「物を売る」その向こう側に、生活がありました。

現在、私は東広島で買取店を運営しています。
毎日、さまざまなお客様が品物を持って来られます。
ブランド品、時計、貴金属、家に眠っていた物、ご家族が残された物。
最初は、私も「物を査定して、買い取る仕事」だと思っていました。
しかし実際にお店を始めてみると、私たちが向き合うことになったのは、物だけではありませんでした。
「今日の生活費が必要だから、これを売りたい」

お客様とお話をしていると、不要だから物を売る方ばかりではありません。
生活費が必要で、大切にしていた物を手放す方。
仕事が見つからず、これからの生活について悩んでいる方。
家族の介護や老後に不安を抱えている方。
そして、
「元気なうちに家の中を整理しておきたい」
「親が亡くなって、遺品をどうしたらいいのか分からない」
「実家を相続したけれど、誰も住んでいない」
「空き家になっているけれど、どうすればいいのか分からない」
そんな相談を聞くことが増えていきました。
物を売りに来られたお客様と話をしているうちに、いつの間にか人生や家族、仕事、住まいについてのお話を聞いている。
そんなことが何度もありました。
そこで私は考えるようになりました。
私たちにできることは、本当に「物を買い取ること」だけなのだろうか。
一つの家族の問題なのに、相談する場所が多すぎる。

例えば、親御さんが亡くなったとします。
葬儀を行う。
遺品を整理する。
価値のある物を売却する。
相続手続きをする。
税金について相談する。
不動産の名義を整理する。
家の中を片付ける。
清掃する。
そして、誰も住まなくなった家をどうするのか考える。
売却するのか。
残すのか。
解体するのか。
誰かに貸すのか。
一つの家族に起きた出来事なのに、それぞれ違う専門家や業者を自分たちで探さなければなりません。
大切な人を亡くした直後に、これをすべて家族だけで進めることは大きな負担です。
だから私たちは、相談窓口を一つにできないかと考えました。
相続から空き家まで、ワンストップで相談できる場所へ。

現在、私たちはそれぞれの分野の専門家・事業者と連携し、必要な相談へつなげられる仕組みをつくっています。
司法書士。
行政書士。
税理士。
弁護士。
不動産会社。
葬儀。
墓石。
運送。
ハウスクリーニング。
そして、私たちが現在行っている買取。
それぞれの専門分野は、それぞれの専門家が担当します。
でも、「まずどこへ相談すればいいの?」という入口は一つにしたい。
生前の生活相談から、生前整理、買取、遺品整理、相続、そして空き家問題まで。
それが「東広島生活サポートセンター」の一つ目の役割です。
でも、空き家になった後はどうするのか。

ここでもう一つ、私自身の過去の経験がつながりました。
私は以前、人材派遣事業を運営していました。
そこで見てきたのは、
「人を採用したいけれど、人が集まらない」
という企業側の悩みです。
一方では、
「働きたいけれど仕事が見つからない」
「仕事を始めたいけれど、住む場所にも困っている」
という人たちもいました。
そして現在、買取や生前整理・遺品整理・相続の相談を通じて私たちが目にしているのは、
「誰も住まなくなった家」
です。
ある時、この3つが私の中でつながりました。
人を必要としている企業がある。
仕事を必要としている人がいる。
そして、誰も住まなくなった家がある。

だったら、この3つをつなぐことはできないだろうか。
相続などを通じて空き家となった住宅の中で、再利用できるものを、所有者の理解を得たうえでもう一度人が住める住宅へ整備する。
そこを、東広島で新しく働き始める人の住居として活用する。
県外から東広島へ働きに来る人。
再就職を目指す人。
住居と仕事の両方に困っている人。
生活をもう一度立て直したい人。
そうした人たちが、新しい生活を始める場所にできないだろうか。
そう考えています。
仕事だけでは、生活は立て直せない。

これは、人材派遣事業を経験したからこそ感じていることです。
仕事を紹介すれば、それですべて解決するわけではありません。
住む場所があります。
通勤があります。
毎日の生活があります。
地域とのつながりがあります。
だから私たちは、
「働く」だけではなく、「住む・働く・暮らす」を一緒に考えたい。
地域企業や適切な就労支援機関などとも連携し、東広島で新しい生活を始めるための環境をつくっていきます。
「支援される人」のままで終わらせない。
生活保護をはじめとする公的支援は、生活を守るために必要な制度です。
私たちが目指しているのは、それを否定することではありません。
その一方で、
「働きたい」
「もう一度、自分の収入で生活したい」
と考えている方もいます。
その気持ちがあっても、住居や仕事、生活環境などの問題によって、一歩を踏み出せないことがあります。
そんな人に、新しい選択肢をつくりたい。
住む場所を確保する。
仕事につながる環境をつくる。
生活についても一緒に考える。
そして、その人が安定して働けるようになれば、今度は地域で生活し、買い物をし、税金や社会保険を納める側になる人も出てきます。
支援をなくしたいのではありません。
支援を必要としなくても生活できる人を、一人でも増やしたい。
そして、限られた社会の財源を、子育て、教育、防災、交通、福祉など、また別の誰かを支えるためにも使える社会につながればと考えています。
私たちがつくりたいのは「地域の循環」です。

高齢者の生活を支える。
生前整理をする。
大切な物は買取する。
ご家族が亡くなった後は遺品整理を支える。
専門家と連携して相続を支える。
残された空き家について考える。
再利用できる家は、もう一度人が暮らせる場所へ。
そこから、新しい人の生活が始まる。
その人が地域企業で働く。
東広島で生活する。
地域でお金を使う。
そして、いつかその人自身が、地域を支える側になる。
私たちは、この循環をつくりたいと思っています。
まず1軒。まず1人から。
大きなことを言っているように聞こえるかもしれません。
私たちも、いきなり100軒の空き家を再生できるとは思っていません。
100人の人生を一度に変えられるとも思っていません。
だから、最初の目標はシンプルです。
まず1軒の空き家を、もう一度人が暮らせる場所にする。
そして、
そこから新しい生活を始める第1号を生み出す。
1軒が2軒になり、
1人が2人になり、
それが少しずつ地域に広がっていけばいい。
クラウドファンディングでいただいた支援を、地域へ返したい。
もちろん、今回のクラウドファンディングでは、東広島生活サポートセンターを立ち上げ、運営していくための資金も必要です。
ただ、私たちは「事業資金を集めて終わり」にはしたくありません。
いただいた支援を使って、この仕組みを実際に動かします。
そして、私たちが皆さまへお返ししたい一番大きなリターンは、
「東広島に生まれる変化」
です。
空き家が一軒減る。
そこに人が住む。
一人が仕事を始める。
企業に新しい人材が加わる。
その人が東広島で生活する。
地域でお金が使われる。
そして、いつか誰かを支える側になる。
いただいた支援を、一度きりで終わらせず、地域の中で循環させていきたい。
一つの人生から残されたものを、次の人生のスタートへ。
以前運営していた人材派遣事業。
現在運営している買取店。
そこで出会った、人材不足に悩む企業。
生活のために物を売りに来られる方。
仕事に困っている方。
生前整理に悩んでいる方。
遺品整理に困っているご家族。
相続の相談先が分からない方。
そして、誰も住まなくなった家。
これまで別々に見えていた問題が、私の中では一つにつながっています。
人を必要としている企業。
仕事を必要としている人。
住む人を失った家。
そして、もう一度生活を立て直したい人。
これらを地域の中でもう一度つなぎたい。
単なる便利屋でもありません。
単なる買取店でもありません。
単なる人材会社でもありません。
人・仕事・住まい・相続・暮らしをつなぐ地域の窓口。
それが、私たちがつくりたい
「東広島生活サポートセンター」
です。
空き家を、もう一度誰かの家へ。
仕事を、新しい生活のきっかけへ。
一つの人生から残されたものを、次の人生のスタートへ。
まず1軒。
まず1人から。
東広島で、この挑戦を始めます。




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