実施理由/背景
複雑で多様な困難を抱える子どもたちの未来をえがくために
LFAは、困難を抱える6~18歳の子どもが自立するまでを早期から切れ目なくサポートする「地域協働型子ども包括支援」という考えのもと活動をしており、2010年の活動開始以来、様々なステークホルダーのご協力を得ながら、のべ11,800人以上の子どもたちの支援を行ってきました。
「困難を抱える」要因は、貧困・虐待・疾患・発達特性・不登校・外国籍ルーツなど多岐にわたる上に複合的に影響していると考えています。実際にLFAの居場所に通うこどもたちのうち約8割が1人あたり2つ以上の課題属性がある状況で、運営する居場所では子どもたちの状況に応じて日々対応を行っています。
われわれが尼崎市内で運営する居場所は南部に位置していますが、支援施設が少ない地域となっています。ひとりでも多くの困難を抱える子どもをサポートするため、安定的で継続的な居場所運営が重要となっています。
プロジェクト内容説明
子どもが安心して生活し、これからのことを考えていける場所づくり
LFAでは22年8月より尼崎市にて6~18歳を対象とした登録制の居場所を運営しており、「生活支援・食事支援・体験活動」「学習支援」「保護者支援・世帯支援」「ソーシャルワーク・ケースワーク」を行っています。
約2年間、尼崎にて活動する中で、子どもたちの前向きな変化を見てきました。例えばネグレクトにより食事ができていない、お風呂に入れていない子が生活習慣を獲得していったり、不登校だった子が訪問を重ねるなかで居場所に足を運んでくれるようになり、進学やアルバイトなど選択肢をもつに至るなどがあります。
加えて、支援者との連携強化にも努めてきました。「尼崎こども支援おなかまプロジェクト」という官民横断の研修を推進し、市内の子ども支援関係者の協働体制をつくることで、平時から顔が見える関係構築が進んでいます。この連携により、早期から切れ目ない子どもを支える地域づくりにつながっていると考えています。
一方で、LFAが居場所で向き合っていきたい子どもたちと出会い、より多くサポートし続けていくためには、活動費が必要な状況となっています。困難の状況は社会変化とともに変わっていく可能性がある中で、ひとりでも多くの子どもと関わりをもち、切れ目のない支援を行っていくためにも、運営のご支援をお願いする次第です。
目指すところ
尼崎から全国へ、居場所の好事例をつくります
LFAは、居場所や学習支援の拠点運営を通して「モデルづくり」を行い、他団体との連携やナレッジ共有を通して「モデルの全国展開」を推進、その上で、実績をベースに政策提言を行い「法制度改革」を実現することを事業の軸としています。
今回、ご支援いただきたい内容は、尼崎市内における居場所運営にはなりますが、この「一人ひとりの子どもに寄り添う」活動の先に、仕組みをひろげ社会を動かすアクションにつなげたいと考えています。今までには当団体の居場所づくり事業がモデルとなった「児童育成支援拠点事業」が法定事業化されるなど、活動成果も見え始めています。
尼崎市は子育てについて課題意識をもち解決に力を入れてきた自治体です。同じ問題意識をもつ関係者と連携できる環境にあるこの土地で、他地域の子どもたちの支援の助けにつながる活動を継続的に行っていきたいと考えています。
寄付の使い道
支援いただいたご寄付は、以下に活用させていただきます。
・尼崎市内における居場所拠点の運営費(人件費、家賃、旅費交通費、通信運搬費、車両購入費)
・地域の子ども支援に関わる行政・民間組織との情報連携および交流に関する活動費(人件費、
旅費交通費、広告宣伝費、業務委託費)
※ともに期間は2025年3月末までを予定しています。
※拠点運営費の一部は、令和6年度「尼崎市要保護・要支援児童等居場所支援事業」の委託事業の
対象となっていますが、今回ご寄付いただいた支援金は、本事業の対象外となる運営費として
活用し、重複することはありません。
自治体からのメッセージ
NPO法人の取組へのご支援をお願いいたします!
尼崎市では、市民、NPO法人をはじめとした市民活動団体、事業者、行政など多様な立場の個人・団体が互いの強みを活かしながら、課題解決や魅力向上に取り組んでいます。
「特定非営利活動促進事業」は、皆さん一人ひとりの力を「寄付」という形で結集し、地域の様々な課題に取り組んでいるNPO法人を支える制度です。地域の課題に主体的に取り組むNPO法人の活動を継続し、拡大していくためにも本事業への温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
事業スケジュール
日々の居場所拠点運営のなかで以下を行っていきます。
・生活支援、食事支援、体験活動
:栄養のある食事をみんなで味わう、基本的な生活習慣の習得支援や生活指導、安心して過ごせる環境の提供、イベントなど体験機会の創出、など
・学習支援
:学習や宿題サポートなどの習慣づけ
・保護者支援、世帯支援
:生活困窮者の自立相談窓口への接続、生活習慣や育成環境の改善に関する助言、子どもの教育や就労・進路に関する相談、など
・ソーシャルワーク&ケースワーク
:上記支援を実施するうえで必要な関係機関との連携