アメリカ市民の相続財産に関わる土地が、現役の米軍基地の中に残されています。
100年以上前、山口県から多くの日本人がハワイやアメリカへ渡りました。
現地で家庭を築き、子ども、孫、ひ孫へと世代を重ね、その子孫・相続人には現在のアメリカ市民がいます。
しかし――
先祖の土地は、日本に残りました。
しかも、その土地の一部は、
現在の米海兵隊岩国航空基地の中にあります。
家族はアメリカへ渡った。子孫はアメリカ市民になった。しかし、先祖から続く土地は米軍基地の中に残された。
これは単なる古い土地記録の問題ではありません。
日本の土地登記、国際相続、日系移民、アメリカ市民、そして現役の米軍基地が一つにつながる、極めて特殊な日米間の国際案件です。
JHLRCが現在調査しているのは約32家族。
そのうち約13家族について、日本の土地・戸籍資料と米国の公文書を照合し、日本の土地所有者から現在の子孫・相続人へ続く記録を確認しています。
その13家族に関係する土地だけでも、
約1万坪。
そして、この問題の中心にいるのは土地だけではありません。
その事実を知らないまま、何世代もアメリカで暮らしてきた相続人と家族です。

プロジェクト立ち上げの背景
なぜ、岩国の土地の相続人がアメリカにいるのでしょうか。
現在の日本では、かつて多くの日本人がハワイやアメリカへ移住した歴史は、あまり身近に知られていません。
しかし、山口県は多くの海外移民を送り出した地域です。
1885年から1894年の官約移民だけでも、
10,424人
の山口県民がハワイへ渡りました。
移住した人々は現地で家庭を築き、世代を重ねました。
そのため現在、日本に残された先祖の土地と、アメリカで暮らす子孫・相続人がつながるケースがあります。
JHLRCは、
日本の登記記録・旧土地台帳・公図・戸籍・除籍
と、
米国の国勢調査・移民記録・渡航記録・徴兵登録・出生死亡記録
などを照合しています。
その結果、
日本の土地所有者↓ハワイ・アメリカへ渡った家族↓現在の子孫・相続人
というつながりが、日米の公文書から確認できる家族が出てきました。
100年以上離れていた家族と土地が、日米の公文書によって再びつながっています。

現在の準備状況
約32家族について、相続人救済に向けた調査を進めています。
現在、JHLRCは約32家族を対象に、土地記録と相続人をつなぐ調査を進めています。
約13家族については、日本側と米国側の公文書を照合し、現在の子孫・相続人へつながる記録を確認しています。
しかし、調査はまだ終わっていません。
まだ調査できていない家族があります。
まだ見つけられていない相続人がいます。
そして何より、
先祖の土地について、まだ何も知らされていない家族がいます。
だから私たちは、調査を続けています。
目的は資料を増やすことではありません。
一人でも多くの相続人を見つけ、先祖の土地について確認できた事実を届けるためです。

JHLRCの目的
私たちの目的は、相続人を救済することです。
一般社団法人 日米相続土地記録センター(JHLRC)は、移民史を研究するための団体ではありません。
古い戸籍や土地記録を保存することだけが目的でもありません。
私たちは、岩国基地内に残された先祖の土地に関わる相続人を見つけ、救済するために活動しています。
アメリカで何世代も暮らしてきた子孫の中には、
先祖の土地が日本に残っていることも、その土地が現在の岩国基地の区域内にあることも知らない家族がいます。
知らなければ、何も始まりません。
調べることもできません。
専門家へ相談することもできません。
自分たちの家族に関わる土地について、どうすべきか考えることさえできません。
だからJHLRCが動きます。
相続人を探す。
日米の公文書で、先祖の土地とのつながりを確認する。
確認できた事実を、本人と家族へ届ける。
必要な場合には、適切な専門家による支援へつなぐ。
相続人を見つける。事実を知らせる。必要な支援につなげる。
これが、JHLRCの相続人救済です。
私たちが相続人へ最初に届けたいのは、
「あなたの家族につながる土地が、日本に残っています。」
という事実です。
知らなければ、何も始まりません。すべては、知ることから始まります。







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