実施理由/背景
コアラのエサの確保について
平川動物公園は、昭和59年に国内で初めてコアラの展示を始めたことで知られ、令和6年10月31日現在は国内で最も多い18頭を飼育しています。
そんなコアラが主にエサとして食べているのは、オーストラリア原産の植物、ユーカリの葉です。
園では、温暖な気候を生かして、コアラのエサとなるユーカリを園内やその周辺で自家栽培しているほか、種子島や指宿市などの森林組合に委託しておよそ2万本を栽培しています。
複数箇所で分散して栽培することによって、気温や天候の影響によりユーカリが一斉に枯れるといったようなリスクを回避しています。
ユーカリは苗木を植えてから、コアラが食べられるまでに成長するのに2~3年ほどかかりますが、毎年、全体の1割程度は寿命や天候の影響により枯れてしまいますので、継続的に苗を植え、栽培する必要があります。このように、コアラのエサを安定的に確保するには、多くの手間や多額の費用が掛かっています。
プロジェクト内容説明
ユーカリの安定供給への取組
コアラはユーカリの葉のなかでも柔らかい新芽部分だけを一日に200~500g、多い時には1kgほど食べるので、エサを確保するのは大変ですが、他のエサでは代用できないので、コアラにとってはユーカリはとても重要なのです。
しかしながら、昨今の人件費・光熱費等の高騰の影響で、この取組に要する費用も増加しつつあり、資金確保に苦慮している状況です。
追い打ちをかけるように、地球温暖化や海水温の上昇により、接近する台風の規模が大きく、ユーカリへの被害が昔より酷い状態が続いています。特に、令和6年台風10号の暴風により、これまでに4割ほどの木で根元から倒れたり、枝が折れたりする被害が確認されました。
台風の接近前に飼育員らがおよそ1.5トン分を事前に確保し、直近のエサ不足は回避されましたが、冬になると葉の生育が遅くなるため、冬場にかけてエサ不足が心配されています。
このように園では例年以上にエサ不足にならないような対策を必要としています。
同園で飼育するコアラのエサの安定確保を継続するために、この取組にご賛同くださり、また、同園を応援してくださる皆様からの援助を必要としています。よろしくお願いいたします。
目指すところ
さらなるユーカリの確保(飼育員よりメッセージ)
国内最多頭数のコアラを飼育している当園では、南国鹿児島の環境を生かし、新鮮なユーカリをコアラたちに提供する態勢を整えています。コアラ飼育園では珍しく、飼育担当者自らが、栽培や圃場管理、採取まで行っており、コアラ飼育に関するすべての業務に携わっています。
全ての業務は、コアラたちが幸せに暮らせる環境を整えるためであり、コアラを通じて自然環境や種の保存について目を向けていただきたいと思っています。
ユーカリしか食べないコアラ飼育には、ユーカリの安定供給が不可欠で、1頭飼育するのに成木が年間1000~1200本が必要と言われています。飼育に必要なユーカリは確保していますが、台風の頻回な接近、極端な寒波は少なからずユーカリの生育に影響が出てしまいます。歴代コアラ担当者の思いは「ユーカリがたくさんあるに越したことがない」のが現状で、少しでも良い状態の葉を供給したいと思っています。
オーストラリアを代表する動物であるコアラの姿を動物園でご覧いただき、彼らが暮らす環境について知っていただくことが、当園の使命と思っています。コアラたちにとって、よりよい飼育環境になるようご協力お願いいたします。
寄付の使い道
コアラのエサの安定供給に向けた費用に活用します。
いただいた寄付を有効に活用して、コアラがおいしいユーカリを食べ続けていけるように全力でバックアップしていきます。
自治体からのメッセージ
あたたかいご寄附お待ちしております
鹿児島市平川動物公園は2022年に開園50周年という記念すべき大きな節目を迎えました。
当園は1972年の開園以来、正面に雄大な桜島と雄大な錦江湾を臨む素晴らしいロケーションを有し、日本一の飼育頭数を誇るコアラをはじめ、キリンやホワイトタイガーなど、およそ130種1,000点を超える多様な動物とふれあえる自然豊かな動物園として、多くの皆様にご来園いただいております。
今後とも動物たちの暮らしやすい環境づくりや展示の充実などに努め、鹿児島を代表する観光施設として、市民の皆様をはじめ県内外問わず多くの方にますます親しまれ、末永く愛される動物園を目指してまいりますので、どうか多くの皆様のご支援をお願い申しあげます。
事業スケジュール
通年 エサのユーカリの確保