ごあいさつ
はじめまして。認定NPO法人 自然再生センター副理事長の小倉加代子と申します。

私たちの活動拠点は、島根県東部に広がる中海・宍道湖。斐伊川からの淡水と日本海からの海水が混じりあう、全国有数の汽水湖です。宍道湖ではヤマトシジミ、中海ではサルボウガイ(赤貝)をはじめとする豊かな湖の幸が育まれ、地域の暮らしを支えてきました。
大根島
美しい宍道湖の夕日
しかし近年、この湖では海藻や水草が繁殖しすぎ、やがてヘドロ化して水質を悪化させています。
宍道湖から流れる天神川の水草
そこで私たちは、この「地域の課題」を「資源」として、畑に敷き込み土壌改良として活用し
サツマイモを植え、育ててきました。
水草を混ぜた土は乾きにくく、雑草も生えにくい。
ミネラルたっぷりの土で育ったサツマイモは、甘みが増し、美味しく育ちます。
そんな自然の恵みを次の形につなげたい――そうして生まれたのが、
この焼酎づくりの取り組みです。
では、なぜ“焼酎”なのか。
私はもともと自然科学の専門家ではなく、
地域で事務や会計の仕事をしていた、ごく普通の主婦でした。
好きだった「自然」を仕事にしようと「自然再生センター」の仕事に応募し、
この仕事を始めました。
この仕事を通して、大学の先生や専門家、そして地域に暮らす人たち。
それまで少し遠い存在だった両者をつなぐ“橋渡し”のような役割に、
次第に使命を感じるようになりました。
畑で土に触れたり、水草を取ったりする中で感じたのは、
「自然に触れること」は「人が心地よく生きること」と「自分にやさしくなれること」につながっている、ということ。
だからこそ、目に見える環境活動だけではなく、
誰もが「楽しく」「おいしく」「話したくなる」という形で、
関われるものにしたいと思いました。
焼酎づくりを選んだのは、そのためです。
お酒を飲みながら語り合う空間は、
人と人との距離を近づけてくれます。
そこには、笑い声があり、
心がふっとほどけるような優しい時間が流れています。
そんなひとときが、
自然にも人にもやさしい循環の一部になれば——。
この焼酎づくりには、そんな想いを込めています。
一杯の焼酎を通して、
「自然にも、人にも、自分にもやさしくなれる」。
そう感じてもらえたら、これほど嬉しいことはありません。
湖がきれいになり、畑が豊かになり、
そしてその芋から本格的な焼酎が生まれる。
それは、自然も人も喜ぶ“循環”のかたちです。
(自然にも、人にも、自分にもやさしい“循環”のしくみ)
今回、その焼酎をより多くの方に届けるため、
クラウドファンディングに挑戦することにしました。
どうか、あたたかいご支援をよろしくお願いいたします。
自然再生センターとは
私たち自然再生センターは、2007年に島根大学を中心として専門家たちによって設立された認定NPO法人です。
山陰で初めて認定NPOの資格を取得し、中海・宍道湖地域の自然再生と地域の活性化を目的に活動を続けてきました。
法人設立当初から、自然再生推進法に基づく法定協議会「中海自然再生協議会」の運営事務局を担い、「地域の和」「科学の目」「自然の力」を合言葉に自然再生や地域との連携を柱に事業を展開しています。
取り組んでいる事業
かつて中海では、海藻「オゴノリ」を肥料や寒天の原料として活用し、環境と人の暮らしがつながる循環型社会が営まれていました。
しかし化学肥料の普及や農薬の影響で、その循環は途絶えてしまいました。
そこで私たちは「オゴノリング大作戦」として、再びオゴノリや宍道湖の水草を資源に変え、畑での作物づくりにつなげる取り組みを進めています。
中海・大根島の耕作放棄地を整備し、刈り取った藻を肥料に活用。地域の方とともにサツマイモや大豆を育て、収穫イベントや販売を通じて「環境」「人」「地域経済」がめぐる循環を再構築しています。
2019年度からは「畑部」を立ち上げ、会員やボランティアが継続的に参加できる仕組みを整備。この取り組みは2021年度より一般財団法人セブン・イレブン記念財団からの助成金を活用し、人件費をまかないながら継続してきました。そうして積み重ねてきた活動を、次世代へと発展させています。

今年のオゴノリング大作戦の活動
2025年7月 天神川の水草刈りの様子
地元の中学生と一緒に、たくさんの水草を刈りました
刈った水草を畑に運び、敷き詰めていきます
今年の夏は記録的な暑さが続きました。
それでも、畑のサツマイモたちは、ぐんぐんと元気に育ってくれました。
今年のサツマイモは、まさに“持っている”サツマイモでした。
苗植え前の雨が土を整え、植え付けの日は快晴。
そして9月下旬、芋掘り当日は、
直前までの雨が嘘のように上がり、空が晴れていきました。
まるで天の神様が味方してくれたような、自然の流れがぴたりとハマった年。
そんな恵まれた畑で、たくましい芋が育ちました。
芋掘りの様子

中学生には、この活動の説明をして理解を深めてもらいます

地域の方々や地元の中学生、関係者の皆さんと一緒に掘り起こす光景は、
毎年の楽しみであり、努力が実を結ぶ瞬間です。
畑は少し離れた2カ所にありますが、そのうちの1カ所の畑では、
大ぶりで旨みのある芋が多く収穫できました。
こうして掘り上げた芋のうち約900kgを、
次の循環のステップである“焼酎づくり”へとつなげていきます。
(参考リンク)
2025年度は「オゴノリング大作戦・リトリートも楽しむ芋焼酎プロジェクト」として以下のような事業を実施しました。
焼酎づくりに込めた想い
焼酎の製造を担うのは、延宝元年(1673年)創業の老舗・稲田本店さん。
かつて休止していた焼酎づくりを「技術を絶やさないために」と再開し、この挑戦に力を貸してくださいました。
“地域の資源から生まれる焼酎”というこの取り組みの趣旨に深く共感してくださり、試行錯誤を重ねながら製造に取り組んでくださっています。
仕込みの始まりには、私たちも一緒に「芋きり」の作業を行いました。

収穫した芋を一つひとつ丁寧に切り分けていくその作業は、焼酎づくりの第一歩。
杜氏さんの手元に並ぶ芋を見ながら、「この芋が焼酎になるんだ」と実感が湧く、静かな感動の時間でもありました。
杜氏さんと一緒に、一つひとつ芋を切る作業を行いました
杜氏の信木さん:「今年は蒸留方法を見直し、より芋の風味とコクが引き立つ仕上がりを追求しながら、より本格的な仕込みに挑戦しました。大ぶりな芋が多く、旨味のある出来になるのではと考えています。芋を生産していただいた皆さま、ご支援していただく皆さまのご期待の沿える芋焼酎になるよう、心をこめて造って参ります。」
ソーダ割りにして、爽やかに
本気の一本に仕上げるために
今回の焼酎は「良いことをしているから飲んでください」ではなく、味もデザインも徹底的にこだわり、胸を張っておすすめできる商品を目指しました。
若い世代の方にも手に取っていただけるよう、味わいはすっきり飲みやすく、飲み終わった後も部屋に飾りたくなるような瓶の色とラベルにしました。
渦潮や水滴を思わせるデザインに
デザイナーの永瀬さん:「湖や活動を通して未来へつながる「循環」を象徴する二重の円に込められています。内側は穏やかに澄んだ水、外側は鮮やかな水面を見せ、渦潮や水滴を思わせるデザインで、自然の美しさや壮大さを印象的に表現しました。」
地域の課題であった水草や藻を資源に変え、畑で育った芋を焼酎に仕立てる。さらにラベルも工夫し、より広い年齢層の方々に楽しんでいただき、多くの人にこの循環の取り組みを知ってもらいたいと考えています。
まさに「本気の一本」。
一杯のお酒を楽しむことが、湖と畑を守り、そして酒づくり文化を未来へとつなぐ。
そんな新しい循環を、どうか一緒に広げてください。
今回のプロジェクトで実現したいこと
これまでの取り組みの中で、湖の藻や水草を肥料に変え、芋を育て、焼酎を仕込む――という循環の試みを地域の方と一緒に行ってきました。
しかし今回の挑戦は「良いことをしている活動」に留まりません。
NPOが“本格商品”を世に送り出すという、新しい挑戦です。
良いことをしているだけでは続かない。
活動を持続可能な形に変えるために、「買って参加できる仕組み」をつくりました。
「社会に良いことだから買う」のではなく、「本当に美味しいから飲みたい」と思える焼酎にすること。
そうしてはじめて、活動は広がり、持続していくと考えています。
何回かに分けて、サツマイモを蒸します
今回のクラウドファンディングでは、この焼酎をより多くの方に届け、応援の輪を広げたいと思います。
あなたが手に取ってくださる一杯が、この挑戦を未来へつなげます。
ぜひ、この循環の仲間になってください。
資金の使い道について
今回のクラウドファンディングでいただいたご支援は、
この「自然にも、人にも、自分にもやさしい循環」をこれからも続けていくために、大切に活用させていただきます。
中でも特に力を入れているのが、焼酎づくりの顔となるラベルデザインとボトル製作です。
ボトルは、飲み終わった後もそばに置いておきたくなるような
色と形にこだわった瓶を選びました。
デザインは、中海を挟んで島根県と隣り合う鳥取県米子市のデザイナーさんに依頼。
「自然再生センターがある島根県だけで完結するのではなく、
中海をまたぐ島根と鳥取の“架け橋”のような取り組みにしたい」
そんな思いも込めています。
この取り組みをより多くの方に知っていただくための広報費、
そして、畑の管理や作業の節目ごとにプロの目線でアドバイスをくださり、
私たちの活動を支えてくださる方々の人件費にも充てさせていただきます。
(私たちだけではここまで育てるのは到底難しく、本当に心強い存在です。)
さらに、サツマイモの苗の購入にも活用させていただく予定です。
みなさまからのご支援が、湖と畑、そして地域の人々をつなぐ新しい循環を支える力になります。
どうか、これからの一歩を一緒に育ててください。
最後に
私たちの原点は、「誰かの役に立ち、喜んでもらえる活動」です。
利益を目的とせずとも、「自然にも、人にも、自分にもやさしい循環」をつくり、
継続可能で公的な意義のある仕組みを目指しています。
今回のクラウドファンディングは、資金を集めることだけが目的ではありません。
この取り組みを通して、自然再生センターの活動に関心を持ち、
地域のこと、自然のこと、人のつながりのことを考える“きっかけ”になってほしいと願っています。
地域の課題を、体験を通じて感じてもらっています
クラファンに参加してくださることで、私たちの輪に新しい風が吹き込みます。
前向きに挑戦する人たちとつながり、組織に刺激と活力を与え、
ともに未来をつくっていく原動力になると信じています。
そして何より、この挑戦そのものが「伝えていくためのツール」です。
地方にある小さなNPOが、自分たちの手で地域やNPOのあり方を変えていこうとする——
その歩みが、他の地域や団体にも希望として広がっていくことを目指しています。
この焼酎を手に取ってくださることは、自然を守る活動への参加そのものです。
中海・宍道湖の豊かな景色を次の世代に残すために、どうかあなたの力を貸してください。

一緒に、このやさしい循環を広げていけることを、心から願っています。
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通信販売酒類小売業免許を有する「株式会社稲田本店」から直送します。
酒類販売免許:米法第550号
※20歳未満の者による飲酒は法令で禁止されています。20歳未満の方はお酒を含むリターンを選択することはできません。
最新の活動報告
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みなさんありがとうございました!
2025/12/03 12:00みなさまのご支援・ご協力のおかげで、クラファン初挑戦でしたが、152人の方のご支援により無事に目標金額を達成し、さらに目標金額以上となる 1,760,800円もの金額が集まり、11月30日をもちまして、募集終了いたしました。11月3日に募集開始し、みなさんとのチームワークで 楽しく一ヶ月間 いやそのずっと前からご一緒できたからだと思っています。中海・宍道湖を守るため、この活動にご賛同、ご協力いただきましてありがとうございました!今回いただきましたご支援は、大切に今後の事業展開に使わせていただきます。今後ともオゴノリング大作戦を見守っていただきますよう、引き続きよろしくお願いいたします。返礼品の準備も着々と進んでおります。お手元に届くのを楽しみにお待ちください(#^^#) もっと見る
最終日です!
2025/11/30 12:00初挑戦となるクラファンも、今日が最終日!!みなさまのご支援、ご協力のおかげでなんと現在 支援者数150名 達成率115%(11/30 11時時点)となりました!多くの皆さまにご支援いただき、最終日まで走ることができました。本当にありがとうございます。残す所12 時間をきりました!最後まで応援していただけたら嬉しいです!よろしくお願いします(^^)クラファン挑戦は本日最終日!! ▼自然再生センタークラファンページ▼ https://camp-fire.jp/projects/878090/view ▼自然再生センターInstagram▼ https://www.instagram.com/sizen.saisei.center/ ▼自然再生センターFacebook▼ https://www.facebook.com/sizen.saisei ▼自然再生センターHP▼http://www.sizen-saisei.org/ もっと見る
芋焼酎のチラシが完成しました(*^^*)
2025/11/29 12:00芋焼酎のチラシが完成しました\(^o^)/「飲んで湖を守る」自然にも、人にも、そして自分にも優しくなれる焼酎。その一杯を、どうぞお楽しみください。みなさまのご支援、ご協力おかげで、現在146人、達成率113%(11月29日10時時点)となっております!のこり1日!最後までどうぞよろしくお願いしますクラファン挑戦は11月30日まで!あと1日! ▼自然再生センタークラファンページ▼ https://camp-fire.jp/projects/878090/view ▼自然再生センターInstagram▼ https://www.instagram.com/sizen.saisei.center/ ▼自然再生センターFacebook▼ https://www.facebook.com/sizen.saisei▼自然再生センターHP▼ http://www.sizen-saisei.org/ もっと見る






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