
私たちは、建国高等学校伝統芸術部の卒業生です。
建国高等学校は、開校以来80年の歴史を持つ民族学校として、韓国の文化や歴史を学びながら、多文化共生の精神を育んできました。
その中で伝統芸術部は、韓国の伝統打楽器や民族舞踊を学び、韓国と日本、そしてアジアをつなぐ架け橋となることを目指して活動しています。地域のお祭りや国際交流イベント、学校公演など、年間30回以上の舞台に立ち、多くの方々へ韓国伝統芸能の魅力を届けてまいりました。
このたび、伝統芸術部は「第50回全国高等学校総合文化祭 あきた総文2026」への出場が決定いたしました。
一昨年度の全国高等学校総合文化祭では、最優秀賞である文部科学大臣賞を受賞し、新国立劇場で開催された優秀校公演にも出演させていただきました。私たち卒業生も、先輩方から受け継がれてきた伝統と努力、そして多くの方々の支えによって全国の舞台へ立つことができました。その誇りと感謝の気持ちを胸に、今、後輩たちが再び全国へ挑みます。

民族学校が日本の全国大会において大阪府代表として舞台に立つ――。
そこに至るまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。
大阪には多くの在日コリアンが暮らしています。しかし、長い歴史の中で、自ら知ろうとしなければ、自分のルーツや祖国の言葉、文化に触れることが難しい時代がありました。
そのような状況のなかで、祖国の言葉や文化を学び、自分たちのルーツを受け継いでいくために民族学校が建てられました。私たちは民族学校で学びながら、自分自身のルーツを知り、アイデンティティに誇りを持ち、祖国の文化を受け継いできました。そして、その文化を日本の方々にも知っていただき、互いを理解し合える社会を目指して活動しています。
そのような中で出会ったのが、全国高等学校総合文化祭でした。
「多くの人に私たちの存在を知ってほしい。」「韓国文化の魅力や、その背景にある歴史にも触れてほしい。」
そんな願いを胸に、大阪府予選へ挑戦したのが21年前です。
以来、私たちは大阪府代表として、全国から集まる伝統を守り継ぐ高校生たちとともに、この舞台へ立ち続けてきました。
私たちの演奏や舞いを通して、一人でも多くの方に在日コリアンの存在を知っていただき、その出会いや想いが、それぞれの地域へと広がっていくことを願っています。
だからこそ私たちは、韓国文化に誇りを持ち、その魅力を真っ直ぐに届けるため、毎年全身全霊でこの大会に挑んでいます。
私たちが受け継いでいる文化は、韓国だけの文化でも、日本だけの文化でもありません。大阪という地域の中で、在日コリアンと地域社会がともに歩み、ともに育んできた、かけがえのない文化です。
この挑戦は、私たちだけの挑戦ではありません。これまで懸命に生き、文化を守り、次の世代へとつないできた在日コリアンの方々の想いを背負った挑戦でもあるのです。

今回の演目「正月大満月〜黄海道 鳳山仮面舞より〜」で使用する仮面は、韓国の無形文化財である鳳山仮面舞(ポンサンタルチュム)の保存会によって一つひとつ手作りされたものですが、長年の使用により老朽化が進み、新たな仮面の購入が必要となっています。
さらに、大阪から秋田県までの遠征には、交通費や宿泊費、伝統楽器や衣装の運搬費などを含め、総額約300万円の費用が必要です。
全国大会は、生徒たちにとって努力の結晶であり、自分たちのルーツや文化への誇りを全国へ届けることのできる特別な舞台です。17名で挑む、二度とないこの機会を守りたい。その想いから、私たち卒業生一同はこのプロジェクトを立ち上げました。
韓国の伝統芸能には、人々の喜びや悲しみ、願いや祈り、そして「みんなで輪になり、ともに生き、ともに喜びを分かち合う」という精神が込められています。
この挑戦は、80年にわたり受け継がれてきた建国高等学校の歴史と誇り、そして韓国伝統芸能という文化を次の世代へつなぎ、多くの方々へ感動と希望を届けるための挑戦です。
17名で挑む全国の舞台。
このかけがえのない挑戦が、生徒たちにとって一生の宝物となり、未来へ続く新たな歴史の一歩となるよう、私たち卒業生一同、全力で支えてまいります。
皆さまの温かいご支援とご声援を、何卒よろしくお願い申し上げます。


【全国大会スケジュール】
7月26日(日)大阪を出発し、全国大会開催地(秋田)へ向かいます。
7月27日(月)会場でリハーサルを行います。
7月28,29日(火・水)体育館で練習を行います。
7月30日(水)いよいよ全国大会本番。日頃の練習の成果を胸に、17名全員で全国の舞台に挑みます。





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