はじめに
はじめまして。演劇ユニット PRAY▶(プレイ) を主宰する、俳優・演出家の 桂佑輔(けい・ゆうすけ) と申します。
私たちは「超攻撃的新派劇」というコンセプトのもと、日本の伝統的な“和もの”舞台を、現代の表現として再構築する活動を続けています。
次回公演『どん底』では、これまでにない挑戦を行います。1回分の本公演をまるごと撮影日に充て、映画監督が舞台を映像作品として撮り下ろします。劇場の臨場感を映し出す「劇シネマ」という素晴らしい手法もありますが、私たちPRAY▶が目指すのはそれとも少し異なります。
定点の記録映像では、舞台の熱や俳優の呼吸、空気の揺らぎまでは届かない。とりわけ、私たちPRAY▶が生み出そうとしている作品は、定点カメラでは決して伝わらない瞬間を描こうとしています。
上演回数を減らし、収益の一部を手放してでも、この祈りの舞台を世界に届けたい。その思いで、クラウドファンディングを立ち上げました。
なぜこのプロジェクトをやるのか

演劇は、その瞬間にしか存在しない表現です。
照明、呼吸、沈黙、音、そして身体。ひとつひとつの時間は、上演が終わると共に消えていきます。 けれど、その一瞬の中にこそ、人が生きる力や、信じる心が宿っていると私たちは感じています。
『どん底』という作品には、この時代を生きる私たちが見つめる「光と影」が描かれています。その世界を、映像という新しい形で残すことで、もっと多くの人に、世界に、そして未来へと届けたい。映像化という手段を通して、演劇の持つ“祈り”のようなエネルギーを残したい。
これは、記録ではなく表現としての映像化です。舞台の熱を、光を、静寂を、映画監督の視点をお借りして再構築し、世界へ届けたい。
それがこのプロジェクトの出発点です。
超攻撃的新派劇PRAY▶︎とは

PRAY▶は、2019年に旗揚げした演劇ユニットです。「和もの」舞台がもつ美しさと毒、静けさと情熱を、現代に通じる形で描くことを目指しています。
“超攻撃的新派劇”とは、
ただ懐かしむのではなく、伝統を武器にして現代を撃つ演劇。
伝統をただ守るだけでなく、そこから現代に通じる力を見つけ出し、観る人の心にまっすぐ届く作品をつくりたい。私たちは、そんな思いで活動しています。
“和もの”という日本独自の舞台表現──
それは、歌舞伎の美学や呼吸を背景に、明治・大正期に生まれた新派劇などに受け継がれてきた、日本的な演技様式を指します。
こうした「和の演劇様式」は、近年、担い手の減少や上演環境の変化により、継承の危機にあります。私たちは、その精神と手法を現代に呼び戻し、未来へつなぎたいと考えています。

これまでにも、泉鏡花作『天守物語』で東京芸術劇場シアターウエストを満席にするなど、「和もの」舞台として一定の成果を積み重ねてきました。その経験を糧に、消えゆく“和の演劇様式”を守りながら、それを新しい命として立ち上げ直すために、PRAY▶︎は挑み続けます。
今回の挑戦:「どん底」を映像作品に

「たまらなく、生きたくなる。」
これは、誰もが“底”にいる時代に贈る、希望の物語です。
本公演『どん底』は、ロシアの劇作家マクシム・ゴーリキイの名作をもとに、PRAY▶︎が現代の視点から再構築した舞台作品です。
かつて“アバンギャルド”と呼ばれた新派劇の精神を、今の時代のリアリティと音楽(ロックンロール)でよみがえらせます。
舞台は、浅草九劇。人が最も弱く、最も人間らしい場所──「底」に生きる者たちを描きます。けれどそこには、絶望ではなく“生きようとする力”があります。
私たちはこれまで、「和もの」舞台の表現を通して、日本の美学や呼吸を掘り下げてきました。そして次の挑戦として、あえて海外作品を“日本の呼吸”で立ち上げることに挑みます。
海外でも広く知られる『どん底』という題材を、日本的な身体と感性で再構築することで、「和もの」の未来に新しい可能性を切り拓けるのではないかと考えています。
この試みが成功すれば、他の海外作品にも応用でき、失われつつある和の演劇様式の裾野を、さらに広げていくことができるはずです。
今回のプロジェクトでは、1回分の本公演をまるごと撮影日に充て、映画監督が舞台を映像作品として撮り下ろします。舞台を記録として撮るのではなく、映像としての舞台を追求し、俳優の息づかいとカメラの視点が共存する映像作品として完成させます。
完成した映像には英語字幕をつけ、海外にも発信。日本の演劇が持つ「静けさの力」や「祈りのような情熱」を、世界の人々へ届けることを目指します。
世界への発信
今、世界では「日本独自の身体性や間をもつ演劇」が改めて注目されています。
歌舞伎の系譜を受け継ぐ“新派劇”も、翻訳や映像化の壁を越えられれば、きっと共鳴する人々がいる。
PRAY▶︎の挑戦は、その第一歩を踏み出すものになると確信しています。


ご支援の使い道
皆さまからのご支援は、映像作品の制作と配信に大切に活用させていただきます。
・映像撮影にかかる機材、人件費
・編集費
・字幕・翻訳費
・宣伝・配信費
・各種リターンの発送費
リターンについて
1)3,000円
桂佑輔からのお礼メッセージ動画
2)5,000円
上記+エンドロールにお名前掲載+限定オンライン試写会ご招待
3)10,000円
上記+お目当ての俳優からのメッセージ動画
4)30,000円
上記+出演者全員のサイン入り台本
5)50,000円
上記+桂佑輔による演劇ワークショップ
6)80,000円
30,000円までのリターン+あなたのためだけの朗読会を開催
7)100,000円
30,000円までのリターン+PRAY▶︎公式サポーター認定し、今後のPRAY▶︎作品すべてにご招待します。
スケジュール
11月 クラウドファンディング開始
12月中旬 クラウドファンディング終了予定
1月〜3月 編集
3月末 完成報告・リターン発送
映画監督 太田真博氏 プロフィール
1980 年、東京都生まれ。舞台俳優、TVCMディレクターを経て映画制作の道へ。 2009 年、全編即興で制作した中編『笑え』(主演:滝藤賢一)を劇場公開。同作は国内映画祭にて多数受賞・入選。 2011 年、不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕され、30日余りを留置場で過ごす。 その実体験をもとに制作した長編『エス』(主演:松下倖子)を2024年に劇場公開。同作はMadrid International Film Festival(マドリード国際映画祭)2025 外国語映画最優秀編集賞、Liberty International Movie Festival(リバティ国際映画祭・韓国)2025 最優秀女優賞(松下倖子)などを受賞。
超攻撃的新派劇×ロックンロール『どん底』公演概要


たまらなく、
生きたくなる。
___
2025年11月19日(水)-23日(日)
浅草九劇にて
全8公演
作 マクシム・ゴーリキイ
上演台本/演出 桂佑輔(PRAY▶、劇団新派、RushStyle)
<出演者>
塚本幸男
二反田雅澄
長谷川かずき
嶋隆静 (オフィスSHIMA)
木許恵介
西原希蓉美(ラッキージャブジャブ)
長田大史 (劇団ムツキカ)
野村龍一 (G.GARAGE///)
大塚航二朗
関淳平 (オフィス・ルード)
あっぱれ北村 (シイナナ)
千布幸奈
中井ひより (RushStyle)
片山音嶺
以下、PRAY▶
山口祥平
中村湊人
渡邉秀夫
鈴木那生
<スタッフ>
美術・尾谷由衣
照明・富山貴之
音楽・福田基
効果・渡邊紀子(松竹SBS)
フィジカルアクト・三枝宏次
衣裳・PRAY▶
音楽協力・ラッキージャブジャブ
方言指導・砂倉加奈子
助演出・鈴木伊寿実(シイナナ) 古後七海(万博設計/一寸先はパーティー)
舞台監督・岡野浩之(Spielplatz)
コピーライター・和泉伸吾
アートディレクター・青木康純
宣伝協力・藤田サティ(シイナナ)
制作協力・百木千恵
企画制作・PRAY▶ 株式会社インジェント
助成・公益財団法人アーツカウンシル東京【東京ライブ・ステージ応援助成】
最後に
演劇は、祈りのようなものだと思います。
誰かに何かを伝えたいという気持ちが、作品を動かしている。
この映像作品は、その祈りを形に残すための挑戦です。
そして、未来の誰かがこの映像を通して、
日本の演劇の美しさや力を感じてくれることを願っています。
どうか、あなたの祈りを、このプロジェクトに重ねてください。
ご支援のほどよろしくお願いいたします。





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