【はじめに~農業の"あたりまえ"が崩れ始めています】

物価高騰の中でも、私たちの食卓に食べ物が並ばなくなることはありません。お米、野菜、小麦粉、大豆製品…。「高いな」と感じることはあっても、“食べられない”とは思わないでしょう。
しかし、その裏側で——「作ること」が当たり前ではなくなり始めています。
肥料・農薬・燃料・機械の高騰、気候変動、後継者不足…。日本の農業は静かに追い詰められています。
私はこの現状を変えたい。それが今回のプロジェクトの原点です。
【農業が直面している問題】
■資材の高騰と収量至上主義の限界
農業は「収量を落とさないこと」を前提に成り立っています。
だからこそ、
・病気を防ぐ農薬
・虫を防ぐ殺虫剤
・雑草を抑える除草剤
・土の養分を補う化学肥料
これらの資材が欠かせません。
しかし、世界情勢の影響でこれらは軒並み値上がりし、
資材なしでは減収、資材を使えば赤字、という矛盾 が生まれています。
機械も高騰し、大規模農家は莫大な投資なしには経営が成り立たなくなっています。
■ 気候の変化が“作れる作物”まで変えている
北海道は“冷涼な土地”と言われてきましたが、それはもう過去の話。夏はエアコンなしでは厳しく、作物の適性も変わっています。
今まで普通に作れた作物が気温上昇で不安定になり、代わりに暖地作物(サツマイモなど)が育つ——気候が変われば農業も変わらざるを得ません。
■ 後継者不足と耕作放棄地の増加
一昔前は兄弟姉妹が多く、“誰かが継ぐ”時代でした。しかし今は少子化に加え、負債や厳しい現実により「継がせたくない」「継ぎたくない」が増えています。
結果として全国の耕作地は年々減り続けています。耕作放棄地が増えるということは、食料生産力そのものが落ちるということです。
「日本全国の24年の耕地面積、前年より2.5万ha減少」先日こんなニュースを目にしたばかりです。
【問題の根本:自然を奪うことで進んだ現代農業】

■農業の発展と引き換えに犠牲にしたのは
人類は常に「便利さ」を追求してきました。牛や馬で耕していた畑は、トラクターへ。雑草も害虫も、薬剤で制御できるようになりました。
しかしその裏で、
・大型トラクターの排気ガス
・薬剤による益虫の減少
・森林伐採による炭素放出
知らないうちに“自然に頼らない農業”になってしまい、その結果、自然の循環そのものが壊れつつあります。
■「土に還る」という本来の循環が失われている
枯れ葉、動物の遺骸、植物の残渣…。これらを微生物が分解し土に還す——この「循環」があるからこそ、土は肥沃になります。
しかし現代農業では、
・耕起
・農薬
・物理的撹乱
などでミミズや微生物の住処を壊してしまっています。
本来の土が持つ力を、人間の都合で奪ってきた結果
農業自体が苦しくなっているのです。

この循環の主役である「ミミズや微生物の住処」を壊しているのも現代の農業であるということは、あまり知られていません。このミミズや微生物が存在して、これらを含めたすべてが「本来の土」で、この住処を守ることも重要であると言えます。
【環境再生型有機農業(リジェネラティブ農業)とは?】

過去に戻る必要はありません。牛や馬に戻れという話ではありません。
私が目指すのは——自然の力と現代技術を共存させる農業。
その鍵を握るのが「緑肥(カバークロップ)」です。
緑肥は
・土を豊かにする
・雑草を抑制する
・益虫を呼び込む
自然が本来持つ働きを“もう一度発揮させる”ものです。
そして、
・なるべく耕さない
・草を抜かない
・肥料を施さない
それでも収量が確保できる可能性を秘めています。
世界で広がりつつある最先端技術であり、日本でも実現可能です。
【環境再生型有機農業がつくる未来】

これが確立すれば——
■ 経費が劇的に下がる
・農薬・化学肥料ゼロ
・除草作業ゼロ
・燃料費削減
・機械投資が減る
・作業量削減で人件費も減る
■ 環境負荷が減る
・緑に覆われた畑がCO₂を吸収
・トラクター時間減
・微生物・虫・植物の循環が復活
■ 農業が“やりたい仕事”になる
・初期投資が少ない
・体力的負担が少ない
・小規模でも可能
・耕作放棄地の再生が容易
農業が“持続可能”の段階を超えて魅力的な産業になる未来 が見えています。

【私がこの挑戦をする理由】
ライ麦を眺める私。
■私は一度、農家を諦めています
妻の実家の跡継ぎ問題を解決するために、養子縁組までして後継者として就農しました。
9年間、本気で農業に向き合いましたが、義父母との衝突により離農。
多くを失い、心も折れました。
■それでも農業をやめられなかった
有機農業に取り組む会社に入社し、経験を買われて50haの有機畑の農場長を任されました。
そこで私は「環境再生型有機農業」に出会いました。
「これなら農業を救える」そう確信しました。
■会社での挑戦は叶わなかった
会社で実現しようとしましたが、経営判断として許可は得られず。
だから私は決断しました。
「独立して、もう一度農家になる」 と。
50代での大きな挑戦です。でも、この技術の未来を見た瞬間迷いは消えました。
【これまでの活動状況】
試験の様子。ライ麦を倒伏させています。
■現在の試験研究
現在の勤務先で極々小面積での試験は行っています。
・ライ麦を立毛したまま豆を播種
・ライ麦の抑草効果の検証
ライ麦には雑草を抑制効果があり、その効果を確かめる試験でしたが結果は失敗。
しかし改善点は大量に得られました。
農業は失敗が最大の財産です。
■農地の確保
私の農場の圃場図です。
北海道白糠町で8haの農地を確保しました。すべて牧草地で、これを有機の畑へと転換します。
現在も農地の確保に向けて動いており、来年の春までに30haの面積まで拡げるのが目標です。
賃料は農地中間管理機構経由で、支払いは2026年秋から。
非常にありがたい仕組みです。
私の農場から見える景色。海も見え自然に恵まれています。
【これからについて】
■資金が“唯一の問題”です
農地もある。
技術もある。
覚悟もある。
ただ、
運転資金だけがどうしても用意できません。
日本政策金融公庫を含め、
すべての金融機関から融資を断られました。
理由は
・年齢(52歳)
・前例のない挑戦
・初動の運転資金の不足
すべて理解できます。
だからこそ、皆さまのお力をお借りしたいのです。
■支援金の使い道
収穫までの運転資金として大切に活用します。
・種代
・燃料費
・仮設トイレ
・簡易倉庫
・機械レンタル
・有機JAS取得費用
一円も無駄にしません。
【最後に】
はじめまして。プロジェクトオーナーの森 崇(もりたかし)と申します。
ここまでの長文をお読みいただき
誠にありがとうございます。
環境再生型有機農業は、
日本の農業を根本から変える力があります。
・稼げる農業の実現
・耕作放棄地の再生
・新規就農のハードル低下
・持続可能な食の未来
これは私の人生を懸けた挑戦であり、使命です。
どうか力を貸してください。
皆さまとともに、未来の農業をつくるために。
見えているのは発展する日本農業の未来。





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