TraceNoteが目指すこと
スポーツの現場では、毎日たくさんのトレーニングが行われています。しかし選手たちが【なぜこのトレーニングをするのか】【自分にどんな変化が起きているのか】を深く振り返る機会は、実はほとんどありません。
指導者も、チーム全体を見ながら一人ひとりの状態を継続的に把握することは、とても難しい。そこで私たちはTraceNoteを開発しました。選手が日々の活動を記録し、数値と身体の感覚、体調、目標を組み合わせて振り返ることができるアプリです。

選手と指導者の課題
私自身、強豪校でスポーツをしていた経験から、個人個人を育てることが環境的にいかに難しいかを実感してきました。
でも気づいたことがあります。
選手自身が考え、行動に移す思考を身につけられれば、その選手の可能性は何倍にも広がるということです。ジュニア年代であれば将来の伸び代につながる、そんな環境をつくりたい。その想いがTraceNoteの出発点です。

学習の基礎
学習は、① 動く → ② 情報を受け取る → ③ 脳で処理する → ④ 修正する → ⑤繰り返す
このサイクルが学習に必須となります。
特に④の修正では、意識する場所が違えば、学習される内容も変わる。

そのため運動学習では、単に「正しい動きを反復する」だけではなく、「何を意識して修正させるか」まで設計することが重要です。

TraceNoteの本質
TraceNoteは単なる記録アプリではありません。選手が自身の経験を判断し、目標に最適な方向へ自分で動けるようになることを目指しています。トレーニングを行う際に、アプリの情報が頭の片隅にでもあり、行動のための意思決定に利用されるプロセス。そこに成功があると考えています。
開発の最大の課題
TraceNoteの開発で最も難しかったのは、選手が発する『感覚』や『意識』を、分析できる情報へと変換する仕組みをつくることでした。スポーツの現場では「今日はここを意識した」「この感覚だとうまくいった」「前回とは少し違った」といった言葉が多く聞かれます。こうした言葉は非常に重要である一方、そのままでは数値として比較したり、トレーニングの成果との関係を分析したりすることが困難です。
TraceNoteでは、選手の言葉や意識をそのまま記録するだけではなく、学習という視点から『身体内部への意識』と『身体外部への意識』などの傾向へ変換し、さらにトレーニング内容や目標の改善率との関係性を構築する仕組みを考えました。『何をしたか』という数値的な記録と、『何を意識し、どう感じたか』という感覚的な記録、そして『目標がどれだけ改善したか』という結果。これらを一つにつなぎ、選手自身の学習傾向として捉えられるようにする。この仕組みを形にすることが、開発における大きな挑戦でした。

20年間の現場経験を、仕組みに変える

TraceNoteの原点にあるのは、私自身が理学療法士・トレーナーとして約20年間、選手や患者と向き合ってきた経験です。私が現場で大切にしてきたのは、目の前で起きている現象だけをそのまま捉えるのではなく、『なぜ、その動きになったのか』『選手は何を感じ、何を意識しているのか』『その言葉を学習という視点から捉えると、何が見えてくるのか』と考えることでした。
選手の声を聞き、それを学習の視点に置き換え、身体の変化と照らし合わせ、またアプローチを変える。理学療法やトレーナー活動の中で、この試行錯誤を何度も繰り返してきました。その積み重ねから、少しずつ自分自身の治療やトレーニングに対する考え方が形成されていきました。
経験だけで終わらせず、誰もが活用できる形へ
しかし、長年の経験によって培われた考え方は、そのままでは一人の治療家、一人のトレーナーの『経験』や『感覚』の中にしか残りません。この経験を、選手自身や他の指導者も活用できる仕組みにできないか。そこからTraceNoteの開発が始まりました。
約20年間、現場で選手の声を聞き、身体を見て、考え、試し、修正してきた経験。そして、『数値』と『感覚』を結びつけ、さらに『目標の改善』との関係を見るという考え方。それらを一つの仕組みとして形にしたものがTraceNoteです。私にとってTraceNoteは、単に新しく開発したアプリではありません。約20年間の理学療法士・トレーナーとしての経験と、現場で積み重ねてきた試行錯誤を形にした、一つの結晶です。
TraceNoteの機能

選手には【記録から、自分で考える力を】指導者には【記録から、選手を理解する材料を】提供することを目指しています。AIによる分析も活用しながら、選手が自分の状態を知り、考え、選択できる環境。指導者も経験や感覚だけでなく、選手が積み重ねた記録を見ながら、その選手に合った指導ができる環境。それが私たちの目指す姿です。
対応スポーツと年齢層
TraceNoteは中学生以上のほぼすべてのスポーツに対応しています。テクノロジーの力で、選手個人の成長と指導者の指導の質を同時に高める。スポーツの種類や年代を問わず、【言われたトレーニングをする】だけではなく、選手自身が主体的に考え、成長する環境を広げていきたいです。
また、現在は小学生にも試験的に利用いただいており、親子での取り組みの可能性として検証を進めています。
チーム分析サポート
TraceNoteを一定期間チームで活用していただき、選手一人ひとりのトレーニング、意識、コンディション、目標の変化などを蓄積します。
蓄積されたデータをもとに、個人の変化だけでなく、**「何がチーム全体の成長につながっていたのか」**という視点から分析・フィードバックを行い、
アプリだけでなく、人の目でもチームのバックアップを行います。
分析項目分析する内容報告例
| ① チーム目標の改善要因 | チーム目標の改善と、練習・個人練習・コンディションなどとの関係を分析 | 「個人練習の回数が多い期間ほど、チーム目標の改善率が高い傾向」 |
| ② 個人目標 → チーム目標への寄与 | 各選手の個人目標の改善と、チーム目標改善との関係を分析 | 「○○という個人目標の改善が、チーム目標の改善と強く関連していた」 |
| ③ トレーニング内容と目標改善 | 練習内容・頻度・強度・RPEなどと目標改善を比較 | 「高強度練習を増やすより、個人練習を継続した選手群で改善が大きかった」 |
| ④ 意識傾向と成長 | 練習中にどこへ意識を向けていたかと、目標改善との関係を分析 | 「身体内部への意識より、外部への意識が増えた時期に目標改善が進んだ」 |
| ⑤ 怪我・痛みの推移 | チーム全体の痛み・怪我・コンディションを時系列で分析 | 「○月に痛みの報告が増加し、練習負荷の増加と時期が重なっていた」 |
| ⑥ 怪我と練習負荷の関係 | RPE・練習量・疲労・睡眠などと、怪我・痛みの発生を比較 | 「疲労度が高い状態が続いた選手群で、痛みの報告が増える傾向」 |
| ⑦ 試合結果と自己評価の差 | 実際の試合結果・ゲーム分析と、選手自身の評価を比較 | 「実際には改善している項目を、選手側では改善していないと認識していた」 |
| ⑧ 選手とコーチの認識差 | 選手の評価と、コーチ・スタッフ側のゲーム分析を比較 | 「守備について選手は高く評価している一方、スタッフのゲーム分析では課題が残っていた」 |
| ⑨ ポジション別分析 | ポジションごとの目標・練習・コンディション・改善傾向を比較 | 「FWでは○○、DFでは△△の改善がチーム目標との関連が大きかった」 |
| ⑩ チーム内の成長パターン | 改善した選手と停滞した選手の違いを分析 | 「改善群では、個人練習の頻度と目標を振り返る回数が多い傾向」 |
| ⑪ 試合認識とゲーム分析の差 | 選手自身の一人称的な試合認識と、映像・データなどを用いた三人称的なゲーム分析を比較 | 「試合中は○○が良かったと感じていたが、客観的に分析すると△△に課題がみられた」 |
このクラウドファンディングで実現したいこと
私たちが実現したいのは、単にTraceNoteを広めることではありません。
選手が自分の状態を知り、自分で考え、次の行動を選択できる。そして指導者も、選手の記録や変化を共有しながら、一人ひとりに合ったサポートができる。
そんな環境を、より多くのスポーツ現場につくることが私たちの目標です。
スポーツの成長を支えるのは、テクノロジーだけではありません。選手自身が自分を理解し、指導者と一緒に成長を考えられる環境があってこそ、テクノロジーは本当の力を発揮すると考えています。
皆さまからいただいたご支援は、TraceNoteの機能開発と、学校やクラブなどへの導入・利用サポート体制の強化に活用し、選手が自ら考え、成長できるスポーツ環境を広げる力になります。TraceNoteとともに、新しいスポーツ文化をつくっていきたいと考えています。





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