■自己紹介
富山県黒部市の漁師町・生地(いくじ)の一軒宿「生地温泉たなかや」の若女将、田中です。 2016年に千葉から嫁いで参りました。皆様と交流できる旅館のお仕事が大好きで、あっという間に10年が経ちました。まだまだ至らない事ばかりで失敗しては落ち込むこともありますが、お客様の笑顔にパワーをいただきながら、めげずに日々奮闘しております。
創業115年という当館の節目に私も10年目を迎えられ、とても嬉しいです!
■生地温泉たなかやのご紹介
ここで改めまして、当館についてご紹介させていただきます。
富山県黒部市に佇む生地温泉たなかやは、明治44年に初代館主・田中菊次郎が湯治宿「生地鉱泉」として創業した宿です。
戦国の世に上杉謙信公がその身を癒したと伝説のある歴史あるお湯を守り続けており、昭和2年の『富山新報』では「県下理想的避暑地」投票で、富山県で1位を獲得した経歴もございます。
県立図書館で新聞を読み漁って発見しました。びっくり!
私たちが大切にしているのは、あえて手間ひまをかける、昔ながらのおもてなしです。
女将が生ける野の花や手書きの玄関看板など、手仕事の温もりや想いが伝わる空間づくりにこだわっています。
「みんなに見てもらおうね~」と話しかけながら花生けする女将
習字は2025年の秋から教室に通い始めました
お食事は、若旦那が自ら海へ出て釣り上げた魚を使用しています。金沢の有名料亭で8年磨いた腕を活かして、富山の豊かな海の幸と細かな調理技術と手仕事が織りなす、たなかやだけの会席料理を提供しています。お客様からも大変好評をいただいております。
休日に釣った魚を神経締めしてお客様に提供します。生け簀で保管もしています。
お客様がワッと驚いていただく料理を作るには、効率は度外視
お刺身の盛りつけは若旦那一番の得意技!
時代と逆行する非効率な手仕事の中にこそ、日本の旅館が本来持つ美しさが宿ると信じ、日々お仕事をさせてもらっています。
■このプロジェクトで実現したいこと
今回クラウドファンディングの実施を決めたのは、急激な燃料費高騰のピンチを乗り越え、創業から115年守り続けてきた当館の歴史あるお湯と旅館を未来に繋いでいくためです。
当館のお湯は戦国の世に上杉謙信公が癒されたと伝わり、創業以来100年以上もの間、地域の憩いの場として親しまれてきました。
大きく掲げられた生地温泉の看板。初代はどんな気持ちで創業したのでしょう
この大きなお風呂でホッと一息つく入浴文化と、お客様にとっての「かけがえのない故郷」であり続ける場所を守り抜きたいと考えています。
■プロジェクト立ち上げの背景
恥ずかしい話ですが、実は数年前まで、当館の経営状況は緩やかに悪化していました。
当時は客室が20部屋あり、1日に数十名分の料理を一気に作る団体様向けの営業が中心でした。しかし、料亭の修業から10年前に戻ってきた料理長である5代目若旦那は、
「本当はもっと細かい手仕事で、できたての美味しい料理をお出ししたい」
というジレンマを抱えていました。
包丁の切れ味一つで味が変わってしまう、が口癖の若旦那
そこに2020年、コロナ禍が訪れ、私たちは大きな決断をしました。
客室を半分の10部屋に減らし、大型バスや団体様用のあらゆる設備を手放し、マス思考から
一人ひとりのお客様に向き合う昔ながらのおもてなしへの原点回帰への方針転換を決めました。
新しい、たっぷり時間をかけて作ったお料理!
しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
最初は固定費の大きさと来客数のボリュームや価格が全く合わず、集客の方法もこれまでとは異なるため、お客様のニーズとミスマッチが起きてしまうこともありました。
支出のバランスが依然として大きく上手くいかないことばかりで、まさに暗闇の中を歩くような苦しい時期が続きました。
コロナ禍で売上高は従来の半分に。軌道に乗るまではとても時間がかかりました。その中での前回のクラウドファンディングでの皆様のご支援は、私たちにとって暗闇を照らす希望の光そのものでした。
資金面で宿の命を繋いでいただいたのはもちろんですが、「こんなにもたなかやを応援してくれる人がいる」という事実が、折れそうだった心を何度も奮い立たせてくれました。
あの時いただいたご恩と勇気を胸に必死でもがき続け、足を運んでくださるお客様や関係各所の皆様に支えられながら、昨年、ようやく経営を確かな軌道に乗せることができました。
しかし、やっと光が見えた矢先、
昨今の中東情勢の悪化という新たな壁が立ちはだかりました。
すでに重油などの燃料が急騰していますが、当館のボイラーが依存するガスについても、エネルギー価格の変動が数ヶ月のタイムラグを経て反映される仕組みのため、まさにこれから本格的な価格高騰の波が直撃することは確実視されています。

旅館の構造上、ご宿泊で利用してくださるお客様が1組でもいらっしゃれば、巨大なボイラーを一部の時間だけ止める、という時短営業はできません。
目前に迫る深刻なガス代高騰の波を前に、このままでは当館の宝であるお湯の維持はもちろん、私たちが最も大切にしている「あえて手間ひまをかける昔ながらのおもてなし」というスタイルまで削らざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。
燃料代を少しでも抑えるため、6月は思い切って火曜日から木曜日を休館としました。
その分、ボイラーを稼働させる週末には、地元の方々に向けた入浴の還元キャンペーンを実施しています。
そして、直接お越しいただくのが難しい遠方の方や、これからのたなかやを応援してくださる方に向けて、今回のクラウドファンディングの準備を進めてきました。
■リターンについて
若旦那が手仕事で仕込む「自家製干物の詰め合わせ」や、当館名物の「てづくり昆布もち」、そして宿泊クーポンとのセットをご用意しました。
また、「応援入浴券(15回分)」もご用意しています。正直に申しますとこの回数券は、キャンペーン期間中に直接フロントでお買い求めいただいた方がお安いです。
ですが、プラットフォームの手数料や今後のガス代の足しにするため、今回はあえて「応援価格」で設定させていただきました。ご支援いただいた方には、私から直筆のお礼状を添えてお送りさせていただきます。
■スケジュール
6月11日(木) クラウドファンディング開始
7月下旬 クラウドファンディング終了
7月以降 順次リターン発送
■最後に
私たちはこれまで支えてくださった皆様に、感謝の気持ちをお伝えするだけでは足りないと思っています。私たちにとっての本当の恩返しは、この宿を私たちの代だけで終わらせず、次の世代へとバトンを繋ぎ、これから100年、200年とこの場所で宿を続けていくことだと確信しています。

明治から115年続いてきたように、この先の世界がどれだけ便利になっても、人が人のために時間をかける昔ながらの「人間くさいおもてなし」と、100年以上の歴史が染み込んだ温もりは、決して他のものでは代用できません。
何より、私たち自身が、115年守り続けた「たなかや」という場所と、お客様と笑い合えるこの日常を絶対に守り抜きたいと思っています。
どうか、たなかやがこの先もここでお客様をお迎えできるますよう、皆様のお力をお貸しください。




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