注目のリターン
とんかつ 乃ぐち
2021年11月、大阪中津の路地裏にてイタリア料理人の野口典朗により創業。
イタリア料理店の経営者だった野口は地道に店を軌道に乗せたものの、コロナ禍により大打撃受け一転負債を抱える身に。廃業して就職、自己破産することも考えたが、家族の後押しにより再度奮起。
人生最後の挑戦はとんかつに決める。
学生時代から既に食べ歩いていたというとんかつへの想いは凄まじく、「とんかつを愛する人の理想郷」をテーマに。とんかつ店での経験はゼロ。独自に考えた仕入・調理・提供、未来は『とんかつ』をさらに上の食文化を昇華させる、世界にジャンルとして認めてもらうための活動を開始。
スタートは、なんと大阪市中津の路地裏にある築60年の2階建て木造アパートの一室を借りての開店だった。経済的に厳しかったこともあり、やっとのスタート時もまったく華やかなものではなかった。
近隣住民からはお化け屋敷と言われていた8年間誰も借り手のいないボロアパート。
当初はスマートフォンの地図アプリでさえ認識しないような人通りの無い場所だった。
■アパート1階での店舗外観。扉や窓の加工などは全てDIYによるもの。
当の本人は「行こうと思っても辿り着けない」と言われる立地も、建物の外観も、どこ吹く風、周囲の心配をよそに、とにかく理想のとんかつを目指して邁進するばかり。『真のとんかつ好きならば必ず分かってもらえるはず』という一心だけ。何の確証もなく。
一番美味しいタイミングで食べて欲しいと考えた結果、カウンター席のみで色々な部位を一切れずつ提供する「一貫スタイル」を採用する。
最初は認めてもらえずネガティブな意見が多かった。「こんなのはとんかつではない。とんかつは安く、茶色くなるまでよく揚げないといけない。」と、毎日言われる日々。お客様が来ない日が続き、本人もこの時期を耐えて闘志を燃やし続けることがとても難しかったと振り返る。
少しずつ少しずつ。その前衛性は評判を呼び、半年で毎日満席になり始め、そこからはどんどん予約が取れなくなり遂には予約1ヶ月分500席を1分で完売するまでになる。
関西メディアから取材が止まらなくなり、多数のイベント・監修依頼も来るように。
食べログでは遂に4点を超え、食べログアワード2025にてシルバー獲得(とんかつ店では全国唯一)テレビ局による「大阪の有名とんかつ店35店舗が選んだ本当に美味しいライバルとんかつ店」でも1位に選出されるに至る。
■カウンター5席のみの店内
「同じ日本発祥でも。日本料理や鮨、天ぷらが高級で格上。比べてとんかつは庶民的でB級グルメと認識されます。
近年の養豚家さん達の努力と情熱、80年以上に渡り愛されてきた料理であり、確立された調理法を考えると、僕は単純なB級グルメとは思えない。」
とんかつ 乃ぐちは2024年12月末をもって休業、次のステージへ進むべく選んだ舞台は大阪・関西万博。
一人の料理人が経営する個人店舗の(前代未聞な)挑戦が始まります。
■店主 野口典明近影
■絶対胸焼けしないがモットーの乃ぐちのとんかつ。身と衣の圧着が特徴的。
ここで乃ぐちのとんかつがどんなものなのかを出来るだけ掻い摘んで紹介いたします。
コースとして一貫ずつお出しするスタイル
「一番美味しい瞬間に出したい」を追求した結果、鮨屋のようにとんかつを一貫ずつお出しするスタイルを採用しております。また、これには不思議な効果もあります。一貫ずつの食べ比べスタイルを取ることで、最初は苦笑いしていたお客様も部位ごとの脂の香りや歯ごたえ、衣の違いなどに敏感に反応する「利きとんかつ」の舌へと徐々に変貌し、更に料理をお楽しみ頂けるようになるのです。是非お試しあれ。
胸焼けはしたくない
揚げ物であり、豚の脂を楽しむ食べ物ですから「脂っこい」のイメージは万国共通であると思います。
しかし、低温でじっくり揚げることで油の酸化を避けて、性別年齢問わずペロリと残さず堪能頂けます。
素材だけでも楽しめる
もちろん、ソース、醤油に辛子、塩など味を付けるものを用意しております。
しかしながらここで一つだけ。
どうぞ、最初の一切れ、ここだけは何も漬けずに「テイスティング」して頂きたいのです。
一切れの半分を齧り、肉の香り、歯切れ、衣の状態、揚げ油のにおいを探り、残り半分はお好みの食べ方でお楽しみください。
五感で楽しむ
味や香りと言った味覚嗅覚はもちろんですが、ライブキッチンにてリアルタイムでご提供するのでパチパチと脂で揚がる音を始めとした工程の音、揚げる前の生肉からとんかつをカットした瞬間に沸き立つ湯気までライブで料理人の技術含めて目でも楽しんで頂き、肉・衣などの舌触りや歯ごたえなどの触覚まで、まさに五感で楽しんで頂く仕様となっています。
もちろん、このような自分の好きで始めたとんかつを万博という晴れ舞台にて提供させて頂けるというのは実現させたいことの一つです。
■厳選の国産食材を用いています。
更には密かに有名料理人や識者を巻き込んだコラボレーションなども企画が進んでいます。
これらにより、豚肉を始めとする日本の食材、技術、食文化は凄い!「日本のTONKATSUは革新的な料理だ!」と世界に認めてもらいたい。
世界に挑戦したいのだから、お客様が世界中から来日する万博は絶対に関わりたい!
個人の、一料理人としては、大き過ぎる舞台ではありますが、選んで頂いた以上は皆さまと共にやり切りたい!
■コース料理の〆「しょうゆカツ丼」
陶芸作家を訪ねては買ってしまう食器。職人文化も日本が誇る伝統です。
冒頭の店主紹介にも書きましたが、乃ぐちはとんかつ文化の昇華、向上を目指しています。
日本の豚肉、野菜、米、水、生産者や農家の方の情熱があるから、とんかつは美味しいのです。
もっとスポットがあたっても良い、日本の豚肉は高級和牛や高級魚にも引けを取らない。
天下の台所・大阪の料理人は古くより『始末の心』を持って仕事をします。地産地消と言うよりは、全国から集まる食材を厳選し、美味しく安く面白く、お客様をもてなし、食材は端まで無駄にしない、という精神が今も息づいているように感じます。
始末の心はSDGsそのものを言っても良いのではないでしょうか。
とんかつの進化と素晴らしさ、日本の食材・食文化の高水準を世界に向けて発信するのに大阪・関西万博はこれ以上無い場です。
しかし、手ぶらで向かってただ腕を振るえば良いかというと、世の中そう甘くはありません。
やはり仕入れはもちろん資材・機材とパビリオンのイメージに則した、恥ずかしくないものが必要となって来ます。
そして現実問題として万博という短期開催の催し、しかも唯一の個人店舗となると金融機関の方々も「聞いたことがない」(まさに前代未聞)と対応に困ってしまう始末。
せっかくの世界へ誇る万国博覧会も意気に応じるとは行かないようですが、盛り上げよう、良いものにしようという思いとチャレンジ精神が届かぬ万博では悲しい限り。
リターンとして晴れ舞台をご覧頂けるよう先行予約枠をご用意し、是非後押しを頂ければと考えた次第です。
【店主の独り言】
とんかつ乃ぐち店主・野口典朗です。
ここからは、今直面しているリアルです。
万博出店は、野口本人の『やり遂げたい!』という想いだけで始まりました。
万博誘致の時期から、大阪の一料理人として、キャストの一人として、何だったらボランティアでも、端っこでも参加できることを希望していました。2025年は万博があるから休業することはとんかつ乃ぐち創業当時からから決めていた事。
花の万博、愛・地球博、ミラノ万博に行って、いつの間にか自然と万博大好き、参加したいとなっていました。
2015年ミラノ万博にて①
万博公式ホームページをワクワクしながら毎日観る中で、飲食店舗出店の公募が始まりました。僕には何の計画もなく、とにかく応募。応募するだけでもかなりの手間だけど、詳しく万博のことが知れて面白い。人生で机に向かって勉強をほとんどしたことがないのに、SDGsや食の多様性、設備関係など、ゼロから調べて書類を作成する日々が始まりました。
結果はもちろん、何の音沙汰も無く…当たり前ですよね…
そして、採用されるのは一流企業ばかり。当たり前ですよね。
徐々に万博が迫って来る中、2025年11月に追加公募開始の記述が!
またまた懲りずに応募。
次は面談があり!担当さまが乃ぐちのことを知っていた!
担当さまいわく、乃ぐちの参加は非常にハードルが高い(本来無理)ですが、申し込みは受け取って審査に上げてみます。の、お言葉。
あとは、待つのみ。
12月に入っても連絡はなく。
乃ぐちラストランでバタバタしたクリスマスに担当さまから連絡あり。
「とんかつ乃ぐち未来食堂エリアに内定」
しばらく天井を見つめていました。
2015年ミラノ万博にて②
ここから、さらなるバタバタ劇が始まります。
致命的に自己資金が少なかったのです。
万博に出店する資金が全く足りないわけです。
乃ぐちの前に経営していた店舗からの負債をなんとかヒーヒー言いながら返済している中で、万博出店となると…
計画書を作って金融機関を回っても、
「万博の出店だからと言っても特別なものは何もありません。制度も無ければ、国から何もお達しはない。」
「もともと借金ありますよね?」
「短期のイベントなのにコストかかりすぎますよね?こんなの回収できないですよね。リスク高すぎます。」
金融機関に相談に行くと、窓口 < 中のテーブル席 < 奥の応接室 みたいな感じで奥に行くほど期待度増す印象を私は持ってるんですけど、どこ行っても窓口でお話。用意した資料を観てさえもらえないところもありました。
もちろん、そんな状況では店舗の工事業者さんも仕事を受けてくれません。そりゃそうですよね。巻き込み事故は誰でも嫌ですから。まさに泥舟。こんな舞台で足元すくわれたら大変なことになりますから。それは、僕も理解できます。呆然。まさに絶望。
……大阪万博やで!? 確かに金儲けの事業としてリスクが高すぎるけど。関西人として大阪・関西万博に挑戦することは、大事なことじゃない? …と、悔しい想いをするばかり。
資金繰りや店舗工事が全く目処が立たず、途方に暮れ、悲惨な姿を見ていられなくなって、uluコンサルタンツの酒井さんが参加。事業計画から作り直してくれました。
親戚にあたる株式会社コジットの会長、社長がサポートに入ってくれて大きな力になって頂き。会長は1950年の大阪万博に仕事で携わり、現在の会社の基盤を作ったそう。なんとなく運命めいたものを勝手ながら感じます。
友人たちが資金援助をしてくれて、日々日々かかる支払いや出店費用を捻出。
そんな姿を見て、否定する人や遠ざかる人もたくさん居ますが、逆に一緒に大きなリスクの渦に飛び込んでくれようとする仲間が一人一人と増えていきました。
というか、巻き添えでしょうか (-。-;
一つ進めば、意味不明な課題に直面し、また絶望とギリギリの息継ぎを繰り返しています。「いつまでこの苦しい状況が続くのだろう」…万博が終わるまで続くのでしょう。
常識のある方に必ず言われること 「だから個人が出店するものではない!」
まさにその通り! なのは分かっています。だけど、大阪の料理人として、万博が好きな関西人として、挑戦したいんです。
バタバタ劇の中、僕が知ったことがあります。
『本当に困ってるとき。仲間って、気がつけば横に居てくれてる。』
本当に有難いこと。
とんかつ乃ぐちの創業時、中津のお店では、東洋一郎さん、烏山堂佐々木さんが居てくれてました。彼らプロデューサーが居ないととんかつ乃ぐちは無かったでしょう。当初、「普通に考えれば絶対無理なんだろうけど、承知で本気でやろう!」という言葉をかけてくれたことを思い出します。
近しい人ほど厳しい言葉をかけてくれます。親身な苦言を素直に聞けることが大事なんだなと。
たくさんの人たちにお世話になりっぱなし。色んな人に迷惑かけまくりです。
でも、なんだかんだ言いながら、多くの人が万博に興味があったりして。
そしてここで、僕はクラファンを立ち上げたいと考えました。
こんな奇妙なやつに少しでも興味があるなら一緒に体験して欲しい。生々しく万博乃ぐちを体験しませんか?
今回のとんかつ乃ぐちの挑戦も決して華々しくもスマートでもありません。
ただ、僕だけでは絶対無理で、たくさんのサポート無しには出店そのものが出来ませんでした。
万博を他人事に感じている方のうち、一人でも多く大阪・関西万博を身近に感じて頂けると本望です。
2015年ミラノ万博にて③
2025年2月に行われた「未来の食の楽しみ発表会〜EXPO FOOD COLLECTION 2025〜」プレス発表会に出席し、ご好評いただいております。
https://www.walkerplus.com/article/1243369/2.html
実現したいことでは色々と大きく謳いましたが、到底片手間で準備できる話ではないので注力するため店舗は現在休業中。個人店舗は金銭面はもちろんマンパワーにおいても火の車です。
進捗情報につきましては随時更新して参りますので、何卒、皆様の後押しお願い致します。
CAMPFIRE限定での全期間先行予約
とんかつ乃ぐちはEXPO 2025 EARTH TABLE〜未来食堂〜内にて出店いたします。
【通常利用】
・ランチ、一般ディナー 共に食事代¥6,800(1時間制)
・予約サイト、テーブルチェックにて毎月1日23時より翌1ヶ月分予約枠開放(半数)
・当日予約も予定しています
※予約方法に関しましては変更になる場合がございます。
※4月1日23時からは4月13日〜5月末までの開放となります。
【リターン】
CAMPFIRE限定でのEXPO2025 とんかつ乃ぐち先行予約となります。
前期間分のディナータイムを先行予約できるのはCAMPFIREにてご支援頂いた方のみです。
一般予約は60分制 → 120分に拡大
※注意※ 1席につき7000円のご支援が必要です
複数名でご利用予定の場合は人数分を購入ください
(※食事代は別途6,800円+飲料代が必要ですのでご注意ください。)
多くの来場者数が予想される大阪・関西万博。1日10万人を越える日があると言われています。現在世界で人気を博している日本食ブースは更なる混雑が予想されます。
応援頂く皆様のリターンとして、前期分のディナー先行予約枠を開放したいと思います。
大阪の料理人が晴れ舞台で腕を振るう姿とともに、関西発の新しいとんかつスタイルを是非ともご堪能ください。
《予約対象期間》
2025年4月20日~8月17日までの木、金、土、日曜限定
1.EXPO2025 とんかつ乃ぐち予約 ¥7,000
※ 18:00~スタートの時間帯のみ
備考
※万博乃ぐちの最も早い段階でのご予約が可能です。
【ご予約について】
リターンは「先行予約」「滞在60分が120分に延長」となっております。
お手数ですがプロジェクト購入後日ご予約サイトTableCheckによる手続きが必要となります。
ご理解の上、ご購入ください。
《対象期間》2025年4月20日~8月17日までの木、金、土、日曜限定
《予約時間帯》
18:00~20:00
《スケジュール》
2025年CAMPFIRE開始時 ディナー先行予約受付け開始
2025年4月1日23時 ランチ含め通常予約受付開始
ご予約は以下のリンクより予約サイトテーブルチェックにて受付期間内にお願い致します。
【リンク】
テーブルチェック|EXPO2025 とんかつ乃ぐち
https://www.tablecheck.com/shops/expo-noguci/reserve
とんかつ乃ぐちは、開店当初から「こんなのとんかつじゃない」「厳しいんじゃないか」「聞いたことがない」と多数の助言を頂きましたが、揺るぎなき信念を持って今まで進んできました。
今回もまた「聞いたことがない」と言われてしまったわけですが、店主はここで諦めることができる人間ではありません。誰も観たことがない景色を皆んなで楽しみたいのです。
最後までお読みくださり、誠にありがとうございます。
万博会場でも、そしてまた違う場所でも、お会いできる日を楽しみにしております。
最新の活動報告
もっと見るキャンプファイヤ限定先行ディナー予約は1席の予約に対して7000円のご支援が必要です
2025/03/21 14:11キャンプファイヤ限定先行ディナー予約は1名の利用に対して7000円のご支援が必要となります。1口のご支援では複数の席を予約出来ませんのでご注意ください。 もっと見る
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