はじめまして。岐阜県多治見市・山十窯(やまじゅうがま)三代目、加藤日出の妻、加藤宏子と申します。この度は、数あるプロジェクトの中からこのページをご覧いただき、本当にありがとうございます。
山十窯は、茶陶を中心に手がける美濃焼の窯元です。
祖父・加藤十右衛門は岐阜県無形文化財保持者として美濃焼の技術と精神を高め、父・加藤光右衛門がその志を受け継ぎ、そして現在、夫・加藤日出が三代目として作陶に取り組んでいます。家族で築いてきたこの窯は、まさに命と時間を注ぎ込んだ宝物です。
私はこれまで、全く異なる分野に身を置き、外から窯を見つめてきました。しかし、年を重ねるにつれて、伝統文化の担い手が急激に減っていく現状を目の当たりにし、この大切なものを「守る」だけでなく「届ける」ことの必要性を強く感じるようになりました。
主人・加藤日出は、寡黙で職人気質の男です。黙々と土に向かい、ただ誠実に、自らの信じる形を追い求め続けています。「父や祖父が偉大だったから、ちゃんとできて当たり前」――そんな重圧の中に身を置きながらも、一切の妥協なく、道具としての器の本質に真摯に向き合い、作陶に魂を込めています。

彼にとって器とは、ただの芸術作品ではありません。
茶道という文化の中で、静かに、しかし確かに存在する“脇役”として、空間や所作と調和しながら人の心に寄り添う器。それこそが美濃焼茶陶であり、主人のこだわりでもあります。
このプロジェクトを通じて、そんな彼の覚悟と技術、そして山十窯が積み重ねてきた歴史を、より多くの方に届けたいと願っています。
今この時代に、美濃焼茶陶という日本の知恵と美意識を残し、次の世代へと繋げるための小さな一歩を、皆さんとともに踏み出したいのです。
日本の美意識と精神文化を体現する、美濃焼の茶陶。
その一つひとつの器には、何百年もの時を超えて受け継がれてきた哲学と、職人たちの揺るぎないこだわりが込められています。
その背景には、桃山時代から続く日本独自の「茶陶文化」があります。
ただお茶を飲むのではなく、懐石料理に始まり、季節の菓子、床の間のしつらえまで――一服のお茶のために丸一日をかけて五感を尽くし、もてなしと静寂の美を味わう。
まさに「お茶のフルコース」ともいえる、奥深い世界です。
その中心にあるのが、茶の湯の心を映す器。時代を超えてなお、人々の心に寄り添い、そっと静けさと温もりを添えるその佇まいは、日本人の精神性そのものを映し出しています。
美濃焼の茶陶は、茶道の席において欠かせない存在です。
茶碗をはじめ、花入れや食器など、一つひとつが丁寧に選ばれ、その場にふさわしい「道具」として用いられます。
しかし、それらの器は単なる実用品ではありません。
茶室という限られた空間の中で、掛け軸や花、光と影とともに調和し、まるで一幅の絵のように、その場の空気や時間までも演出する存在へと昇華していくのです。
そこにあるだけで空間に深みを与え、静けさと気配を語る器たち。
それは、使う人の心に寄り添い、一期一会のひとときをより豊かに彩ってくれる、まさに美の結晶です。
美濃焼の魅力は、その表現の幅広さにもあります。
一つひとつが芸術品のような高級茶陶から、日々の食卓を彩る器、そして建築空間を演出するタイルに至るまで――美濃焼は、あらゆるかたちで私たちの暮らしに寄り添い、その中に美を宿しています。
「美濃焼」という名前のもとに広がるのは、ただの焼き物ではありません。素材の温もり、釉薬の表情、炎の偶然が織りなす唯一無二の風合い。そこには、自然と対話し、時間と向き合いながら育まれてきた、豊かで奥深い世界があります。
使うたびに、見るたびに、新たな発見と感動をもたらしてくれる――それが、美濃焼の真の魅力なのです。

美濃焼茶陶は、単なる「美しい器」ではありません。
それは、使う人の所作や心の動き、静かに流れる時間、そしてその場の空気と呼応しながら完成していく――まさに「共に生きる芸術」です。
そして、三代目陶工・加藤は、ただ土をこね、形を作るだけの職人ではありません。
自ら茶道を学び、点前の流れや所作を身体に染み込ませ、茶の湯の精神を深く感じ取ることで、初めて茶席にふさわしい器を生み出せると考えています。
一滴の雫が茶碗の縁を伝い、最後に残すその“景色”までもを意図し、焼き上げる――その繊細な感性と技こそが、加藤の美濃焼に息づく真髄です。目には見えない細部にまで、長い年月をかけた思索と、揺るぎない信念、そして静かに燃え続ける情熱が込められているのです。
このクラウドファンディングで私たちが目指しているのは、美濃焼茶陶の奥深い魅力を、より多くの人に「感じて」もらうことです。
「茶陶(チャトウ)」という言葉や世界に初めて触れる方に、その存在を知ってもらい、心を動かすきっかけにしてもらいたい。そんな想いを込めています。

実を言うと、私自身も山十窯に関わるまで、「茶陶」という言葉の意味や役割を知りませんでした。
家族として近くにいながらも、関心を持ち、学んで初めてその深さと美しさに触れることができました。だからこそ今、まだこの世界に出会っていない人がたくさんいると確信しています。
それは裏を返せば、無限の可能性が広がっているということです。
茶陶に触れる人が一人増えれば、それだけで文化が動き出す。器を通して感じる日本の美、時間の流れ、所作の重み。それらすべてが、心の豊かさを生み出してくれます。

日々の暮らしの中で、何気なく淹れているお茶。
そのひとときに、ほんの少しだけ「器の物語」を重ねることで、見える景色が変わります。
茶陶に込められた作り手の願い、受け継がれた知恵、美の感覚。それを知ることで、お茶の時間はもっと意味のある、深いものになると信じています。
このプロジェクトを通して、私たちは「器」と「文化」と「人」との縁を紡いでいきたいと考えています。茶陶が持つ魅力を、感じ、共鳴し、暮らしの中に迎え入れていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
一人でも多くの方にとって、茶陶との出会いが、新しい価値観や豊かさを生むきっかけとなりますように。そんな願いを込めて、挑戦を続けてまいります。
今回のクラウドファンディングでは以下のリターンを用意しました。
【織部 弥七田風銘々皿】

日常に、静かな美を添える一枚。
三代目・加藤日出が手がける、弥七田風の織部銘々皿をお届けします。
弥七田織部ならではの力強さと、深みある緑釉の表情。
径15cmの使いやすいサイズで、和菓子や料理を美しく引き立てます。
お好きな文字を3文字まで刻印可能。
あなただけの特別な一枚としてお仕立てします。
桐箱にお納めしてお届けするため、贈り物や記念品としてもおすすめです。
<内容>
・織部 弥七田風銘々皿(径15cm) 1点
・文字入れ(3文字まで)
・化粧箱入り
・窯印
日常に、小さな特別を。
※送料込みのお値段です。
※お入れする文字はメールで確認させていただきます。
【織部銘々皿(桐箱入り)】

日常に、静かな美を添える一枚。
三代目・加藤日出が手がける織部銘々皿をお届けします。
深みある緑釉と土の表情が生み出す、唯一無二の景色。
和菓子や料理を引き立て、暮らしにさりげない豊かさをもたらします。
お好きな文字を3文字まで刻印可能。
あなただけの特別な一枚としてお仕立てします。
桐箱にお納めしてお届けするため、大切な方への贈り物や記念品としても最適です。
<内容>
・織部銘々皿 1点
・文字入れ(3文字まで)
・桐箱入り
・窯印
日常に、小さな特別を。
※送料込みのお値段です。
※お入れする文字はメールで確認させていただきます。
【弥七田 抹茶茶碗】

手のひらに、力強さと静けさを宿す一碗。
三代目・加藤日出が手がける、弥七田織部の抹茶茶碗をお届けします。
弥七田織部ならではの大胆な意匠と、深みある緑釉の景色。
土の力強さと炎の表情が調和し、唯一無二の存在感を放ちます。
約13×7cmの手に馴染むサイズで、点てやすく、日々の一服にも自然と寄り添います。
茶の湯の時間をより豊かに、そして静かに心を整えるひとときを演出する一碗です。
<内容>
・弥七田 抹茶茶碗(約13×7cm) 1点
・化粧箱入り
・窯印
日常に、深みある一服を。
上記以外にもリターンをたくさん用意しております。
ぜひリターン一覧をご覧ください。
2026年5月 クラウドファンディング開始
2026年6月末 クラウドファンディング終了
2026年8月以降随時 リターン発送
美濃焼茶陶には、まだ多くの方が知らない魅力が眠っています。
静かに、ひたむきに、土と火と向き合いながら器を生み出す一人の職人。その手から生まれる茶陶は、ただ使うための道具ではなく、人の心と空間をつなぎ、日本の美意識を今に伝える文化そのものです。
その文化を、次の世代へとしっかりと引き継ぎたい。
そしてさらに、現代の暮らしの中でもその価値を感じてもらえるよう、新たな形で発信していきたい。それが、私たちの願いです。

わたしたちはこのプロジェクトを通じて、本物の美濃焼茶陶にこだわり広めて行くことを目指しています。
けれど、そんな未来は、私たちだけでは決して実現できません。
この文化を守り、育てていくのは、応援してくださる一人ひとりの力に他なりません。
あなたは、器を手に取ったとき、そこにどんな物語を感じるでしょうか?
土の感触、釉薬の色、炎の痕、職人の手の跡――そのひとつひとつに込められた想いを感じていただけたなら、それはもう、ただの“物”ではないはずです。

器を通して、日本の文化と向き合い、自分の時間を豊かにする。
そのきっかけを、私たちは皆さんと分かち合いたいのです。
この文章をここまで読んでくださったあなたに、心から感謝します。
どうか、あなたの力を、あなたの思いを、美濃焼茶陶の未来に重ねてください。
ご支援、そして応援を、どうぞよろしくお願いいたします。













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