実施理由/背景
火災で失われた大和棟の主屋を修復し次世代へ

江戸時代前期に建築された中家住宅主屋は、美しい「大和棟」の屋根そして度重なる改造や修理の痕跡を今に伝える、奈良県が誇る国指定重要文化財です。先人たちが守り継いできた地域の至宝ですが、令和6年7月の隣家火災の飛び火により、茅葺屋根の焼失や座敷の損壊など、甚大な被害を受けました。
貴重な文化財を救うため、現在、個人である所有者が主体となり、一刻も早い復旧を目指した保存修理事業がすでに動き出しています。奈良県としても補助金を支出してこの事業を支えていますが、伝統技術を駆使する専門的な工事には巨額の費用がかかり、公的支援だけでは賄いきれない自己負担分が大きな課題となっています。
事業はすでに始まっていますが、370年の歴史を宿す大和棟の美しい姿を完全に甦らせるためには、所有者の努力や行政の補助だけでなく、皆様の温かい後押しが必要です。
奈良の至宝を次世代へ確実に引き継ぐため、本復旧事業へのご理解と、クラウドファンディングへのご支援を心よりお願い申し上げます。
プロジェクト内容説明
保存修理事業の内容について

本プロジェクトは、火災により甚大な被害を受けた国指定重要文化財「中家住宅主屋」を、火災前の姿へと復旧する保存修理事業です。
修理は建物の骨組みを残して部分的に解体する「半解体修理」とします。火災によって激しく焼損・水損した部分を精緻に復旧すると同時に、将来の大地震を見据えた構造補強の対策工事をあわせて行い、建物の命を未来へ繋ぎます。
具体的な工程としては、まず焼失した屋根の小屋組、高塀、座敷の構造部や天井などを慎重に解体しつつ、被災した部材の緻密な調査を進めます。焼損が激しく再利用できない部材については、当時の旧状を忠実に再現した取り替え材を用い、伝統的な在来工法によって組み立てていきます。
意匠の要である茅葺屋根および瓦葺屋根は全面を葺き替え、美しい「大和棟」を復活させます。さらに、漆喰壁や砂壁の塗り直し、畳や建具の新調・補修を行うほか、主屋の見せ場である土間は、石灰とにがりを混ぜた土を突き固める伝統工法で仕上げ、傷んだ竈(かまど)の補修も含めて一体的に復旧します。
目指すところ
建物の復旧を超えて、歴史と人々の「生きた記憶」を未来へ繋ぐ

本プロジェクトの第一の目的は、火災に遭った主屋を復旧することですが、私たちが目指す真のゴールは、この建物が370年以上にわたり刻んできた「歴史の証拠」を確実に後世へと引き継ぐことです。
中家住宅には、建築史・生活文化史において極めて重要な価値が遺されています。江戸時代前期の間取りや閉鎖的な開口部、式台や蒸し風呂を備えた接客空間の変遷に加え、11の焚口をもつ竈(かまど)や「だいどころ」と呼ばれた床上空間など、往時の暮らしぶりがそのまま息づいています。火災前は一般公開され、地元の小学生たちがかまど体験を行うなど、歴史を肌で感じる「生きた教材」として地域に愛されてきました。
また、二重の堀を巡らせた環濠屋敷の中に佇む大和棟のシルエットは、大和盆地特有の原風景として広く親しまれてきた、未来に残すべき「心のふるさと」そのものです。このかけがえのない文化的遺産と美しい風景を次世代へと繋ぐため、皆様の温かいご支援を心よりお願い申し上げます。
寄付の使い道

今回の保存修理事業には、総額約5億円という多額の費用が必要です。国・県・町からの補助金が交付されますが、文化財を日々守り続けてこられた所有者の中様には、約2500万円もの大きな自己負担が生じています。
個人で重要文化財の日常管理を行うだけでも大変な中、突如として襲った火災の負担はあまりにも大きすぎるのが現状です。
皆様からいただいた大切な寄付金は、この自己負担金を少しでも軽減し、一刻も早い復旧を確実なものとするための修理費用として所有者の中様へお届けし、大切に役立てていただきます。
自治体からのメッセージ
ご支援いただく皆様へ

重要文化財建造物の修復には、建築当時と同じ原材料や高度な伝統技術を用いるため、多大な資金が必要となります。さらに近年は、資材価格の高騰や人件費の上昇により事業費が増加傾向にあり、文化財所有者の経済的負担は非常に大きくなっています。
そこで奈良県では、こうした所有者の負担を軽減し、地域の貴重な歴史的遺産を確実に未来へ繋ぐため、ふるさと納税制度を活用して、寄付者の皆様が特定の文化財保存事業を指定して応援できる仕組みを創設いたしました。
本制度は、従来の行政補助金とは別に、皆様からの寄付金を原資として上乗せ補助を行う仕組みです。そのため、本プロジェクトをご指定いただくことで、所有者様の負担を直接的に軽減することができます。
事業スケジュール

令和6(2024)年度 仮設橋設置、地質調査
令和7(2025)年度 素屋根及び仮設物建設工事、耐震基礎診断
令和8(2026)年度 解体工事、組立工事、耐震補強実施設計
令和9(2027)年度 組立工事、屋根工事、左官工事、建具工事、耐震補強工事
令和10(2028)年度 左官工事、建具工事、雑工事、素屋根及び仮設物解体工事
全体で4年2ヶ月に及ぶ本事業は、令和6・7年度に素屋根や工作小屋の建設、耐震基礎診断を終え、令和8年度は焼損範囲の解体や部材の補修、耐震補強工事の実施設計を進めています。続く令和9・10年度に木部の組立、瓦葺及び瓦葺、壁の塗り直し、建具の新調、耐震補強、土間たたきやかまど補修などの仕上げを行い、仮設物の解体をもって完了する計画です。
【寄付に関する注意事項】
目標金額に到達しなかった場合の寄付金の返還はございません。
目標金額に到達しなかった場合、お預かりした寄付金は自治体内で使い道を検討し、自治体が取り組む各種の事業に活用させていただきます。
目標金額を超過した寄付金の取扱いについては、各自治体の判断となります。
また、クラウドファンディングの目標金額到達前に、自治体またはさとふるの判断により、寄付の受付を停止する場合があります。あらかじめご了承ください。
お礼品をお受け取りいただける金額以上の寄付であり、且つ、お受け取り辞退のご希望がない場合は、目標金額到達の如何を問わずお礼品をお受け取りいただけます。
サイト上で表示される寄付金額の数値は、入金が確認できた寄付金の合計となりますため、即時反映されるものではないことをご了承ください。
受付終了後に入金が確認できたものについては、受付終了後に数字を更新いたします。





