泉州の郷土料理「じゃこごうこ*」を、もう一度食卓へ。
※海老じゃこ(小エビ)+こうこ(香の物・漬物)が由来の泉州の郷土料理

今回の挑戦で私が届けたいのは、泉州地方ならではの郷土料理「じゃこごうこ」です。水なすの古漬けを塩抜きし、大阪湾のじゃこ海老と国産新生姜を炊き合わせて作る、ほどよい塩味とやさしい甘味が織りなす郷土の味。どこか懐かしく、ひと口で昔の食卓を思い出すような一品です。しかしこの味も、暮らしの変化とともに、地域から少しずつ姿を消しつつあります。
昨年、68年間地域で愛され続けた水なす漬の味を未来へ残したいという想いから、私は技術継承とクラウドファンディングに挑戦しました。132名もの皆さまに応援いただいたその一歩は、単なる商品化ではなく、泉州の食文化を次の世代へつなぐ挑戦になりました。
そして今、その先で向き合っているもう一つの味が「じゃこごうこ」です。
1年以上かけてたどり着いた、泉州の家庭の味

特別なごちそうではなく、かつて多くの家庭で親しまれていた“おふくろの味”。家庭ごとに味付けが違い、塩加減も甘みも食感も少しずつ異なるからこそ、じゃこごうこには地域の暮らしそのものが宿っていると感じています。
泉州で親しまれてきた味を、もう一度形にする難しさ

今回私が目指したのは、泉州の家庭で親しまれてきたじゃこごうこの味を、できる限り丁寧に再現することでした。特定の家の味をそのまま再現するのではなく、泉州の食卓に根づいてきた味わいを確かめながら、地域で受け継がれてきた“家庭の味”に近づけていく。その思いを大切にしながら開発を進めてきました。
一方で、本社がある静岡で商品開発に関わる社員の多くにとっては、「じゃこごうこ」という料理名を聞くこと自体が初めてでした。地域で親しまれてきた味を、まだその味を知らない人たちと一緒に商品として形にしていく。そこに、この開発の一番の難しさがありました。
試作品を作るたびに開発担当者と味を確かめ、「生姜の風味が強すぎる」「甘みが出すぎた」「食感が少し違う」と一つずつ課題を見直しながら、少しずつ泉州の家庭の味に近づけていきました。
三つの素材が生み出す、泉州ならではの味わい

使用している水なす漬は、上質な水なすの古漬けを塩抜きし、程よく食感が残る大きさにカットしたものです。
大阪湾のじゃこ海老は、頭と胴体を一尾ずつ手作業で切り離し、頭の部分からもだし汁を煮出しています。胴体はあえて殻付きのまま炊き合わせることで、海老の旨みや香ばしさをまるごと水なすにしみ込ませ、独特の食感も楽しめるように仕上げました。
さらに国産新生姜の爽やかな香りと上品な辛みが、全体の旨味をすっと際立たせてくれます。
余すところなく生かす、昔ながらの知恵
じゃこごうこには、水なす漬を最後まで大切にいただく知恵も息づいています。
深く漬かった水なすを廃棄するのではなく、塩抜きし、手を加え、新たなおいしさとして食卓へ戻す。
食材を余すところなく生かすその考え方は、昔ながらの家庭の知恵であり、フードロスを減らすという現代にも通じるやさしい循環です。
おいしさを守ることは、食材を大切にすることにもつながる。
これも、私がこの料理を残したいと思う理由のひとつです。
水なす漬から始まった、もう一つの挑戦

商品化への道のりは決して簡単ではありませんでした。
じゃこごうこは家庭ごとに味が異なる郷土料理です。正解がないからこそ、一年以上にわたり試作と話し合いを重ね、ようやく「これなら届けたい」と思える味にたどり着きました。
また、私たちが大切にしたのは味だけではありません。じゃこの殻取りや袋詰めは今も一つひとつ手作業。効率よりも、家庭料理らしい素朴なおいしさや懐かしさを守ることを優先しました。多くの方々の力をお借りしながら、この味を未来へ残したい。その想いを込めてお届けします。口にした瞬間、どこか懐かしく、心がほっとほどけるような一品になれば幸いです。
この味と記憶を、次の世代へ

私は、この挑戦を単なる新商品の発売で終わらせたくありません。
じゃこごうこを知っている方には、その一口で、昔の食卓の風景や懐かしい家庭の記憶がふっとよみがえるかもしれません。
そして、初めて食べる方にとっては、泉州という土地で受け継がれてきた味や暮らしに出会う、新しい食の体験になるはずです。
遠く離れた場所にいても、食卓を通じて地域の物語に触れられる。そんな特別な時間までお届けできたなら、これほど嬉しいことはありません。
泉州の食卓で育まれてきた味を、日本全国の皆さまと分かち合い、次の誰かの食卓へつないでいくために。どうか皆さまにも、この挑戦の仲間になっていただければ幸いです。
スケジュール
2024年秋 他社じゃこごうこ試食。自社での販売について検討スタート
2025年5月 取引先様の工場での生産を模索
2025年7月 大阪でじゃこごうこ試作、本番試算用のレシピ作成
2025年10月 1回目実機試作→失敗
2026年1月 2回目実機試作→失敗、レシピ再考
2026年2月 3回目テーブルテスト→味OK
2026年6月 4回目実機試作→OK
26年10月: クラウドファンディング開始
26年11月: リターン発送開始、広告活動開始




コメント
もっと見る