9人で滑る、フィギュアスケートの新種目「Synchro9」
2026年に誕生したこの競技に挑むため、東京でTeam FARNA(チーム・ファーナ)を結成しました、コーチの星野有衣子です。
Synchro9は、9人が同時に氷に立てなければ、練習そのものが成立しません。1人欠けても列は組めない。だからこの競技は、まず9人が同じ氷の上にいる時間を確保することから始まります。
その時間を確保するために、皆さまのお力をお借りしたく、このプロジェクトを立ち上げました。
なぜ、皆さんのご支援が必要なのか
Synchro9は、9名が同時に氷上に立つことで、初めて練習が成立します。従って、9名が一緒に練習するために、アイスリンクを貸切る必要があります。アイスリンクの一般滑走の時間帯では練習ができない種目です。
つまり、貸切リンクの時間確保が、この競技における最大かつ最初の壁です。
また、スタジオを確保して、陸上で練習をする必要もあります。限られた氷上での練習時間を最大限有効活用するためです。
さらに、演技の世界観を伝える衣装を、9名+リザーブの1名、計10名分そろえる必要があります。
私がSynchro9に挑む理由
なぜ私がこの競技にこだわるのか、少しだけ私自身の話をさせてください。
私がシンクロナイズドスケーティングを始めたのは、日本でした。日本代表として3年連続で世界選手権に出場させていただきました。
- ・2002年 世界選手権 13位(日本代表)
- ・2003年 世界選手権 13位(日本代表)
- ・2004年 世界選手権 15位(日本代表)
当時から、変わらぬ厳しい練習環境でしたが、世界の舞台に立ち続けた先輩やチームメイト、指導者の方々がいました。日本のシンクロは、その積み重ねの上にあります。私自身も、その方々に育てていただきました。
世界のトップを自分の目で見たい。そう思って、スウェーデンに渡りました。所属したのは、世界選手権最多優勝を誇るTeam Surprise。そこで4年間、世界のトップで戦いました。
- ・2005年 世界選手権 優勝(スウェーデン代表)
- ・2006年 世界選手権 準優勝(スウェーデン代表)
- ・2007年 世界選手権 優勝(スウェーデン代表)
- ・2008年 世界選手権 準優勝(スウェーデン代表)
引退後は日本に戻り、日本代表チームのコーチとして世界選手権に臨みました。
- ・2010年 世界選手権 10位(日本代表チーム)
- ・2011年 世界選手権 11位(日本代表チーム)
その後はシングルの指導に移り、全日本選手権・全日本ジュニア選手権・全日本ノービス選手権・国民体育大会・インターハイ・全国中学生大会に出場する選手を育ててきました。
そして2026年夏、Synchro9に挑戦するチームとして、Team FARNAを結成しました。
日本のシンクロの現場も、世界の頂点も、私は見てきました。
かつて先輩たちが積み上げてきたものの先に、私たちも一段を積みたい。
それが、Team FARNA結成の理由です。
Synchro9とは何か
フィギュアスケートと言えば、シングルやペア、アイスダンスを思い浮かべる方が多いと思います。もうひとつ、チームで滑る種目があります。それが、シンクロナイズドスケーティングです。最大16名のスケーターが、同じ速さ、同じ角度、同じタイミングで氷の上に隊列を描く競技です。国際スケート連盟(ISU)が公認する正式な種目で、毎年世界選手権も開かれています。
2026年、そのシンクロナイズドスケーティングに、9人で行う新しいカテゴリーが誕生しました。それが”Synchro9”です。
Synchro9は、ISUが新たに創設した競技フォーマットです。従来の最大16名から9名+リザーブ1名へと人数を絞り、トーナメント形式で直接対戦します。採点も簡略化され、会場で見てすぐに勝敗が分かる競技として設計されました。
そして国際大会が始まるのは2026/27シーズン。つまり、今シーズンです。
人数が絞られたことで、一人ひとりの動きの精度が勝負を分ける競技になりました。9人では、1人のエッジの浅さも、タイミングのずれも、隠す場所がありません。
ここに、日本の勝機があります
日本はシングルで世界の頂点を争ってきた国です。高い技術を持つスケーターが数多くいます。人数が減るほど、その一人ひとりの技術は、そのまま評価に反映される。だからこそ、Synchro9は、シングルで自分を磨き抜いてきた選手が力を発揮できる競技になる。
もちろん、シングルの力がそのままシンクロの力になるわけではありません。シングルは、自分ひとりがどう見えるかを磨く競技。シンクロは、9人でどう見えるかを磨く競技です。そして歴史あるシンクロには、シングルの選手が経験していないエッジワークとスケーティングスキルが求められます。そこは、一から積み上げるしかありません。
それを埋めるのが、私たちコーチ陣の仕事です。
シンクロの世界と、日本のシングルの現場。その両方を見てきたからこそ、Synchro9は日本に可能性のある競技だと考えています。
世界は、もう動き始めています
Synchro9の国際大会は、2026/27シーズンから始まります。
- ・2026年11月7-8日:アーバイン(米国)
- ・2026年11月28-29日:ヴァンター(フィンランド)
- ・2027年1月29-30日:ルーアン(フランス)
- ・2027年2月20-21日:ブダペスト(ハンガリー)
- ・2027年3月26日-4月4日:ISU世界シンクロナイズドスケーティング選手権大会 兼ジュニア選手権大会(英国・ノッティンガム/シンクロ9を含む)
※2026年8月時点の情報です。
世界のチームは、この秋から動き出します。
日本国内でも、シンクロ9の全日本選手権および全日本ジュニア選手権の開催が予定されています。この競技は、大会も制度も、いま形づくられているところです。
Team FARNAは2026年夏に結成したばかりのチームです。国内に長く実績を積んできたチームがある中、
私たちは、そのスタートラインに立ったところです。
どの国も、まだ手探りです。簡単な道ではありません。だからこそ、初動の1年が決定的に重要です。
皆さんのサポートが、私たちの力になります
この挑戦は決して容易ではありません。結成したばかりのチームですし、世界には何十年もこの競技を積み上げてきた国があります。
それでも、日本に挑戦するチームがいなければ、可能性はゼロのままです。誰かが最初の一歩を踏み出さなければ、次の世代が目指す場所も生まれません。
皆さんからのご支援は、選手が氷に立つ時間そのものになります。
9人が同じ氷の上で、同じ時間を積み重ねる。その一時間一時間が、このチームをつくります。
最後に
Synchro9には、まだ勝利のセオリーはありません。
9名でどう戦うのか。その答えは、まだ世界のどこにもありません。この問いに関してだけは、私たちもシンクロ伝統国も、同じ地点に立っています。
だからこそ、この2026年から始めることに意味があります。1年遅れれば、その1年は取り返せません。
日本のSynchro9の第一歩を刻みたい。そして、世界のトップチームになりたい。それが、私たちの願いです。
一緒に、その一歩を踏み出していただけませんか。
Team FARNA コーチ 星野 有衣子




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