東京のソメイヨシノが、箸として新しい価値を咲かせます



老木化し、倒木の危険があるため伐採を余儀なくされるソメイヨシノ。春にはいっぱいの花を咲かせ、多くの人々を魅了してきたその桜の木が、倒木の危険から各地で伐採されています。
私たち株式会社兵左衛門は、みんなの思い出が詰まった桜の木、ソメイヨシノを、素材として有効活用して、丁寧に加工し、毎日の食卓を彩る【箸】として新しい形で蘇らせるプロジェクトに取り組みます。その初めての試みとして、東京都内で伐採されたソメイヨシノの材を使って箸の製作を行います。
なぜ箸なのか
兵左衛門は1921年創業の箸専業メーカーで、すべての商品を職人が一膳ずつ手仕事で製作しています。都内に5店舗、京都に1店舗の直営店で、その箸を販売しているのをはじめ、伊勢丹新宿本店、阪急うめだ本店様など百貨店様のおいて、箸を販売させていただいています。
箸は日本人にとって最も身近な道具です。毎日の食卓で使われ、手に取られ、食事を通じて家族や友人とのつながりを深めるもの。ソメイヨシノの材で作った箸を使うたびに、使う人の思い出の中で咲き誇っていた桜のシーンが蘇るように、大切に使っていただきたいのです。
1.なぜ、ソメイヨシノを箸にするのか

ソメイヨシノは観賞用に植樹されてきました。商業用に林業として育てられた樹木は、その用途が多様にありますが、観賞用に育ったソメイヨシノは、大きく曲がっていたり、中が空洞になっていたりして、いざ倒木されてからの使い道が、商業用には使いにくい素材になっています。
かつて街を彩っていたソメイヨシノ。その木が育ってきた時間や、花を咲かせていた頃の風景、そこにあった人々の思い出がたくさん詰まったソメイヨシノに、何とかずっと、みんなのそばにいてもらいたい。
建築材や家具材として活用することが難しい木材でも、箸という身近な道具にすることで、新たな価値を生み出せる可能性があると考えました。
東京の桜が、これからは毎日の食卓で人々の暮らしに寄り添い新しい価値を咲かせる。
このプロジェクトには、そんな願いが込められています。
2.兵左衛門が取り組んできた、素材を生かすものづくり


私たち兵左衛門は、これまでも、本来であれば廃棄されてしまう素材や使いにくい端材を活用し、職人の手仕事で、箸として新しい価値を生み出してきました。職人だから、手仕事だから作れるものがあります。
その代表的な取り組みが、折れた野球のバットを再利用した「かっとばし!!」プロジェクトです。
野球選手の活躍を支えたバットを、箸へ

兵左衛門は、日本野球機構(NPB)との協業などを通じて、折損したバットを活用した箸を製作・販売しています。
野球選手が力いっぱい振り抜き、試合で活躍を支えてきたバット。その役目を終えた木材を箸に生まれ変わらせることで、野球ファンにとって思い入れのある品を生み出してきました。
また、兵左衛門はNPO法人アオダモ資源育成の会と協力し、「かっとばし!!」の収益の一部を寄付しています。
かつて国産バットの主要な材料だったアオダモは、バットに適した大きさに育つまでに70年から80年といった長い年月を要します。こうした背景から、アオダモの植樹や保全を支援し、将来に向けて資源を育てる取り組みも続けています。
ドラムスティックや製造時の余材にも、新しい役割を

兵左衛門では、使い込まれたドラムスティックや卓球ラケットの製造時に生じる余材なども活用し、箸づくりに取り組んできました。
使い込まれたドラムスティックから作られた箸は、ドラマーがファンに贈ったり、コンサートで販売されたりすることもあります。
素材に込められた物語を残しながら、日常で使える道具へと生まれ変わらせる。そこから、作り手にも使い手にも喜ばれる新しい価値が生まれています。
今回のソメイヨシノのプロジェクトも、この考え方につながっています。
木をただ処分するのではなく、できる限り生かし、新しい役割を与える。そして、その価値を次の世代へとつないでいく。
それが、兵左衛門が大切にしているものづくりです。
3.東京の桜を、次の世代へつなぐ

ソメイヨシノは、春の訪れを告げる日本を代表する桜です。
学校や公園、街路など、さまざまな場所で親しまれ、多くの人々の人生の節目を見守ってきました。
一方で、年月を経た樹木は、倒木などの危険を防ぐため、伐採が必要になることがあります。
安全を守るために伐採された木を、そこで終わらせるのではなく、別の形で活用できないだろうか。
私たちは、東京都檜原村木材産業協同組合、株式会社東京チェンソーズとの連携を通じて、都内で伐採されたソメイヨシノの材を活用し、箸として生まれ変わらせることを目指しています。
森と街をつなぐ、パートナーとの連携
このプロジェクトは、兵左衛門だけで実現できるものではありません。東京の森林や木材を知り尽くしたパートナーと連携し、伐採されたソメイヨシノに新たな価値を生み出すことを目指しています。
<檜原村木材産業協同組合>
東京都檜原村は、村の面積の約93%を森林が占める、豊かな自然に恵まれた地域です。同組合には、林業、製材業、木材加工業、森林体験サービス業など、40社以上の異業種企業が参加しています。
都心に近いという立地と、多様な専門性を持つ企業の連携を生かし、森の恵みを街と共有することで、森と街の新しい関係づくりに取り組んでいます。
<株式会社東京チェンソーズ>
東京・檜原村を拠点に林業を営む同社は、森林の整備から木材の伐採・搬出、木工品の製造・販売、企業研修、森林体験まで幅広く展開しています。
「森と暮らしをつなぐ仕事」という考えのもと、森林を整備し、木材を生かし、次世代へとつながる持続可能な森林づくりに取り組んでいます。
こうしたパートナーの知識と経験を生かしながら、私たち兵左衛門は、伐採されたソメイヨシノを箸として新たな形に生まれ変わらせます。
森で育った木を、街の暮らしへ。そして、東京の桜の記憶を、これからの食卓へ。
それぞれの専門性をつなぐことで、木材を最後まで生かすものづくりの可能性を広げていきます。
4.素材から箸へ。職人の技術で、新しい命を吹き込む

伐採された木を箸にするには、木材の状態を確認し、箸づくりに適した部分を選び、乾燥や加工を進めていく必要があります。
木材は一つひとつ状態が異なり、すべての部分を製品にできるわけではありません。限られた材を生かすためには、素材を見極める目と、丁寧な加工技術が欠かせません。
兵左衛門では、長年培ってきた箸づくりの技術を生かし、ソメイヨシノの材を一本一本の箸へと仕上げていきます。

箸は、手に持ち、食べ物に触れ、毎日の食事で使うものです。
だからこそ、木の持ち味を大切にしながら、使いやすく、長く愛用していただける箸を目指します。
かつて東京の街で花を咲かせていた木が、今度は食卓で新たな役割を担う。
素材が歩んできた時間を大切にしながら、職人の手で次の物語を紡いでいきます。
5.「お箸は食べ物です」——兵左衛門のものづくり


兵左衛門は、福井県小浜市を拠点に、箸づくりを続けてきた箸専門メーカーです。
創業以来100年以上にわたり、職人の技術を受け継ぎながら、日々の食卓で安心して使っていただける箸を追求してきました。
「お箸は食べ物です」が兵左衛門のモットーです。
口に入る箸先には天然の漆を使用するなど、口に触れる道具としての安全性と使い心地を大切にしています。製品の特性に応じて、木の持ち味を生かす天然素材のみつろうを使用する場合もあります。

私たちが大切にしているのは、木を単なる材料として見るのではなく、それぞれの素材が持つ特徴や背景を理解し、生かすことです。
野球選手が握ったバット、ドラマーが演奏したドラムスティック、そして東京の街を彩ってきたソメイヨシノ。
それぞれに異なる物語があります。
素材に込められた物語を、箸という日常の道具を通じて次の世代へつないでいく。
それが、兵左衛門の考えるものづくりです。
6.皆様のご支援で実現したいこと

今回のクラウドファンディングで皆様からいただいたご支援は、ソメイヨシノの伐採材の選別・輸送、乾燥や箸の製造加工などに活用させていただきます。
このプロジェクトがきっかけとなって、伐採せざるを得ないソメイヨシノで箸を作ることが、材の有効活用の一つになることを願っています。
木材を箸として活用するには、素材の状態を確認し、加工に適した部分を見極め、製品として仕上げるための工程が必要です。
皆様のご支援によって、この取り組みを具体的な製品として形にし、これまで十分に活用されてこなかった木材に、新しい価値を生み出すことを目指します。
さらに、東京チェンソーズなどの協力先との連携を深め、伐採された樹木をできる限り生かすものづくりの可能性を広げていきたいと考えています。
このプロジェクトは、一本、一膳の箸を作ることから始まります。
しかし、その箸が生まれるまでの背景を知ることで、私たちが日々使っているものの素材や、その向こうにある自然、地域、そして人々の営みに目を向けるきっかけにもなるはずです。
7.リターンについて





ご支援いただいた皆様には、東京で伐採されたソメイヨシノの材を活用して製作した箸をお届けします。
兵左衛門の職人の手仕事で、一膳ずつ丁寧に削って製作しました。
長年にわたって東京の街を彩ってきた桜が、新たな役割を得て、皆様の日常に戻ってくる。その物語を感じていただける箸です。
春の食卓で、家族と過ごす時間に。毎日の食事を楽しむひとときに。
かつて花を咲かせていた桜の木が、これからは皆様の暮らしに寄り添います。
今回のプロジェクトで生まれる箸を、東京の桜の記憶とともに、長く大切に使っていただけたら幸いです。
8.今後のスケジュール

本プロジェクトでは、ソメイヨシノ材の状態を確認しながら、選別・乾燥・加工を進め、箸として製品化していきます。
- クラウドファンディング終了後:木材の選別・加工準備
- 製造工程:素材の状態に応じた乾燥・削り出し・仕上げ
- リターンのお届け:製造工程の進捗に合わせて発送
木材は自然素材であり、乾燥や加工には一定の時間が必要です。品質を大切にしながら製造を進め、2027年3月中にお届けする予定にしています。
また、今後は東京都内のみならず、全国の自治体や公園管理者などとの連携の可能性も探り、伐採された樹木を活用する取り組みを広げていきたいと考えています。
9.東京の桜の思い出を、いつまでも手に。
[ソメイヨシノの木と完成した箸の写真]
春になると花を咲かせ、多くの人々を魅了してきたソメイヨシノ。
その木が老木となり、安全のために伐採されることは、避けられない場合があります。
けれども、観賞用の木としての役割が終わった後にも、私たちにできることがあるはずです。
その木を箸に生まれ変わらせ、毎日の食卓で使っていただく。
一膳の箸を通じて、自然の恵みを大切にすることや、地域の風景に思いを寄せること。そして、ものを最後まで生かすことの大切さを伝えていきたいと考えています。
兵左衛門が長年培ってきた箸づくりの技術と、皆様のご支援が結びつくことで、東京のソメイヨシノに新しい価値を生み出すことができます。
東京の桜の思い出を、これからの食卓へ。
この新しい挑戦に、ぜひご参加ください。
皆様の温かいご支援を、心よりお待ちしております。
本プロジェクトは、東京都中小企業振興公社の支援を受けながら、クラウドファンディングのパートナーであるCAMPFIREの協力も得て進めていきます。
東京で育った樹木を新たな製品へと生まれ変わらせ、その価値を多くの方々と共有すること。
この取り組みを通じて、資源を生かすものづくりの可能性を広げ、東京の桜が残してきた記憶を未来へつなげていきたいと考えています。




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