたのです。とてもいい案だと思ったのでそれに決めました。
サイズ感はいつ避難する状況になっても使えるよう一家に一台、リビングに置いてもらえることを想定し、みんなにかわいがってもらえる大きさにしました。障害物を避ける動きはお掃除ロボットを参考にして完成までたどりつきました。
けれども、これがゴールではありません。
大会は自分たちの力だけでやらなければいけないのです。たくさんの資料を調べて、20枚以上のレポートを手書きしました。ロボットの説明動画も何度も取り直し作り、毎日プレゼンの練習をしました。
2人で力を合わせて作ったレポートとロボット説明動画を送って予選を通過。
全国大会では8歳〜19歳が参加する中で、最年少チームながら最優秀賞を受賞。こんなうれしい結果になったのは困ったときに助けてくれた賢太郎くんとチームを組んだからだと思っています。
受賞したあと、広島市豪雨災害伝承館の人に報告しに行きました。すると消防団の人が来られていました。そこでてんとうムッシンを見てもらうことができたのです。実際にたくさんの人を救助している人たちに見てもらえて本当にうれしかったです。
世界大会がおこなわれるトルコでは2023年に大きな震災が発生しました。災害に対する意識が強くなっている国なので、ここでも優勝してみんなに知ってもらい一人でも多くの命を助けたいと思っています。
今の夢は世界大会優勝です。先日参加した東京合宿では審査員に「自分たちできちんと調べて学習が細かくできているチーム」と評価してもらいました。ネットで調べるチームが多い中で僕たちが実際に被災した人たちや市長、防災を扱う企業の方から話を聞いたことをほめてもらったのです。
現在、日本大会で使用したレポートとポスター、プレゼンで話すこと、説明用の動画を英語に作り替えています。二人とも初めは英語に苦戦していましたが、練習を繰り返し、うまく発表できるようになってきています。英語の質疑応答も2人で力を合わせてがんばります!
僕たちに協力してくれたみなさんに感謝の気持ちを伝えるためにも世界大会で頂点に立ちたいと思っています。
みなさんから応援いただいた資金は、世界大会の挑戦に向けた渡航費に使わせていただきます!自分たちの想いを世界の方へむけて、精一杯つたえていきます!
世界大会への往復の渡航費・宿泊費・大会参加費 ・ロボット製作費
・プレゼンブース製作費・ポスター制作費・レポート印刷費用・その他諸経費:合計150万円
※その他、選手をサポートするために同行するコーチ、最年少のため付き添いが必要で保護者の渡航費等も合計すると約300万円の遠征費用がかかります。
世界大会が開催される予定のトルコでは、テロが発生していて危険な状況です。
万が一、戦争やテロの影響で現地開催が中止となりオンラインの大会に切り替わる場合、ご支援いただいた資金は特許出願のための費用として使用させていただきます。
2024年11月1日 クラウドファンディング開始
2024年12月2日 クラウドファンディング終了
2024年11月26日~12月2日 WRO世界大会
広島市豪雨災害伝承館 副館長
消防庁主催 防災意識向上プロジェクト 語り部 松井 憲 さま
今から10年前の2014年8月20日、広島市で線状降水帯による災害が発生し、77名もの方が犠牲になりました。我々被災者は次のような願いを込めて広島市豪雨災害伝承館を開館しました。
『あのつらい思いを子や孫たち、そしてすべての人々に二度と経験してほしくない。
またもし災害が起きても犠牲者が一人も出てほしくない。次世代にいのちをつなぐために…』
ある日、二人の小学生が来館しました。
「防災活動で困っていることがありますか?」という質問を受けました。
そうして二人が考え、作ったのが『てんとうレスキュー隊』です。
我々の想いを世界中の人々に伝えてください。
株式会社モリタ さま
WRO 世界大会への進出おめでとうございます! 全国大会前にご連絡をいただき、プレゼン資料を拝見いたしました。 その行動力はもちろんのこと、課題を的確に認識し、その解決のためのアイデアを具現化した素晴らしい発明に感銘を受けました。
私たちも火災や自然災害から人々の暮らしを守る事業を営んでおり、お二人の「豪雨災害による死者をゼロにしたい」という志に深く共感しています。
お二人の情熱・才能とアイデアはきっと未来を変えられると信じています。 お二人のチャレンジの実現のために、ぜひ皆様も応援をお願いいたします!
大会が終わっても僕たちの挑戦は終わりません。
火災報知器が逃げ遅れを防ぐために作られ、逃げ遅れる人が四分の一に減ったように、てんとうムッシンを一家に一台の存在にしたいと考えています。
自然災害を食い止めるのは難しいことですが、災害がひどくなる前に避難を誘導することはできます。そのためにテストと改良をくりかえして実現化し、一人でも多くの人に役立ち、安心を届けたいと思っています。
みなさんのご協力が一人でも多くの命を守る第一歩につながります。
温かいご支援どうぞよろしくお願いします。
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