実施理由/背景
人と動物との共生への取り組みの一環であり、宇都宮市内の猫殺処分ゼロを目指します。
近年、人々のライフスタイルの多様化により、家庭動物への意識も変化し、一方で、動物を巡る様々なトラブルは社会問題にまで発展しております。動物の愛護と管理をめぐる課題がある中、公益社団法人栃木県獣医師会では公益的かつ専門的な立場から「地域の動物愛護活動」や「人と動物の共生する社会の実現」に向けた取り組みを行っております。しかし未だ、殺処分される猫は多く、特に飼い主が不明の離乳前の幼弱子猫が多いことから、令和3年度から継続して、今年度もこれらの幼弱子猫を救い、譲渡会などで新たな飼い主を見つける取り組みを進め、人と動物が共生できる社会を目指してまいります。宇都宮市が収容した離乳前の幼弱子猫を市内の動物病院で預かり、病気の診断治療を行った上で、健康維持や体力確保のための一時飼養を行い、宇都宮市に返還し、譲渡会で新たな飼い主へ引き渡されます。このプロジェクトにより、令和3年度は子猫20頭、令和4年度は6頭、令和5年度は28頭が譲渡につながり、令和3年度以降、宇都宮市では猫の殺処分頭数はゼロとなりました。
プロジェクト内容説明
動物の命を尊重し、人との絆を確立し、共生できる社会の実現を目指すプロジェクト
宇都宮市の殺処分数削減の取組の一環として、平成30年度から当会の宇都宮市内の協力動物病院においてミルクボランティア(離乳前の幼弱子猫の飼育支援)に積極的に協力してまいりました。
宇都宮市保健所からのミルクボランティアへの飼育依頼頭数は、平成30年度26頭、令和元年度31頭、令和2年度35頭、令和3年度26頭、令和4年度11頭、令和5年度30頭と毎年、多くの猫が命を繋がれています。宇都宮市における猫の殺処分頭数は、平成30年度23頭、令和元年度1頭、令和2年度3頭、このプロジェクトを実施した令和3年度は0頭と大幅に減少し、確実に離乳前の幼弱子猫の飼育支援の取り組みは猫の譲渡につながっております。
離乳前の子猫の飼育支援を適切な技術と環境を有する動物病院で行うことで、病気のない健康な猫が譲渡可能な状態まで育成され、また、動物病院がかかわることで、新たな飼い主も猫の健康に関して安心して引き取れることから、殺処分数を削減していくには非常に重要な取組であります。今後も当会として引き続き積極的に関わっていきたいと考えております。
目指すところ
動物の命を尊重し、人との絆を確立し、人と動物が共生する社会を目指します。
当会ではこれまで、愛護精神の向上、動物の福祉の増進に寄与することを目的として、次のことに取り組んで参りました。
1)宇都宮市から依頼される離乳前の幼弱子猫をほぼすべて健康でかつ譲渡可能な状態まで飼育します。
2)動物愛護の意識を醸成し、飼い主への「愛情とモラルをもった適正飼養」啓発推進を目的に、長寿犬飼養者表彰や、栃木県・宇都宮市と共催で「動物愛護フェスティバル」を毎年開催しています。
3)猫等の飼育者の飼育者責任の明確化、逸走・迷い猫の発見及び殺処分の防止、災害時の動物救護活動の円滑化を図るため、マイクロチップ登録を推進をしています。
継続して実施することで、動物愛護の意識が広く醸成され、適正飼育の一層の推進、命の大切さやいたわりの心を育て、愛情と敬いの精神を養います。また、飼養に適さないとして殺処分される猫を1頭でも多く命をつなぎ、新たな飼い主への譲渡を進めます。
これにより、動物の命を尊重し、人との絆を確立し、人と動物が共生する社会を目指します。
寄付の使い道
離乳前の幼弱子猫を飼育支援する活動に活用させていただきます。
これらの幼弱子猫は、健康面や体力面で新しい飼い主のもとへ譲渡することには不安があるため、宇都宮市内のミルクボランティアに協力してもらえる動物病院で預かり、診療(子猫のウイルス疾患などの検査など)、治療、さらに、譲渡可能な状態までの飼養(キャットフード代、ミルク代、飼育管理費など)を行いますので、それに要する経費に使わせていただきます。
令和3年度から、このプロジェクトの実施により、令和3年度は20頭、令和4年度は6頭、令和5年度は28頭の幼弱子猫が健康に育ち、譲渡に繋がり、宇都宮市における殺処分頭数はゼロとなりました。
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆様へ
宇都宮市では,市民協働のまちづくりを推進していく上で,市民の公益活動の維持・強化を図ることが重要であると考えております。
公益活動を行う団体の資金調達を支援するとともに,ふるさと納税を通じて,公益的な団体による活動や特定の事業を応援いただくことにより,全国の皆様に,本市への愛着や親しみを持っていただければ幸いです。
どうぞ皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。
事業スケジュール
通年 宇都宮市保健所による離乳前の子猫の収容
通年 宇都宮市保健所から市内のミルクボランティア協力動物病院への幼弱子猫飼育依頼
通年 市内動物病院での幼弱子猫の治療、飼育及び宇都宮市保健所への返還
随時 宇都宮市保健所における譲渡
動物の命を尊重し、人との絆を確立し、人と動物が共生する社会を実現するため、次のことに取り組みます。
1)宇都宮市保健所では、飼い主の見つからない子猫や離乳前の幼弱子猫を保護したのち、新しい飼い主へ譲渡を行っています。
2)離乳前の幼弱子猫は健康面や体力面で新たな飼い主への譲渡には不安があります。
3)宇都宮市保健所が飼育可能と判断した場合、当会の宇都宮市内のミルクボランティア協力動物病院に譲渡可能な状態までの飼養を依頼します。
4)当該動物病院では、病気の有無などの検査や診療、さらには治療を行い、譲渡可能な状態(約400g)まで飼育します。
5)動物病院から宇都宮市保健所へ健康面、体力面で問題の無くなった子猫を返還します。
6)返還された子猫は、宇都宮市保健所で新たな飼い主探し譲渡します。
7)以上の取組により、殺処分を削減し殺処分頭数ゼロを目指します。