一本杉通り振興会です。震災から復興に向けた活動にご支援いただいている皆様に今一度感謝を申し上げます。
一本杉通り商店街は石川県の能登半島の玄関口である七尾市にある、600年の歴史を持つ商店街です。北前船時代からの伝統文化や明治の大火を耐え抜いた「土蔵造り」の建物が立ち並び、歴史と人情の町として多くの方々から愛されてきた地域です。しかし令和6年能登半島地震により、古き良き街並みが崩壊し、多くの商店が厳しい状況下で営業を続けなければならない事態となりました。このような状況の中、さらに人通りが減少してしまった一本杉通りの活性化と能登復興を願い、昨年は復興イベント「一本杉復興マルシェ」を毎月開催して参りました。一本杉復興マルシェでは地元の方々に元気を与えたい想いで活動を続けてきましたが、今回実施させていただく「うますぎ一本杉」では、全国ひいては世界から人が集い、復興への呼び水にしたい想いでプロジェクトを開始しました。
「うますぎ一本杉」は能登を代表するミシュラン星付きのレストランをはじめとした石川県内の有名飲食店、キッチンカー、ワークショップ、屋台が約400mに及ぶ大通りにずらりと立ち並ぶ「食」の祭典です。かつて一本杉通りの光徳寺の報恩講である秋の大市をリニューアルした、老若男女が食やワークショップを楽しめるイベントとなっております。
【開催日時】2025年11月3日(月・文化の日) 11:00~15:00【出店者】一本杉川嶋などの飲食店、ワークショップ(約50店舗)+屋台(約20店舗)【同時開催】丸亀市観光物産市@花嫁のれん館前
【過去の様子】
「うますぎ一本杉」を通じて、私たちが達成したい目標が3つございます。
①能登・七尾を食の小さな世界都市に 一本杉通りに店を構える日本料理店「一本杉川嶋」の川嶋亨氏の熱い想いから生まれた目標です。食は人々を結びつけ、地域を超えて楽しめる最大のキラーコンテンツです。この「うますぎ一本杉」が、七尾の青柏祭と並ぶ日本一の屋台村、食フェスタになることを目指しています。
②商店街の活性化国内外からの観光客を誘致し、既存の商店街店舗の利用を促進します。イベントを通じて地元の商店や食文化のすばらしさをより多くの人々に知っていただく機会とします。
③新規店舗の出店促進イベントを通じて、商店街でのビジネス機会を魅力的に伝え、新規店舗の出店を検討する企業や個人を増やします。
プロジェクト立ち上げに至った背景を一本杉通りの歴史とこれまでの活動と共にお話させてください。
【一本杉通り商店街の歴史】
600年前、戦国武将・前田利家が築いた城下町から始まった石川県七尾市の「一本杉通り商店街」。一本杉通りは歴史と伝統が息づく情緒あふれる商人の街で、江戸時代から明治時代にかけて、大阪と北海道を結ぶ「北前船」の重要な寄港地として栄えました。北前船により日本各地の物産品が一本杉通り商店街に集まり、北海道から運ばれた昆布や、温暖な地域から取り寄せた材料を使った和ろうそくなど、当時の風情を今に伝えるお店が軒を連ねていました。現在でも、伝統を受け継ぎながら、約40〜50軒の個性豊かな店舗が並んでいます。また、花嫁のれんという婚礼の風習も残っており、「出会いの町・一本杉」として、ここだけの品々や人情、歴史を感じられるのが一本杉通り商店街の魅力です。
【震災前の活動】
かつては北前船で栄えた町も、今や空き店舗が目立ち、地域の過疎化と共に人通りも減少しております。それでも、「人の繋がりを感じられる商店街に新しい客層を入れて活性化させたい」という強い思いを胸に、秋の大市のリニューアルという新たな挑戦が始まりました。テーマは「食」です。能登・七尾の豊かな食材を活かしたイベントを開催し、この地を「食のまち」として世界に周知されることを目標にしました。この挑戦は、単なる話題作りでは終わりません。訪れた人たちが既存の店舗に足を運び、新たな交流と消費が生まれることで、一本杉通りだけでなく七尾市全体の経済が活性化することを目指しています。まさに一本杉通り商店街が、地域再生の起爆剤となることを願い、取り組みを続けてきました。
【震災発生後からの活動】
震災により、登録有形文化財である「高澤ろうそく店」や「鳥居醤油店」などの建物などが損壊し、古き良き街並みが崩れてしまいました。明治の大火から耐えきった土蔵造りの建物は地震には弱かったのです。当時の辛い記憶を呼び起こすほど、今もなお倒壊した店舗が痛々しく残っている状態です。建物が使えない状況で、多くの商店が営業できず、未来を描けない状態になりました。そのような状況下で振興会長をはじめとした店主たちが少しでもいいから一歩踏み出そう、営業ができるかの判断ができるまで何かしようということで立ち上がりました。残っていたわずかな灯に、東北の南三陸商店街の方々からの知見共有、NPO法人ユナイテッド・アースをはじめとした全国からのボランティアの方々が集い、息を吹き込むことで「一本杉復興マルシェ」という復興の狼煙となるテント市が2月11日に開催されました。多くの方々の支援のおかげで昨年は月に1度の開催を続け、一本杉通りや能登の商店の営業再開までのつなぎ役にとどまらない地域に愛されるイベントとなりました。本イベント「うますぎ一本杉」も震災前から引き続いて3回目を開催し、震災前以上に賑わいを作り、能登の中でも大きな復興イベントとなりました。
以上の経緯を踏まえて今回の「うますぎ一本杉」は震災前からのチャレンジに震災後の復興への願いを込めたイベントとしております。
会場設営や広報、警備・清掃の費用が中心となります。
今回のプロジェクトでは、私たちの活動を応援してくださる皆さまに、ぜひ現地に来ていただきたいため、現地消費型リターンをご用意しました。また、このプロジェクト限定のリターンもご用意しました。
■一本杉復興ツアーへのご招待
今しか見ることができない被災した一本杉通りの姿を、地元住民のガイド付きでご案内します。修復中の建物に入り、ここでしか聞けないリアルな話を店主たちから聞いてみませんか。
※現地集合・現地解散
■「かわしまですよ!」(海苔の佃煮)のご提供
一本杉に店を構える日本料理店「一本杉川嶋」がつくる、このリターン限定の試作品をご提供します。
2025年6月 第4回うますぎ一本杉開催に向けた準備始動
2025年8月 出店者募集開始
2025年11月 第4回うますぎ一本杉当日
本記事を執筆させていただいている、一本杉通り振興会インターン生OBの田村と申します。 2年前、私は一本杉通り振興会初のインターン生として、振興会長や女将さん方に迎え入れていただき、人との繋がりや温かさに触れることができました。都会の雑踏の中で生きてきた私にとって、一本杉は「ふるさと」と呼べる地域となりました。半年間のインターン期間が終了してからも、「一本杉マルシェ」や「うますぎ一本杉」のイベント企画・運営に携わり、もの寂しげな通りに賑わいを作るために商店街の方々と共に尽力してまいりました。震災を経て、令和6年には多くの方に支えていただき、一本杉に再び賑わいを戻すことができました。令和7年、そしてこれから先も、この通りがさらに元気になっていく姿を見たい——その想いで、皆さまと力を合わせていければと思っています。
どうか皆さまのご支援をよろしくお願い申し上げます。












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