「女子に学歴はいらないでしょ」「女の子なのに上京するの?」
このような心無い言葉をかけられることが、このジェンダー平等が叫ばれるご時世に実際にあるとあなたは想像できますか?
これは実際に日本の地方で、今なお女子学生がかけられている言葉です。直接親に言われることもあれば、親戚など周りの人に言われることもあります。
首都圏にあるレベルの高い大学にいけるだけの能力とやる気がある地方女子の可能性を、このような言葉によって摘み取ってしまうのは、非常にもったいないことだとは思いませんか?

そんな心無い言葉をかけられる地方女子をゼロにしたい
私たちは、そんな課題を解決したいと思い活動しているNPO法人#Yourchoiceprojectです。2021年より、以下の二つのミッションを掲げ活動しています。
そしてこの二つのミッションに対し、それぞれ次のような活動を行っています。

地方女子の置かれたこの課題を解決するためには、このように多様な方面からのアプローチが必要です。その中でも、地方女子自身に「様々な選択肢がある」ということに気づいてもらうためには、ロールモデルの存在が不可欠であると考えています。
少なすぎるロールモデル
例え周りの悲しい言葉に彼女たちが屈しなかったとしても、地方女子の上京・進学には、さらに障壁があります。それは、同じような環境から実際に目標とする進学先を選んだロールモデルの不在です。首都圏の学生や男子学生と比べ、地方女子にはこのロールモデルが圧倒的に不足しています。同じ地域から首都圏に進学したという知り合いのいない状況では、地方女子にとって状況のハードルがとてつもなく高いものとなってしまい、それが原因であきらめてしまうことがあるのです。
地方女子にロールモデルを
地方女子が上京しての進学を志したとき、周りに同じような進路を選んだ人が少ないために、イメージができないということに私たちは着目しました。同性の現役の大学生と月一で面談する機会を提供することで、彼女たちに上京することの実感を持ってもらいたい。そのような思いで始まったのが私たちの活動の主軸ともいえるメンタリング事業です。
#YCPはこれまで総勢100名以上にメンタリングを届けており、この春には一期生が卒業しました。彼女たちに対して行った効果測定では、学習モチベーションの向上や、進路選択の視野の広がりが実証されました。また、卒業した一期生の中には、今度はメンタリングを提供する側として#YCPの活動に協力してくれている人もいます。
メンタリング卒業時のメンター(大学生)とメンティー(地方女子)の記念写真
メンタリング運営メンバーからのコメント



私たちはこのメンタリング事業を強化し、来年には年間100名の地方女子高校生へメンタリングを実施したいと考えています。
来年強化したいその他の事業
メンタリング以外にも、目標とする社会の実現に向けて、来年度強化したいと考えている事業を説明します。
政策提言
政策提言事業にも力を入れたいと考えています。国や自治体の政策分析、ヒアリング、進路選択についての調査などに取り組み、データを基にした政策提言を目指します。他団体との連携も推進しながら、課題意識を共有する人の輪を広げていきます。こうした地道な活動が少しずつ社会全体の意識を変えていくと考えています。

コンテンツ制作事業
学校や保護者の方に向けてのコンテンツの充実にも力を入れて参ります。思っている以上に様々な選択肢があることやジェンダーバイアスが気づかずに可能性を狭めてしまうことについて知ってもらうことで、地方の高校生や周囲の方の意識を変えていきたいと思っています。今年度も複数の高校で講演会を実施しており、来年はさらに訪問校を増やしていきたいと考えています。
また、より早い段階でジェンダーバイアスに気づき、視野を広げられるためのきっかけ作りや、地方女子を取り巻く大人たちの意識変容を促すようなコンテンツ作りにも取り組んでいきたいと考えています。

私たちについて
ここで、改めて#YCPがどのような団体か説明させていただきます。
私たち#YCPは東大学生発のNPO法人で、今年設立4年目を迎えました。生まれた地域や性別に関係なく、誰もが自由な進路選択をすることを邪魔されない社会を目指して活動しています。
地元に縛られない進路選択を目指す地方女子は、周囲から反対されることが多いだけでなく、目標や指標とするべきロールモデルも少なく、進学が非常に困難になるケースが多くあります。これに課題意識を見出し、私たち#YCPは現状を改善すべく、NPO法人として高校生のビジョンを広げるメンタリング事業を中心に様々な事業を展開しています。
団体設立2年目の2023年に行った前回のクラウドファンディングでは400万円を超える寄付をいただきました。それから2年、私たちは目標とする社会の実現のため、再びクラウドファンディングを行っています。
2年前のクラウドファンディング
団体設立から2年目の2023年に私たちが行ったクラウドファンディングでは、300名近い皆様の温かいご支援のおかげで、400万円を超える寄付が集まりました。また、前回のクラウドファンディングをきっかけに#YCPを知っていただいた方も多く、この2年間の飛躍の大きなきっかけになりました。この寄付金はメンタリング事業、調査事業などを行う際に、非常に重要な資金となりました。改めて、温かいご支援ありがとうございました!
*詳しくはこちら

私たちが再びクラウドファンディングを行う理由
このように、この2年間で私たちは着実に成長し、活動もかなり安定してきました。
しかし、まだまだ私たちの目標である自由な進路選択が保証された社会は実現していません。今でも東大における女子学生の比率は2割程度にとどまったままで、その中でも地方女子の比率は8%です。今も地方では女子であることを理由に首都圏への進学を断念する学生がいるのです。
社会に大きな変革を起こし、この問題を解決するにはさらなる成長が必要だと私たちは感じています。メンタリングや調査事業など、#YCPの強みともいえる活動をこれからも地道に続けていくとともに新たな活動にも力を入れていく必要があります。
地方女子の進路が狭められているという課題がなかなか解決しない要因の一つに、当事者である彼女たちがこの問題を認識していない場合が多いことがあります。「女の子は親のところにとどまる」という考えを「普通のこと」ととらえ、兄や弟と進学において差が生まれていてもそれに対して疑問を抱かない地方女子が多いのが現状です。
500万円の使い道
来年度一年間の活動予算となります。2025年11月時点で来期の予算を検討し算出しています。活動状況により変動する可能性がありますが、いただいたご支援は活動推進のため大切に使わせていただきます。

<内訳>
メンタリング事業:400万円
政策提言事業・・・調査事業:50万円
コンテンツ制作事業・・・学校への講演等:50万円
地方女子を取り巻く現状
私たちの活動について、人によっては感覚的なものに基づいた、女性目線に偏った意見だと考える場合もあります。
それを避けるため、私たち#YCPは問題を可視化するため、綿密な調査を重ね、データを用いて科学的に実証してきました。そこで見えてきたのは以下のような課題です。
①「女子は地元に」のジェンダーステレオタイプと東京への強い忌避感
保護者や周囲からの圧力は、当人に大きな影響を及ぼします。兄弟の中でも男の子には上京しての大学進学を勧める一方で、女の子に対しては地元に残ってほしいと願う保護者も少なくありません。中には、女の子が上京することに反対し、学費や生活費を支援しないという家庭もあります。
②地方女子学生は偏差値の高い大学に進学することにメリットを感じていない
人によって進学選択において何を重要視するかは様々です。その中でも地方女子ほど、「偏差値の高さ」を重要視しないことがわかりました。これには、「上京してほしくない」や「女の子がそこまで勉強を頑張らなくて良い」といった周囲の価値観が影響していると考えられます。

③地方女子学生は資格取得を重視する傾向にある
優秀な地方女子が上京しない理由の一つに、資格取得傾向があります。この問題点は、資格取得以外に将来のロールモデルが少なく、「資格を持っていると結婚・出産を経ても不利益を受けない」というバイアスに流されて、他の選択肢を閉じられたまま資格取得を目指してしまうことにあります。
④地方女子学生は自己評価が低い
同程度の成績でも地方女子ほど自己評価が低く、自分が都心部の難関大学に受かるという自信がないことがわかりました。これも、先ほどの「女の子は地元に」という圧力の副産物であると考えられ、「自分には無理だ」と自らの可能性を狭めてしまう地方女子が多くいるのです。

改善されない日本のジェンダーギャップ
改めて、#YCPが取り組む課題である、日本のジェンダーギャップの現状についてお伝えします。
「日本のジェンダーギャップ指数が先進国の中で最低」というニュースをもう何年も聞き続けています。なぜ、日本のジェンダーギャップは何年も言われ続けても、改善されないのでしょう。日本のジェンダーギャップが最も大きい分野は「政治」と「経済」であるといわれています。それを是正するために、国会や企業などで女性の積極的な登用が進められています。
それでもなお、日本の男女平等は国際的な水準には達していないのが現状です。
私たちはこの問題の根底にあるのは「東大における女子学生の比率が2割であること」、「地方女子学生の比率が8%であること」、だと考えています。ジェンダーギャップ指数の指標において、教育は低くはないのですが、高等教育に絞るとかなり順位が低くなります。
政治や経済の中心にいるのは難関大出身者です。難関大に進学する人が男性ばかりでは、その後の日本の中心で活躍する人は男性ばかりになってしまうのです。つまり首都圏にある難関大に地方女子が進学しない現状が変わらなければ、政界や経済界に女性が進出できないというジェンダーギャップを根本から正すことはできないのです。

クラファン後の2年間について
まず、私たち#YCPは地方女子が抑圧されている、という感覚をデータを用いて実証してきました。これは、私たちの課題意識を「個人的な感想」と一蹴されないために非常に重要なことです。その調査事業もこの2年間で非常に効果的なものができたと感じています。地方の学生が上京するときに大きな助けとなる県人寮で女子学生の受け入れが進んでいないことを明らかにした2024年度の調査報告は大きな話題となり、様々なメディア(朝日新聞,毎日新聞など)に取り上げていただきました。それらの調査をもとに多くの議員の方(森まさこ参議院議員への政策提言,山田洋平奈良県議会議員との対談)にお話をすることもできました。
調査結果報告の記者会見の様子
また、東京大学総長賞をいただいたり、「今注目すべき『世界を救う希望』100人」に創設者(Co-Founder)の二人が選ばれたりするなど、様々な方・団体に私たちの活動を評価していただきました。
東京大学総長賞受賞の際の写真(左)と「今注目すべき『世界を救う希望』100人」に選出された際のForbesの表紙(右)
そして、光文社さんから新書『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』を出版できたことも大きな成果です。Co-Founderの二人が、#YCPの掲げる「地方女子が上京して大学進学することが抑圧されている」という課題意識を広く知っていただくために出版したものです。私たちが長い時間をかけて行った調査をもとに執筆した力作となっており、非常に大きな反響をいただくことができました。

また、#YCPでは地方女子学生のエンパワーメントや社会のジェンダーギャップの可視化を目的とした情報発信も行っています。2024年の7月からはHPに加えてnoteでの発信を開始し、これまでに66,000人以上の方にご覧いただいています。
団体としてもNPO法人となっただけでなく、団体内部でも創設者二人の卒業や、新代表の誕生、新メンバーの加入などの代替わりが行われ、課題解決のために、持続的な活動が運営できる体制へと少しずつ移行しています。
最後に
この2年間で私たちの課題意識が多くの人に共有され、共感してくださる方も増えてきました。その一方で批判を受けることも多くなり、非常に苦しい思いをした時もありました。それを乗り越え、ここまで活動してこられたのは、ひとえに応援してくださる皆様のおかげです。これからも私たち#YCPは「誰もが自由に自分の将来を決めることができる社会」の実現のために全力で活動していきます。
今後とも応援よろしくお願いします。
<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
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支援者100名突破!!
2025/11/29 08:00この度、クラウドファンディングの支援者が100名を突破しました!これまで支援・拡散してくださった皆様、本当にありがとうございます。クラファン終了まで残り一日となりました。少しでも多くの方に#YCPの活動を知っていただき、支援いただけるよう、最後までご支援・ご協力よろしくお願いします! もっと見る
ポリタスTVに代表の古賀が出演しました!
2025/11/17 18:26#YCPの代表・古賀がポリタスTVさんのYoutube配信に出演させていただきました!東京大学の先輩でもある藤井セイラさんと一時間近く対談させていただきました。団体のCo-Founderの著書『なぜ地方女子は東大を目指さないのか』や今回のクラファンのことも取り上げていただいています。ぜひご覧ください! もっと見る
設立4周年記念イベントを開催しました!
2025/11/16 20:27設立4周年記念イベントを開催しました!15日に#YCPの設立4周年を記念してイベントを開催しました! お集まりいただいた皆様本当にありがとうございました。今回の周年イベントでは、代表の古賀からこれまでの活動とこれからの発展についての話や、現在共同で事業を行っている東北大学の矢ヶ崎先生との対談を行いました。また、参加者の皆様と団体のメンバーが交流する時間では、#YCPのメンバーたちの思いを知っていただくとともに、参加者の皆様からのご意見を伺うこともでき、大変充実した時間でした!これからも#YCPは地方女子が自由に進路を選択できる未来を目指して活動していきます。引き続きご支援・ご協力よろしくお願いします。 もっと見る







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